新高塚小屋→高塚小屋→縄文杉→夫婦杉→大王杉→ウィルソン株→翁杉→大株歩道入口→三代杉→楠川分れ



屋久島観光の最大の見所はこの縄文杉だと思う。樹齢数千年の屋久杉は本当に神が宿っているのような不思議な雰囲気をもっている。



 新高塚小屋から高塚小屋へ
新高塚小屋


南国らしい道を下る


高塚小屋に着く


BACK 永田岳

2006年51

今日は山登りはない。しかし、たくさんのヤクスギを巡る一日なのだ。なによりも屋久島でもっとも有名な縄文杉に会うことができる。そして大王杉や夫婦杉、ウィルソン株などすばらしい屋久杉がいっぱいなのだ。ワクワクするではないか。
テントをたたんで、新高塚小屋を出発したのは6時半である。縄文杉までは1時間余りの行程だ。
樹林の中を緩やかに下って行くと、古いヤクスギを多く見ることができる。名前もつけられていないのだが、それでも、1000年以上はたっているだろうという巨木である。すごい。
屋久杉が現れるたびに立ち止まって何枚も写真を撮ってしまうので、なかなか先に進まない。
登山道にはシャクナゲなどの照葉樹林が茂っていて、いかにも南国らしい雰囲気である。こうした内地にはないような樹相の林をゆくのも楽しい。

新高塚小屋から歩き始めて1時間ほどすると、道が木道になって、これを下って行くと木のデッキがいくつも設けられた広場に着いた。
ここが高塚小屋の広場である。昨夜泊まった小屋と同じ名前だが、新と旧の違いである。この木のデッキはテントを張るためのものであった。
高塚小屋は少し古びていて、コンクリートブロックでつくられた小屋である。収容人数が
30人という通り、かなり狭い。
ここから縄文杉は近いはずなので、少し休憩することにした。



 縄文杉
東屋のような展望台


縄文杉の展望台


高塚小屋から少し行くと展望台のような東屋があった。ここから縄文杉が眺められるのかと思ったら、ただの休憩所で、もう少し行ったところに縄文杉があるのだ。

縄文杉は木のデッキで囲まれている。もちろん、木の下まで行くことはできなくて、遠くから眺めるだけなのだ。私が縄文杉に着いたときは3人の登山者がいた。もっと観光客でごったがえしていると思っていたのだが、比較的静かに縄文杉に逢うことができた。
樹齢7200年といわれるこの杉の古木は、対面しているとなしかしら、厳粛な気持ちにさせられてしまうのだ。歳へた古木には、確かに霊が宿るのだと思う。このシンとした雰囲気はいったいなんなのだろうと思う。最近の研究では、植物も音楽に反応するというし、会話をかわしているという話もある。日本人は古木には注連縄をはり、神が宿るとして恐れ敬ってきたのだ。そうした古代の人々の気持ちが、この縄文杉の前にいるとよくわかってしまうのだ。
いつのまにか3人の登山者はいなくなってしまって、私一人が縄文杉と向かい合っていた。
……。



 夫婦杉〜ウィルソン株〜楠川分れ
夫婦杉


大王杉からウィルソン株に向かう


ウィルソン株


翁杉


軌道の道を行く





縄文杉のデッキから長い階段を下る。この先、階段の道がずうっと続くのだ。
夫婦杉に着いたのは8時半。この杉は、二本の杉の木の枝がなぜかくっついてしまっていて、仲良く手をつないでいるように見えるのだ。
ここから少し行くと大王杉がある。縄文杉が発見されるまでは、この杉が屋久島で一番古い杉と思われていたのだ。堂々とした巨木である。杉の樹皮がきれいな浪の文様をつくっている。これもすばらしいヤクスギだと思う。
この先、ウィルソン株に向かう道では多くの登山者とすれ違うようになって、がぜん騒々しくなってきた。たいてい10人ほどの団体で登ってくるのだ。細い木道や階段なので、すれ違うのに時間がかかる。こうした団体には必ず案内人がついている。
屋久島にきた観光客は縄文杉を観たいと思うのだろう。でも、縄文杉まではけっこう山道を歩くことになって、バス終点の荒川登山口からは
12kmも歩かなければいけないのだ。そのために、山のシロウトの観光客はこうした案内人のついたツアーに参加することになるんだろうと思う。でも、下るにつれてそうした団体が多くなってものすごくわずらわしい。
ウィルソン株の前にはたくさんの登山者が休憩していた。縄文杉と一人で静かに対面できた私は、すばらしく幸運だったと思う。
ウィルソン株は大きな切り株で、その中に入ることができる。中には祠がおかれていて、見上げると丸く抜けていて、樹林が見える。
さらに、翁杉という古木をみて、急な道を下ると広いしっかりした林道に着いた。でも、驚いたことに、その道にはレールが敷かれていたのだ。ここが「大株歩道入口」である。
レールは明治に行われて屋久杉伐採のときに敷かれたものである。このころはずいぶん賑わったらしいのだ。
そのレールの道をひたすら行く。道は平坦で歩きやすいのだが、結局は軌道の上を歩いてゆくのだから、団体とすれ違うときは少し手間である。それに、登ってくる団体がものすごく多い。
でも、考えてみたら、今はゴールデンウィークの真っ最中である。観光客が多くてあたりまえなのだ。あきらめるしかない。

軌道の道は川の流れに沿って、この川を縫うように曲りくねって続いている。橋を何度か渡る。
途中に三代杉があった。一代目の倒木の上に二代目の杉が育って、二代目の切り株の上に三代目が育っているのだ。屋久杉はこうして世代の交代をしてゆくのだ。
この軌道の道をそのまま行くと、荒川登山口に行き着くのだが、私は途中から左に折れて、白川雲水峡に向かうのだ。その分岐が「楠川別れ」である。
この分岐には
10時少し前に着いた。ここで少し休憩して、峠越えに備える。



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