BACK 利尻 長官山
2008年7月15日
北海道の朝は早い。3時を過ぎると明るくなるのだ。小屋の中でうつらうつらしていたら、小屋の窓から差し込む明かりが赤くなっているのに気がついた。御来光だ。あわてて外に飛び出したら、今まさに太陽が雲海から顔を出したところであった。
雲海は朝日を浴びて金色に輝いている。それが本当に漣のような陰影を作っていた。今日も天気はよさそうだ。
小屋でお湯を沸かして、コーヒーを飲んでから出発した。出発は5時、今日は沓形に下ってからバスで鴛泊に戻らなければいけない。沓形からのバスは11時55分なので、それまでに下らなければいけないのだ。
一面の雲海を振り返りながら登って行く。行く手には高く利尻岳が聳えている。山の斜面は一面ハイマツに覆われていて、そこに登山道が山頂に向かって延びている。道の両脇は笹薮になっていて道は深くえぐれている。ハイマツのトンネルをくぐったりして行くと時々お花畑が広がる。花が本当にきれいである。登って行くにつれて、火山の砂礫が目立つようになって、裸地が広がったりする。利尻岳は山肌はもろくて所々で崩落が進んでいるのだ。9合目に着いたのは5時37分であった。ここにはトイレブースがたっていた。
最近、山ではこうしたトイレブースを見かけることが多くなっている。これはトイレではなくて、登山者は携帯トイレを持参して、この中で用を足すのだ。そして携帯トイレは持ち帰らなければいけない。自然を守るための方策である。南アルプスの塩見小屋でも見たし、トムラウシのキャンプ場でも見た。ただ困るのは、携帯トイレがなければ用が足せないということなのだ。この利尻にやってくる多くのツアー登山者には徹底されているのだろうか。
ともかく山のトイレというのは汚くて悪臭がしてどうしようもなくて、たとえば富士山の登山道はトイレの悪臭が満ち溢れていて、これでは世界遺産になれるはずがないと思ったりするのだ。最近は山のトイレはバイオを使ったものも開発されているのだが、日本百名山のようなたくさんに登山者が訪れる山ではそれが追いつかないのだ。
ともかく9合目までやってきた。あとは山頂である。
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小屋付近からご来光を見た
山頂への道
お花畑の中を行く
ハイマツのトンネルを登る
崩れやすい道
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