関東百名山
たついわ

標高 1265m
登山口→45分→ガレ場下のベンチ→15分→稜線鞍部→25分→立岩山頂→35分→経塚山分岐→15分→威怒牟幾不動→50分→登山口

ガイドブックには3時間ほどの所要時間となっているのだが、すさまじい岩場の連続で、6時間にも感じる険しい山であった。西上州にはこんな岩場の山が多いのだ。
星尾大橋から仰ぐ立岩

 登山口から鎖場へ
ここから歩き始める


登山者守り地蔵のお堂


丸木橋で沢を渡る


朽ちた杭が並んでいた


たいしたことがなかった崩落地


巨岩がそびえ立つ


鎖場を登る

BACK 岩櫃山

20091011

今日は谷川岳に登るつもりでいたのだが、深夜、眼をさまして携帯で天気予報を確認したら、明日は雨になっていた。私は晴れた日以外に谷川岳に登るつもりはないので、即、あきらめた。今日は天気がもちそうなので他の山に登ることにする。登山計画では次に登る山は立岩と鹿岳なので、カーナビをセットして車を発進させた。
立岩の登山口までは90kmほどもあるのだ。時間がかかりそうだ。渋川でマクドに寄ってパソコン入力をしたので、登山口に着いたのは7時を少し過ぎてしまった。
林道終点が登山口なのだが、そこにはショベルカーが置かれていた。工事中みたいである。

登山口から歩き始めようとして、注意書きがあるのに気がついた。今日歩こうとしているコースには2カ所の崩落箇所があるのだ。でも、崩落とあるだけで、通行不能とはなっていないので、登ることにした。
登山口から歩き始めると、すぐに流れを渡る。これは石を飛んで渡った。沢を渡ったところにはお堂がたっていて、中にはお地蔵様が祀られていた。このお地蔵様は「登山者守り地蔵」というのだ。今日はすごい岩場を登るので、このお地蔵様に手を合わせて安全をお祈りした。
お地蔵様から少し登ると指導標がたっている。どっちも荒船山に至るようなのだが、ガイドブックに従って右の道を行く。でも、荒船山の登山口がこんなところにあるのかと驚いてしまった。
道はすぐに沢に下って行って、ここに架かる丸木橋を渡る。縞々のロープの張られた道を歩いて行くと、すぐに再び分岐があった。右に登って行く道が立岩直登コースで、中級者コースと書かれている。直進するコースは威怒牟幾不動となっている。私はこの道を帰ってくるつもりである。
鬱蒼とした杉林の中を登って行くと5分ほどで自然林になって、きれいな緑の林になった
広い斜面を緩やかに登って行く。歩いて行くと不思議なものを見つけた。道に朽ちた杭が並んでいるのだ。高山植物の群生地があって、立入を禁止するためのものかと思ったら、そうではなかった。これは階段道の跡で、横に渡した丸太が朽ちてなくなってしまって、丸太を支えていた杭だけが残っているのだ。
かっての階段道だっただけあって、傾斜がきつくなった。いつの間にか再び鬱蒼とした杉林の中に入っていて、眼を上げると断崖がそそり立っている。巨岩がいくつも点在する中を登って行く。山の急な斜面をトラバースするように行くと、途中に崩れたところがあった。これが登山口にあった崩落地ということだろう。それにしてはほんのわずかな崩落で、歩くのにはまったく問題がない。

ブナの林の斜面が広がる。これを斜めに上って行くと、いよいよ断崖が目立つようになる。登山道の行く手には屏風のような岩壁が見えてきた。でも、道はこの手前で左折するのだ。
ほっとしたのもつかの間、左折した行く手にはすごい岩場が続いていた。岩壁が両側にそそり立つ間に岩屑に覆われた急な谷が続いている。涸れた沢のようでもある。この岩が重なる涸れ沢には長い鎖が一本下がっている。これを登れということらしい。
鎖にすがって急登する。10分ほど登ると両側の絶壁が狭まってきて、すさまじく急峻になる。これを本当に登るのかと思って、ふと右の岩壁に眼をやると、太い鎖が下がっていた。急な傾斜の岩棚が上に伸びていて、ここに鎖が取り付けられているのだ。まさかこんなところ登るはずないよな…と思いながらガイドブックを読んだら、まさしくこれが登山道であった。



