標高 1879m
曲り沢出合い→2:30→峠→1:30→西峰コル→30分→チロロ岳山頂→20分→西峰コル→35分→チロロ西峰→20分→西峰コル→1:10→峠→2:00→登山口

この山は曲り沢の徒渉を繰り返してして登って行くのだが、途中、峠を越えて隣の二の沢に下って、それを登って山頂に向かう。二つの沢を登らなければいけないという変わったルートなのだ。
チロロ岳山頂

BACK イドンナップ岳


2006年7
29

チロロ岳には長い林道を通らなければいけない。しかし、この林道のゲートは閉ざされていて、通るためにはその鍵を営林署から借りなければいけないのだ。

イドンマップ岳から下りて来て、泉の集落で携帯から電話した。
時間はもう7時半になっていて、かなり遅い。電話で対応してくれた人が親切な人で、急な申し出なのに鍵を準備してくれるという。うれしい。
ところで、困ったことがおきた。ガソリンがほとんど空なのだ。あと何キロ走れるのかわからない。営林署のある日高町に向かって車を走らせるが、途中の街にあるスタンドはすべて閉まっていた。このあたりのお店は営業を終えるのが早いのだ。
困ってしまう。どんどん車を走らせて行くのだが開いているスタンドはまったくない。ガソリンはどんどん減ってゆく。いつガス欠で止ってしまうかわからない。どうしようかと思ってしまう。
なんとか日高町までたどり着いたが、ここのスタンドも閉まっていた。
仕方がないので翌朝まで待つことにした。ここには道の駅がある。
明日、ガソリンを入れてから営林署に行くことにする。


