紀元杉からひげ長老へ

川上杉→紀元杉→ヤクスギランド入り口→千年杉→荒川橋→ひげ長老→蛇紋杉→太忠岳登山→天柱橋→天柱杉→母子杉→三根杉→仏陀杉→双子杉→くぐり杉→出口

安房から約16km、標高1000mの地点にあって、樹齢数千年の屋久杉の原生林を探勝できるのがこのヤクスギランド。コースは30分、50分、80分、150分の4つがあって、私はもちろん150分コースを歩いたのだ。


 淀川小屋からヤクスギランドへ
淀川小屋


川上杉


紀元杉


太忠岳

BACK 愛子岳


2006年429

今日は雨のはずである。雨の登山はいやなので一日小屋でゴロゴロしていようと思っていたのだが、まだ暗い4時頃から他の登山者は準備をしていて6時頃になったらほとんどいなくなってしまった。
小屋の外に出てみると曇ってはいるものの、雨は降りそうもない。これなら今日も登山ができるのではないか…、がぜん、その気になってしまった。
次は太忠岳に登るつもりである。
太忠岳の登山口は「ヤクスギランド」にあるのだ。この小屋からヤクスギランドへは昨日通ってきた道を引き返さなければいけない。淀川小屋から登山口までは1.5km30分、登山口からヤクスギランドまでは7.5km2時間ほどかかる。紀元杉からバスに乗るという方法もあるのだが、紀元杉の始発は1038分なのだ。これではどうしようもないので歩くしかない。
日帰り登山に不要な荷物は小屋に残してゆくことにして、身軽になって出発した。
昨日、小屋まで歩いたときは下ってるんではないかと思ったが、アップダウンが多いだけで、全般的には小屋は高いところにあったのだということがわかった。
樹林の中の道をひたすら歩いて登山口に。登山口の駐車場に着いたのは75分。ここからは車道歩きになる。
登山口には「宮之浦岳日帰り登山者のために」という注意板がたっていて、ここを遅くとも7時には出発し、山頂からは1時には引き返すようにと書かれていた。宮之浦岳を日帰りする人もいるんだと、感心してしまった。
車道歩きは長い。アスファルトの道をひたすら下ってゆく。歩いて気がつくのだが、かなり傾斜がきついのだ。行く手に川上杉が見えてくると紀元杉は近い。
昨日、紀元杉を見ずに小屋に来てしまったので、今朝はゆっくりと眺めるつもりだ。
紀元杉についたのは725分。朝早いおかげで、他に観光客はいなくて、ゆっくりと紀元杉を眺めることができた。
木の階段でこの紀元杉のまわりを一周できる。この紀元杉は樹齢3000年ともいわれて、胸囲周囲8.1m、高さは19.5m。よく見ると、先端の葉が杉ではないので驚いてしまうのだが、さまざまの宿木が生えているのだ。
3000
年の歳をへた巨木には一種独特の雰囲気がある。古木には霊が宿るという。日本人は山川草木すべてに神がやどるという八百万の神の宗教観をもっている。これは自然を敬い、自然と共生するという心だと思うのだ。屋久杉にはそうした自然の神々しさを思い起こさせるものがある。
紀元杉からは急な車道を下って行く。けっこうすごい道をバスは上ってきていたのだ。この道を歩きながら、帰りのヤクスギランド〜紀元杉は絶対にバスに乗ろうと心にきめた。
車道を歩いて行くと、山頂に鋭い切っ先のような岩峰が立つ山が見えた。これが今日登る太忠岳なのだ。あの岩峰まで登るのかと思うとワクワクしてくる。



 ヤクスギランド入口から千年杉へ
ヤクスギランドの休憩施設「森泉」


ヤクスギランドの遊歩道


林泉橋を渡る


千年杉


ヤクスギランド前に着いたのは8時半である。
駐車場があって、遊歩道の入口がある。ヤクスギランドは有料で300円なのだ。ところがまだ朝早いために遊歩道入口の受付には人がいない。しかたがないので、そのままお金を払わずに入ってしまった。帰りに払ったらいいだろうと思う。
ヤクスギランドのパンフレットは本当はこの受付で入場券とともにもらうのだが、私はなぜかそれを持っているのだ。屋久島に着いて最初に訪れた「自然体験センター」にこのパンフレットが置かれていたのを貰ってきていたのだ。
このパンフレットに書かれた案内図に従って遊歩道を歩いてゆく。
ヤクスギランドの遊歩道は30分コース・40分コース・80分コース・150分コースという4つのコースが設けられている。私は太忠岳を目指すので、150分コースを行くことになる。
入口からはまず「ときめきの径」というよく整備された遊歩道を行く。
この途中には屋久杉の伐採跡が見られる。古代より屋久杉は信仰の対象とされて伐採されることはなかったのだが、島津氏が屋久島を支配するようになって大規模な伐採が行われるようになったのだ。安土桃山建築にはこの屋久杉が重宝され、島津氏は屋久杉を年貢としても定めている。このため、幕末までの間、屋久杉の5〜7割が伐採されたといわれている。
その後、大規模な伐採が行われたのは、太平洋戦争後の復興期である。チェーンソーが導入され、経済成長のために伐採が繰り返されたのだ。自然保護の声が高まったのは昭和40年以降である。
「くぐり栂」という古木をくぐって、林泉橋をわたる。そうすると、右に千年杉の入口があった。私は屋久杉をたくさんみたいと思っているので、もちろん寄り道をすることにした。階段を下って千年杉の前に出る。まっすぐに聳え立つ杉で、苔がむしている。




 ひげ長老へ
荒川橋を渡る


荒川橋の先で150分コースに入る


ひげ長老に着いた


千年杉から階段を登って、30分コースとの分岐に着く。この先は荒川歩道という50分コースになる。鬱蒼とした樹林の中、苔むした倒木がいくつも重なる中を遊歩道はつけられている。200mほど行くと、80分コースhrの分岐があって、ここで右に行って、荒川橋という吊り橋を渡る。この吊り橋から眺める渓谷はけっこうすばらしい。
この橋から100m足らずで150分コースに入る。そこまでは整備された遊歩道だったのだが、突然山道のようになった。150分コースを巡る人は少ないようだ。このコースを小花歩道というのだが、ますます原生林の中を行くという雰囲気で、昔の屋久杉伐採跡の苔むした切り株を見ることができる。この太古そのままの深い森の姿がすごい。30分コースや50分コースでは味わえない、本来の屋久島の原始絵林の姿だと思う。
この道を登って行くと「ひげ長老」という屋久杉の前に出る。この名前は全国公募によって決められたもので、命名者は小学1年生なのだ。根本についた苔がヒゲのように見えることからつけられた名前なのだ。
ここからすぐのところに東屋があって、そこが太忠岳の登山口である。ここには蛇紋杉という屋久杉の巨木があったのだが、最近倒れてしまったのだという。探してみた、たしかにすばらしい巨木が倒れていて、その大きさに圧倒されてしまう。918分であった。



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