 立岩山頂へ
やっと尾根上に着いた


左側は断崖


尾根の上に出た


立岩山頂


この岩棚の登りは怖かった。鎖にすがりきってしまうと、バランスを崩したら外に振れてしまう。トラバースにつけられて鎖は本当に怖いのだ。左手で鎖をつかんで、右手は岩をつかんで登って行く。一歩一歩慎重に登って、ようやく狭い岩棚の登りが終わると、岩壁を右から回り込む。そこにも岩壁につけられたトラバース道が続いていたが、足場が少し広くなっていた。
これを通過すると尾根は近い。ようやく尾根の上に登り着くと、そこにはベンチが置かれていて、指導標には立岩まで
500mと書かれていた。
尾根の道は樹林でアップダウンを繰り返す。平坦になったと思ったら、ナイフリッジのような岩尾根があった。這うようにしてこれを通過した。こんな険しところがあるかと思うと、樹林の広い斜面を緩やかに上って行ったりするのだ。
緩やかな尾根を行くようになると、左手にすさまじい岩塔が見えた。これが立岩の最高点西立岩である。鋭い岩塔で、こんな山に登れるはずないではないか…と思ってしまうのだ。
顔をひきつらせながら尾根を登って行く。左側は断崖である。広い斜面を急登すると、長い鎖が一本下がっていた。これにすがって、壁のような斜面を登ると、展望の開けた尾根の上に出た。振り返るとすさまじい岩塔が二つ見えた。これを今越えてきたのだった。
ここに立つ指導標には線ヶ滝まで2.1kmと書かれていて、上級者コースとなっていた。上りは中級コースでも、下りは上級コースになるらしい。でも、それは納得してしまう。あの狭い岩棚の鎖場は、下るとなったら私には無理だと思ってしまうのだ。
灌木の細い尾根を登って行くと、木彫りのお地蔵様がたっていた。そして、このすぐ上が立岩山頂であった。
ベンチが置かれていて、北側の展望が開けている。鋭く聳えているのは経塚山で、その下に見える岩塔や絶壁の眺めがすごい。経塚山から左に伸びる稜線の上に岩が突き出たピークが見える。これが毛無岩のようである。ともかく絶景としか言いようがない。
景色を長めながら餡パンをかじった。



 威怒牟幾不動へ
ベンチの置かれた展望所


鎖にすがって急下降する


行く手に岩塔が立ちふさがる


立岩まで600mの指導標があった


威怒牟幾不動の滝


山頂からは反対側に下る。比較的緩やかな尾根を下って行くと、樹林から抜け出してベンチが置かれた展望所に着いた。ここからは経塚山に続く稜線を一望できる。すさまじい岩塔がいくつも聳えたっている。私は経塚山分岐から西に下るのだが、あの岩塔の手前で下りになることを祈ってしまう。(でも、しっかりこの岩峰群を越えて行くのだ)