730

道の駅に停まっている車はけっこう多い。もう学校も夏休みに入っているので、家族で旅行しているのが多いのだ。道の駅のトイレに歩いて行くと、洗面用具をもった人がちらほら。
6時少し前になって、街の中のスタンドを探して車を走らせて行くと、ちょうど店員が準備しているところがあった。給油を頼んだら了解してもらった。よかった。
8時くらいまで待たなければいけないのかと思っていたのだが、6時にガソリンを入れることができた。
すぐに営林署に行って、玄関前のボックスに入れてあるという鍵を受け取った。封筒に名前が書かれていて、その中に鍵が入っている。ボックスには他にもたくさんの封筒が入っていて、登山する人が多いことがわかる。
営林署から登山口までは30kmほどなので、すぐに出発。
国道から右のパンケヌーシ林道に入ると、3.5kmでゲート前に着く。鍵を使ってゲートを開ける。
ここから15kmほどほど未舗装の道を走らなければいけないのだが、しっかりした道で走りやすかった
登山口は曲り沢の入口にある。そこには駐車スペースがあって5台ほど車が停まっていた。
出発は75分である。遅い出発である。今日の登山は往復8時間ほどかかるのだ。
樹林の中の林道を少し行くと樹林から抜けて傾斜は急になる。10分ほどで取水施設に着いた。ここからは沢に沿った道になる。道といっても、沢の中の踏み跡をたどるのである。
すぐに沢靴に履き替えた。かなり急な沢で、踏み跡を探しながら登ってゆくのだ。流れはいくつも滝をつくっていて、その度にこれを捲くのが大変である。ロープにすがったりして高捲く。
傾斜はどんどんきつくなる。沢の流れを何度も徒渉するのだが、水量は少ないので膝まで浸かるなどということはない。
最初の二股に着いたのは9時少し前である。振り返るとパンケヌーシが堂々した風格で聳えていて登ってみたくなった。
この二股では右の沢に入る。
水の流れがなくなると傾斜はさらにきつくなって、これを息をきらしながら登る。
今日は体調がよくない。かなりバテている。昨日
13時間も歩いたものだから、その疲れが残っているのだ。今日はつらい登山になりそうだ。
涸れ沢なのだが沢靴のまま登った。
このチロロ岳の登山道は変わっていて二つの沢を登るのだ。今登っている曲り沢をつめてから尾根を乗り越して隣の沢に下って、この二つ目の沢をつめて山頂に向かうのである。その二つ目の沢でも渡渉しなければいけないと思うので登山靴に履き替えるわけにはいかないのだ。
沢は岩がゴロゴロする溝状の道になって、この急な道を登って、ようやく尾根乗越に着く。950分になっていた。登山口からの標準タイムは2時間20分なので、30分ほど遅い。昨日の無理がたたっているのだから仕方がないのだ。
すぐに次の沢に下る。この沢は二ノ沢というのだ。
二ノ沢まではかなり下らなければいけないのかと思ったら、そうでもなかった。よかった。
二ノ沢の水量は少なくて、これなら登山靴で登れそうである。帰りは登山靴で下ろうと思う。
登って行くとすぐに二ノ沢の源流に着く。岩の間から水が湧き出していて、ガイドブックには「おいしい水が湧いている」と書かれていたが、このことのようである。飲んでみたら冷たくてうまかった。
ここで、沢靴から登山靴に履き替えた。
岩が累々とする涸れた沢を登ってゆく。
行く手に緑の草原が見えてくる。二ノ沢の源頭部である。
そこは美しいお花畑であった。きれいだ。
傾斜が緩やかになって、黄色のミヤマキンバイが一面に咲き乱れている。なんてすばらしい。
行く手の右には赤い巨岩が重なっているのが見える。これはチロロ西峰である。そして振り返ると、緑の丸い山が聳えている。こっちがチロロ岳なのだ。
お花畑の中を緩やかに登って、少し下ると裸地の広場に着いた。そこには指導標がたっていて、右がチロロ西峰、左がチロロ本峰とある。
ガイドブックでは、この分岐ら山頂まで30分ということである。もうひと頑張りである。
本当に今日はバテている。どうということはない登りなのに息がきれる。
ゆっくりゆっくり登って行く。
チロロ岳の山頂までは単調な登りと思っていたのだが、そんなことはなかった。まず、鋭い三角形の岩峰のピークに着き、ここから少し下ってから這い松の絨毯の中を登る。見上げる這い松のピークが山頂かと思うとこれも裏切られる。ピークから傾斜は緩やかになって、ほとんど平坦な道を行く。チロロ岳は丸みを帯びた山と思っていたが、登山道が続く尾根の右は絶壁になっていた。
この平坦な尾根を歩いて行くと、突然、這い松の中にチロロ岳と書かれた標識が現れた。ここが山頂であった。1140分であった。
残念ながら霧のなかで展望はきかない。
本当はここから幌尻・戸蔦別・北戸蔦別・1967m峰が一望できるはずなのだが、目の前には濃い霧がうずまいているばかりである。
反対側のパンケヌーシの方は、山頂部が雲に覆われているが麓のほうには日が当たっていた。
休憩していると5人の登山グループが登ってきた。彼らは西峰に登って、それからこの本峰に登ってきたのだそうである。ガイドブックには西峰の道は不鮮明と書かれているのだが問題なく登れそうである。私も登ってみようという気になった。
でも、疲れている。
彼らが下山していってから、ゆっくりと下山を始めた。
霧の中を下って行く。
コルに着いて、それからお花畑の中を歩いて行く。西峰の登山口はこのお花畑の中にあるのだ。もし見当たらなかったあきらめようと思っていたのだが、はっきりとした道を見つけてしまった。
登山道がある以上は登るしかない。でも、今日は本当にきついのだ。
お花畑の中を登ってゆく。一面高山植物の大群落で、すばらしい眺めである。
やがて登山道は赤い巨岩が累々とする中に吸い込まれる。この大岩を乗り越えて登ってゆく。岩につけられた踏み跡を辿るのは、けっこう神経を使う。
この巨岩帯を通過すると、傾斜は緩やかになって這い松の中を行くようになる。
ほとんど稜線のようなところを、緩やかなアップダウンを繰り返して歩いて行くのだが、這い松を抜けると小さなお花畑があって、再び這い松の中に入り、抜けるとお花畑。それを何度か繰り返して最後に大きな岩が重なるのが見えてきた。これが西峰山頂であった。
岩を登って山頂に着くと、そこには山名が縦書きされた標識があった。
空は明るいのだが、霧の中で展望はまったくきかない。
でも、あきらめていた西峰にも登れて満足である。
時間はもう115分になっていた。
下りは5時間ほどかかるので、この調子でいったら登山口にもどるのは5時になってしまいそうだ。少し焦る。
お花畑を下って分岐に戻り、二ノ沢を下る。登りのとき、この二ノ沢は沢靴はいらないと確認してあるのでそのまま登山靴で下った。
さらに尾根を乗越して曲り沢に入り、二股に着いてから沢靴に履き替えた。
取水施設に着いたのは435分で、ここで登山靴に履き替え、沢靴は泥で汚れたので洗った。
登山口に戻ったのは5時少し前である。
疲れた。
林道ゲートの鍵を営林署に返しに日高町に戻った。
今日の登山は本当にきつかった。明日は誰がなんといおうと休養日にするぞ。


NEXT 十勝幌尻岳

BACK 私の北海道の山百選

日高営林署。ここで林道の鍵を借りる


曲り沢出合い登山口


取水ダム。ここから沢の道が始まる


沢の渡渉を繰り返す


最初の二股に着く
涸れた沢を急登する


峠。ここから隣の二の沢に下る


二の沢は水がほとんど流れてなかった


二の沢の源流。水が湧いている


二の沢を振り返る


二の沢源頭はお花畑


左にはチロロ岳が大きく聳えている


西峰コル


ハイマツの中を登る


稜線を行く。右は絶壁だった


チロロ岳山頂(私のザック)


西峰にはお花畑を登る


巨岩が累々としる中を登る


チロロ西峰山頂






総合TOP My日本の山  My日本の道  日本の旅  自己紹介














SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送