BACK 利尻山
2008年7月15日
6時55分に下山を開始、沓形からのバスに間に合わせなければいけない。
山頂であった登山者に沓形コースの分岐のことを訊いたら、登山道の補修中ですという標識の後に沓形コースの指導標があったのだそうだ。
山頂から15分ほど下るとその分岐を見つけた。ここからは砂礫の急斜面を下る。道は軽石の砂礫でズルズルと滑る。これを下って行くと急な山腹をトラバースするようになる。この急斜面は一面のお花畑であった。
花を眺めながら歩いて行くと、すさまじい崩落の急斜面が現れた。これが難所の「親知らず、子知らず」である。ロープが張ってあるが、これは体の支えにはならない。もろく崩れやすいトラバース道を慎重に渡って行く。幸いなことに緩やかな上りになっていた。これが少しでも下りだったら怖いんだろうと思う。でも、谷側は恐ろしい急角度で落ち込んでいて、足を滑らせたら下まで下まで滑り落ちてしまいそうだ。足が震えてしまう。
ようやくトラバースを終えて樹林の間に入ったときはほっとした。
お花畑の中のトラバース道が続く。見上げる利尻岳山頂は岩の絶壁で、今も崩落を続けているのだ。親知らず・子知らずの難所は滑落の危険もあるのだが、それ以上に落石が怖いのだ。ようやくトラバースを終えて尾根の上に出ると、そこには九合目の標識があった。大崩落の谷を挟んだ向こうには岩塔が立ち並ぶ急峻な尾根が見える。すごい眺めである。そして、これから私が辿る尾根の左側は絶壁となって切れ落ちていた。尾根の向こうには大きな山があるのだが、これが三眺山である。そこに至る尾根にはいくつかの岩のピークがあって、これを超えて行くのだ。
痩せた尾根を下って行く。ともかく左手の絶壁がすごくて足が震えてしまうのだ。危ない岩場にはロープが張ってあるので、これにすがって上り下りを繰り返す。
9合目から10分ほどのところにすごい岩場があって、そこには「背負子投げの難所」という標識があった。すごいコースである。昔、この道を下ったときは霧で何も見えなかったのだが、見えないほうがよかったんだと思ってしまった。
この難所を越えて急な斜面を登ると、祠がたつピークに着いた。ここが三眺山山頂であった。8時になっていた。
ここで長めの休憩をとることにした。目の前には利尻岳の西壁がそそり立っている。そしてその絶壁の中に塔のような岩峰が見える。これがローソク岩である。ともかくため息が出るほどのすさまじい絶壁である。写真を何枚も撮ったのだが、ちょうど逆光でうまく写すことができなかった。
ここからは昨日登った北尾根もよく見えて、その途中にある長官山はすぐにわかった。
下を見ると、いつの間にか雲が湧き出ていて、徐々に上ってこようとしていた。わざわざ一泊して、早朝に利尻岳山頂に立ったのは正解だった。
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沓形コース分岐
分岐からはこんな道
お花畑をトラバースする
子知らずのトラバースを振り返る
9合目の指導標があった
三眺山山頂 |