ここからは鎖にすがって、マッ逆さまという感じで急降下する。木柱がたっているので、何が書いてあるのかと思ったら「危険、足下に注意」というのだった。そんなの、言われなくても注意して下っています。
すさまじい急降下が続く。行く手に岩塔が迫ってくる。どうもこれを越えなければいけないらしい。…と覚悟を決めたのだが、岩塔の基部まできたら、登山道はこの岩塔の左を捲くのだった。よかった…、本当にうれしかった。
でもトラバース道は痩せていて、けっこう険しかった。
トラバースを終えて、尾根筋に戻ってほっとしたら、すぐに行く手に岩塔が聳えたっていた。これは捲くことなく、2本の鎖にすがって登るのだ。
ピークに着くと、その先はすごく痩せた尾根であった。これを恐る恐る渡って、振り返ると二つの岩峰がそびえ立っているのが見える。奥が立岩山頂で、手前はさっき捲いてきた岩峰である。すごい所を歩いてきたのだ。
…と思っていたら、再び絶壁が行く手に立ちふさがる。これを鎖にすがって越えると、ようやく樹林の緩やかな尾根道になった。指導標とベンチがあって、立岩まで600mと書かれていた。ずいぶん長い距離を歩いたつもりだったが、たった600mだけだったのだ。
ベンチから木漏れ日の気持ちのいい尾根を10分ほど行くと指導標があって、道は左に下っている。直進する道もあるようなのだが、踏み跡はかすかである。ここが経塚山分岐なのだ。指導標には立岩まで1kmと書かれていた。すごい急な下りが続く。木や岩につかまって慎重に下って行く。途中、崩落した不安定なところがあった。
15分ほど急降下すると、沢の流れの音が大きくなって、下に東屋の屋根が見えてきた。ここが威怒牟幾不動である。ここには滝があるのだ。
絶壁の途中に祠が見えるのだが、流れ落ちる滝がない。不思議に思ってよくみたら、絶壁の上から確かに水が流れ落ちているのだが、その水は途中で霧になってしまって下まで届かないのだ。すごい滝である。それでも霧になった水は、滝の下で集まって流れをつくっていた。
威怒牟幾不動というのは滝の絶壁にあるお堂のことなのだが、そのお堂は壊れかかっているようにも見える。



 線ヶ滝
威怒牟幾不動の東屋


指導標の立つ分岐


小屋があった


登山口駐車場に戻った


線ヶ滝の入口


滝からの流れを渡って、東屋のたつ広場に着く。荒船山自然歩道の説明板がたっていた。

ここからは杉林の中をひたすら下って行くのだ。左に渓谷を見ながらどんどん下って行く。広い平坦地に着いて、あまりはっきりしない踏み跡をたどると上り道になった。尾根に出たら下るのだろうと思っていたがどんどん上って行く。これはおかしいと思って、磁石で方向を確認したら、南に下るはずが北に向かっていた。あわてて引き返した。どんどん下って行くと、間違えた箇所がわからないままに指導標のたつ分岐に着いた。私が上って行ったのは荒船山に向かう道であった。
指導標のおかげで道ははっきりしたので、安心して下って行く。道は沢に向かってまっすぐに下っるようになって、ナメをつくっている流れを渡る。
鬱蒼とした杉林の中を下って行くと、ベンチと指導標があって、線ヶ滝まで
1.4kmと書かれていた。ここから少し下ると、林の中に小屋が見えて、その手前に水飲場の標識があった。道から少し左に入ると、筒から水が滔々と流れ出ていた。
ここに水場があるということは、あの小屋は山小屋か…と思ったが、単なる作業小屋で、トタン屋根には穴が開いていて、荒れ果てていた。
杉林をどんどん下って、再び沢を渡る。その先で崩落した支沢を渡るのだが、ここでは道がわかりにくかった。
そこから5分ほど行くと新しい橋があって、これを渡ったすぐ先が、今朝の分岐であった。
登山口に戻ったのは1035分である。

登山口から少し車を走らせると、線ヶ滝の入口がある。私は滝が大好きなので、見てゆくことにした。
石仏と東屋がたつ少し先に滝への降り口がある。急な坂道をジグザグに下ると、一直線に流れ落ちる滝が見えてきた。落差35m、ただひたすら真っ直ぐに落ちる滝である。このシンプルさがいいではないか。
滝の見物を終えて、次の鹿岳の登山口にむかった。
車を走らせて行くと、星尾大橋があった。ガイドブックには、ここから立岩の岩峰が眺められると書いてあるので、降りて振り返ってみた、確かに立岩の眺めがすばらしい。あの岩峰に上ってきたのだと思うと大満足である。


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