関東百名山
かなたけ

標高 1015m
駐車場→20分→分岐→30分→大天狗峠→40分→四ツ又山→20分→4つ目の峰→30分→マメタガ峠→50分→鹿岳コル→15分→一ノ岳→10分→鹿岳コル→25分→鹿岳(二ノ岳)山頂→20分→鹿岳コル→55分→下高原登山口→15分→駐車場

西上州にはすさまじい岩場の山が多いのだが、この鹿岳もまたただひたすら険しい岩峰の山である。ガイドブックでは所要5時間半ということで見くびっていたら、足が震えるような難所の連続で、丸一日登山していたような感じであった。
四ツ又山から見る鹿岳

 登山口から四ツ又山へ
登山口の標識があった


大きな砂防ダムがあった


四ツ又山と鹿岳の分岐


杉林の中に石垣があった


尾根に登り着いた


鹿岳が見えた


四ツ又山山頂

BACK 立岩

2009年10月11日

国道
45号線から左に曲がって橋を渡る。舗装道をどんどん走って行くと、鋭く聳える岩塔が見えてきた。まさか、あれが鹿岳ではないよな…と思ったのだが、まさしくそうなのだ。こんな岩塔にどうしたら登れるんだと思ってしまう。
今回の登山は、まず四ツ又山に登って、それから鹿岳に縦走するつもりである。
四ツ又山の登山口には標識があって、すぐにわかったのだが車を停めるところがない。仕方がないのでさらに車を走らせて、小さな駐車スペースをみつけた。
身支度をして引き返す。
登山道入口に着いたのは1135分である。舗装道を山に向かって歩いて行くと、車道の終点が登山口であった。ここは広い駐車スペースがあるので、ここに車を停めてもよかったかと思った。
舗装されない林道のような道を歩いて行くと、大きな砂防ダムがあった。これを過ぎると、渓谷はすばらしくきれいな流れになった。小さな滝をいくつも連ねて流れ落ちているのだ。何枚も写真を撮ってしまった。この流れに沿って歩いて行き、橋を渡ったところに分岐の指導標がたっていた。左が鹿岳で右が四ツ又山である。私はまず四ツ又山に登るのだ。
分岐から少し行くと水場があった。私はこんなとき必ず飲んでみることにしているのだ。山の水ってけっこううまいのだ。

杉林の中を緩やかに上って行くと、林から抜け出して果樹園が広がった。
この果樹園の手前で右に折れて、山に向かって登って行く。ここからすごい岩塔が聳えているのが見えた。本当にあれに登れるのかと思ってしまうほどの岩峰である。
杉林の中を登って行く。林の中には石垣が組まれていて、段々になっている。昔は畑でもあったのだろうか。杉林の急斜面から右に折れると、自然林になった。きれいな緑の中、斜面を斜めに登って行く。やがて尾根に向かってまっすぐに登るようになる。きつい登りだ。ようやく尾根の上に着いた。ここが大天狗峠のはずなのだが、標識はなかった。ガイドブックには天狗の像と石碑がたっていると書いてあるのだが、何もない。もしかしたら違うのかとも思ってしまう。小さな標識に石仏3分と書いてあった。このことだろうかと思ったが、方向が逆なので確認するのは止めた。
ともかくここから尾根を登って行く。細かなジグザグで登って行くと、大天狗と刻まれた小さな碑があった。これが石碑なのだろうか。
急な登りが続くのだが、クヌギやブナなどのきれいな林を行くので快適である。
峠から25分ほど急登を続けると、尾根の左に岩塔が聳えているのが見えてきた。鹿岳である。でも、鹿岳という名前のピークはなくて、二つの岩峰、一ノ岳と二ノ岳の総称なのだ。二つの岩塔を鹿の角に見立てているのだろうか。
尾根は右に折れて、さらに急な登りが続く。突然、林の中に不動明王の石仏がたっていた。この少し先で、四ツ又山と鹿岳の分岐がある。
まず四ツ又山山頂を目指す。灌木の急な道を登ると3分ほどで山頂に着く。山頂には山名の標識が2つと石の神像がたっている。三等三角点もあった。
樹林に囲まれた山頂なのだが、北側が開けていて、そこからは妙義山岩峰群の眺めがすばらしい。妙義山の右奥には榛名山の峰々も見える。さらに妙義の左にはこれから登る鹿岳の二つ岩峰が聳えている。すごいとしか言いようのない眺めである。



