ともかく、まず霧藻ヶ峰まで行ってみることにする。
どんどん下って東屋の分岐まで戻り、雲取山縦走路への道を行こうとしたら、ここにも通行止めの標識がたっていた。でも、「右の迂回路を通って、地蔵峠経由で通行して下さい」と書いてあった。通れるのだ。
少し遠回りになるが、来た道を引き返して、縦走路の分岐まで戻る。分岐に戻ったのは12寺20分であった。ここで、これからの時間を計算したら、車のあるところまで戻るには4時間ほどもかかることに気がついた。休憩もいれたら帰り着くのは17時くらい、暗くなってしまうではないか。三峰神社やビジターセンターでのんびりしすぎたことに気がついた。かなりヤバくなった。
分岐からはきれいな自然林の中を緩やかに登って行く。快適な縦走路である。「冷温帯落葉広葉樹林」という説明板があって、このあたりはブナ、イヌブナ、ミズナラ、クリ、ナツツバキ、カエデなどからなる樹林帯なのだという。美しい緑の樹林を眺めながら歩いて行ったら、檜林に入ってしまった。二股桧という標識がたっていて、標高は1300mと書いてあった。霧藻ヶ峰の標高は1532mなので、あと250mほど登らなければいけない。
ここから少し登ると、左から道が合流してくる。私が通るつもりだった妙法ヶ岳からの道である。でも、不思議なことに、ここに通行止めの標識はなかった。
この分岐から霧藻ヶ峰までは1.5kmであった。まだ遠い。
5分ほど行くと檜林から抜け出して、紅葉の自然林に入った。すごくきれいである。すぐに炭焼平という標識がたっていて、そこには炭焼き窯跡の積み石が残っていた。
鮮やかな紅葉を眺めながら行くと、標高1400mの標識があって、そこからはすごく急な登りになった。道には丸太を組んだ柵が設けられていて、それに沿って急登すると、ようやく地蔵峠についた。名前の通り、お地蔵様があった。ここから左に下ると太陽寺なのだが、まず霧藻ヶ峰を往復する。峠から霧藻ヶ峰まではわずか300mなのだ。
でも、けっこう遠かった。いったん緩やかに下って、登り返すとピークに三等三角点があった。ここが山頂なのかと思ったら、ガイドブックには山頂には休憩舎があると書いている。もう少し先に行かねばならない。
一旦下ってから急登する。平坦になると、道の右には木の柵が設けられている。これに沿って行くと左の岩壁に秩父宮殿下と妃殿下のレリーフがあった。
この岩壁を回り込むと山頂であった。山頂には茶店があって、これが休憩舎であった。昔、私はここに泊めてもらったのだ。懐かしい…
この山頂も鮮やかな紅葉であった。でも、期待の展望は、いつのまにか雲が湧き出していて、近くの和名倉山が見えるだけであった。休憩しながら、小屋のご主人と少し話したが、太陽寺への通行止めはずいぶん前のことらしくて、その通行止めのルートは私の歩くつもりのコースとはまったく別のものだということだった。
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