2008年夏・北海道登山旅行
利尻島
さんちょうやま

標高 1461m
利尻山山頂→10分→沓形コース分岐→40分→三眺山→1:00→避難小屋→50分→見返台分岐→1:30→沓形バス停

深田久弥の日本百名山には利尻岳と書かれているのだが、最近のガイドブックでは利尻山とされている。どっちが正しいんだと悩んでしまうのだが、どっちでもいい、ともかく晴れた日の山頂からの眺めはすばらしいとしかいいようがない。
登山道から仰ぐ三眺山.

 利尻山頂から三眺山へ 1991年9月の登山記録

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2008年715

655分に下山を開始、沓形からのバスに間に合わせなければいけない。
山頂であった登山者に沓形コースの分岐のことを訊いたら、登山道の補修中ですという標識の後に沓形コースの指導標があったのだそうだ。
山頂から15分ほど下るとその分岐を見つけた。ここからは砂礫の急斜面を下る。道は軽石の砂礫でズルズルと滑る。これを下って行くと急な山腹をトラバースするようになる。この急斜面は一面のお花畑であった。
花を眺めながら歩いて行くと、すさまじい崩落の急斜面が現れた。これが難所の「親知らず、子知らず」である。ロープが張ってあるが、これは体の支えにはならない。もろく崩れやすいトラバース道を慎重に渡って行く。幸いなことに緩やかな上りになっていた。これが少しでも下りだったら怖いんだろうと思う。でも、谷側は恐ろしい急角度で落ち込んでいて、足を滑らせたら下まで下まで滑り落ちてしまいそうだ。足が震えてしまう。
ようやくトラバースを終えて樹林の間に入ったときはほっとした。
お花畑の中のトラバース道が続く。見上げる利尻岳山頂は岩の絶壁で、今も崩落を続けているのだ。親知らず・子知らずの難所は滑落の危険もあるのだが、それ以上に落石が怖いのだ。ようやくトラバースを終えて尾根の上に出ると、そこには九合目の標識があった。大崩落の谷を挟んだ向こうには岩塔が立ち並ぶ急峻な尾根が見える。すごい眺めである。そして、これから私が辿る尾根の左側は絶壁となって切れ落ちていた。尾根の向こうには大きな山があるのだが、これが三眺山である。そこに至る尾根にはいくつかの岩のピークがあって、これを超えて行くのだ。
痩せた尾根を下って行く。ともかく左手の絶壁がすごくて足が震えてしまうのだ。危ない岩場にはロープが張ってあるので、これにすがって上り下りを繰り返す。
9合目から10分ほどのところにすごい岩場があって、そこには「背負子投げの難所」という標識があった。すごいコースである。昔、この道を下ったときは霧で何も見えなかったのだが、見えないほうがよかったんだと思ってしまった。
この難所を越えて急な斜面を登ると、祠がたつピークに着いた。ここが三眺山山頂であった。8時になっていた。
ここで長めの休憩をとることにした。目の前には利尻岳の西壁がそそり立っている。そしてその絶壁の中に塔のような岩峰が見える。これがローソク岩である。ともかくため息が出るほどのすさまじい絶壁である。写真を何枚も撮ったのだが、ちょうど逆光でうまく写すことができなかった。
ここからは昨日登った北尾根もよく見えて、その途中にある長官山はすぐにわかった。
下を見ると、いつの間にか雲が湧き出ていて、徐々に上ってこようとしていた。わざわざ一泊して、早朝に利尻岳山頂に立ったのは正解だった。


沓形コース分岐


分岐からはこんな道


お花畑をトラバースする


子知らずのトラバースを振り返る


9合目の指導標があった


三眺山山頂


 三眺山から沓形へ下山
三眺山から下山開始


馬の背を下る


見晴台からの道


舗装道に出た


ひたすら車道を歩く


沓形バスターミナル


三眺山からハイマツの痩せた尾根を下って行く。花もたくさん咲いていてきれいである。
20分ほど下ったところには「馬の背」の標識があって、そこから下へは一直線の長い尾根が続いていて、それが湧き上る雲に沈み込んでいっていた。振り返る利尻岳山頂はいかにも険しく聳えている。すごい山だと思ってしまう。
8合目に着いたのは850分で、この先は背の高いハイマツの中の道が続き視界は閉ざされてしまった。
8合目から25分ほど下って視界が開けるとそこには「夜明かしの坂」という標識があった。振り返ると利尻山頂が逆光でシルエットとなって聳えていた。
ここから10分ほど下ったところには岩があって、礼文岩とかかれていた。この岩に上ると礼文島が見えるのだろうが、湧きあがる雲で何も見えない。
このすぐ先でダケカンバの林の中に入ると、7合目の標識がたっていた。
7合目から10分下ったところで樹林から抜け出すと小屋があった。ブロックを積み重ねたような小さな小屋で、壁は赤く塗られていた。ここからも展望はいいのだろうが、雲の中に入ってしまっていて、何も見ることはできなかった。
6合目通過は953分、バスの時間まで2時間になった。急がなければいけないのだが、道には岩がゴロゴロしていて、すごく歩きにくい。
針葉樹の混じる林の中を行くようになると「旧登山道経由沓形市街」という指導標がたっていた。私のガイドブックにはこれは廃道になっていると書いているので、見返台から車道を歩くことにしてそのまま道を下った。焦ってきているのだが、なかなか見返台に着かない。急な道を下って沢を渡り上り返す。さらにもう一度涸れた沢を渡って一登りすると舗装道に飛び出した。1030分になっていた。
ここから沓形市街までは、ガイドブックによると1時間半となっている。その通りだとバスに間に合わないということになるのだが、走るようにして下ったらなんとかなるだろうとタカをくくって、ここで少し休憩した。パンを食べ腹ごしらえをしてから、気を入れて出発した。時計を見ながら舗装道を下って行く。私は林道の下りはけっこう得意で、標準の歩行時間をかなり短縮できるのだ。
競歩のような早足でどんどん下って行く。道はなんどかターンする。
1117分、道が平坦になって利尻岳登山道の標識がたっていた。早足でどんどん歩き、左に北見富士神社を見ると市街地であった。1132分であった。これでなんとか1155分のバスに間に合う。
街の人にバス停を訊いて、ゆっくりとした歩調で歩いて行き、バスセンターに着いたのは1140分であった。15分も余裕ができてしまった。


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