 一ノ岳
ロープが張られたトラバース道


二つ目のピークの祠


一ノ岳・二ノ岳分岐


一ノ岳の登り口


一ノ岳山頂


山頂から下って分岐に戻る。

そこからはロープが張られた急なトラバース道である。トラバース道から尾根の上に登り着くと、あとは尾根の上を行くのだ。でも、すぐに岩塔が行く手を遮る。これをロープにすがって右から回り込んで登って行く。ピークに着くと、四ツ又山と同じような神像がたっていた。
灌木の中を急下降する。行く手には鹿岳のツインタワーがすごい。ロープにすがって二つ目の岩峰に登り着くと、そこには石の祠が置かれていた。ここからも鹿岳と妙義山の眺めがすばらしい。
ピークからはひたすら急下降が続く。四ツ又山と鹿岳の間の鞍部はすごい標高差があるのだ。樹林の中をロープにすがって急下降する。下っても下っても、下が見えない。こんなに下ってしまっていいのかと思うくらい下ると、ようやく下に草地の鞍部が見えてきた。ここでは沢を登ってきた道と合流する。この道を下っても登山口に戻れるのだ。行く手に聳えるすさまじく険しい鹿岳を見ると、山頂はあきらめて、ここから下ってしまいたくなる。四ツ又山からこの鞍部までは
45分もかかってしまった。
ここから少し行くと伐採地跡があって、その先は杉林を登って行く。ロープの下がる急な道を登ってピークに着くと、三角点のような石標が一つだけ置かれていた。ここから眺めると一ノ岳、二ノ岳がさらに近づいて大きく聳えたっている。
急な道を下って尾根に降り着くと、あとは緑の自然林の中を歩いて行く。快適な尾根歩きだと思っていたら、行く手には巨大な一ノ岳の絶壁が立ちふさがる。岩壁の基部に着くと、この下をトラバースして行くのだ。絶壁を右から回り込むと、巨岩が重なる岩場である。これを越えると道は左折して、大岩壁の間の溝を急登する。ロープにすがってようやく尾根の上に着く。
この尾根を右に行くと二ノ岳で左が一ノ岳なのだ。まず一ノ岳を目指す。痩せた岩尾根を少し行くと、木でつくられた梯子があった。この手前に下高原の登山口に下る道があった。この分岐にステッキを置いて、一ノ岳への登攀を開始した。すごく急な岩場の登りなのだが、ロープや鎖はいっさいなかった。ステッキを置いてきたのは正解で、両手フル稼働で、木の根や岩をつかんで登って行く。半分ほど登ると、傾斜は少し緩まる。振り返ると二ノ岳が見えた。さらに岩場を登ってようやく山頂に着く。山頂の大きな岩の上には「摩利支天」と刻まれた石碑がたっていた。この山頂からの眺めもすばらしくて、特に隣に聳える二ノ岳が圧倒的な迫力である。



 鹿岳(二ノ岳)山頂
いかにも古いハシゴ


鎖にすがって登る


鹿岳山頂


ハシゴを下る。これは怖かった


下高原登山口


山頂から引き返す。木や岩につかまって慎重に下って、
最後に木の梯子を下りて、尾根に着く。
さらに続けて二ノ岳に登る。意外と緩やかな尾根の登りが続く。行く手には大絶壁が聳えたっている。すごい迫力だ。
突然、長い木の梯子の前に着いた。いかにも古い梯子で、錆びた針金で階をくくっている。これが取れたらどうなるんだと思ってしまうのだが、驚いたことに、この梯子の一番上の横木がとれてなくなっていた。この間のステップが長くなるのだが、これはすごく怖かった。ようやく梯子を越えたと思ったら、道は左折して岩壁に岩棚のように突き出たところを斜めに登って行くのだ。立岩の難所よりも少し道幅を広くした感じである。突き出た岩は階段状になっている。鎖と岩をつかみながら慎重に登る。岩壁のトラバースの上部には再び木の梯子がある。これを越えて、岩壁を左から回り込んで少し登ると、そこが山頂であった。
山頂からの眺めは絶景としかいいようがない。遠くに浅間山が見え、妙義山の眺めもすばらしい。山名標識のたつ山頂から、さらに踏み跡が続いているので、行ってみた。すぐに露岩の展望所に着く。さっきの山頂よりもさらに展望が開けている。一ノ岳の左には樹林に覆われた四ツ又山が見え、上州の岩峰の山々も一望できるのだ。晴れた日に登って本当によかったと思う。下を眺めていたら、一ノ岳と二ノ岳がくっきりと影を落しているのが見えた。
景色を十分に楽しんで、山頂から下る。下るのがすごく気が重い。あの岩棚を鎖にすがって下る恐ろしさ、そして階が外れた長い梯子の下り。どうしようかと思ってしまうのだ。でも、下って見ると、意外とそんなにきついことはなかった。
鹿岳のコルに戻って、ステッキを回収して、一ノ岳の登り口の木の梯子の前に着く。ここからロープにすがって尾根から下るのだ。
10分ほど急降下すると、自然林から杉林に入る。この杉の急斜面をジグザグに下降する。どんどん下って行くと、沢に降り立つ。あとはこの沢に沿ってひたすら下る。途中には鹿岳までの時間を書いた指導標がいくつかたっている。鹿岳まで70分の標識のところには大岩壁が聳えていた。ずいぶん下ったつもりだが、まだ断崖があるのだ。大きな岩が重なる沢筋を下ったり、谷の急斜面をトラバースしたりして、大きな砂防ダムを過ぎると、行く手に小屋が見えてくる。この小屋の間を抜けると、舗装道に降り立つ。ここが下高原の登山口である。あとは車道を歩いて行くだけである。車道を歩いて行くと、右には大岩壁の山が聳えていた、すごい眺めである。
崖の間を過ぎると、私の車が見えてきた。車に戻ったのは1640分で、だいぶ薄暗くなる頃である。


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