とかちぽろしりだけ

標高 1846m
登山口→1:00→尾根取付→2:00→十勝幌尻岳山頂→2:40→登山口

十勝幌尻岳の山頂からの展望は、それこそ「ヒツゼツニツクシガタイ」。この山は日高山脈展望の山なんだと思ってしまった。
十勝幌尻岳山頂

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2006年8
1

今日から8月だ。北海道の登山を始めてから3週間にもなる。疲れがたまってくるわけである。昨日は休養したのだが、どうもまだ本調子ではない。
私が登らなければいけない山で、これから困難が予想されるのがコイカクシュサツナイ岳と1839峰である。山中で1泊か2泊しなければいけないのだ。這い松こぎもしなければいけない。今の状況ではかなり心もとない。どこかでもう一回休養が必要だ。
でも、今日はとりあえず十勝幌尻岳に登ることにした。
帯広の街から登山口に向かって走って行くと、濃い霧である。
登山口に着いたのが6時、歩き始めたのは615分であった。
今日の天気は時々晴れなのだが、霧にすっぽり包まれた状態である。私は山の上のほうは晴れているのではないかと思っている。
登山口から広林道のようなしっかりした道を少し行くとすぐにつきあたりで、そこで沢にかかる簡単な橋を渡る。
今日のコースはまず沢に沿って歩くのだ。でも、ガイドブックによると沢靴は必要ないという。沢に沿って少し行くともう一度沢にかかる橋を渡るのだが、この丸木を3本渡した橋は濡れていて滑りやすい。慎重に渡った。
そこからは沢に沿った道とはいえ、ほとんど沢の傍の笹ヤブの中につけられた道であった。
ただ、道にかぶさる笹や草木は霧のせいかすごく濡れている。雨具のズボンをはいた。すぐにこのズボンはびっしょりと濡れてしまった。上のシャツも袖はビショビショになってしまった。
ともかく雫がいっぱいしたたる草木を掻き分けながらゆるやかに登って行く。途中で何度か小さな流れを渡るのだが、水量が少ないので靴をぬらことはなかった。
ガイドブックには「尾根取り付き点」まで1時間と書かれているのだが、その取り付き点がどこなのかよくわからないままに、いつのまにか尾根の登りになっていた。
ヤブの中の緩やかな登りが続く。大きなターンを繰り返して広い斜面を登って行く。
途中、ガイドブックに写真で載っていた「いっらしゃい ようこそ幌尻岳へ 熊公一同」という案内板を見つけた。本が発行されてから10年ほどたっていると思うのだが、それが残っているのはかなり感動ものである。
道は大きなダケカンバの林の中に入って行く。傾斜がきつくなって尾根も狭まってくる。この頃になると空は明るくなって、予想通り山頂あたりでは霧から抜け出せそうである。展望が期待できそうである。うれしくなってきた。
このあたりで、雨具のズボンを脱いだ。
ようやく急な登りが終わって、ほぼ平坦な尾根の道になる。でも、樹林の中の道で展望はきかない。ここがガイドブックにある「肩」なのだろうか。指導標がないのでよくわからない。
樹林の中の道を少し行くと、しだいに傾斜がきつくなって、樹林から抜け出して、這い松の中を急登するようになった。すばらしい展望が広がっていた。
日高の山並みがきれいに見えるのだ。たぶん幌尻岳ではないかと思う堂々とした山が見える。すごい。山頂に急いだ。こんなときは疲れがふきとんでしまう。
大きな岩の横を抜けて、山頂に着いたのは10時であった。
そこには大パノラマが広がっていた。
はるか襟裳岬から続く日高山脈が一望である。雲海の中から立ち上がった山並みは、すぐ目の前のカムイエクウチカウシ岳、札内岳まで連なっている。そして札内岳の奥には幌尻岳、戸蔦別岳が見え、その隣はピパイロ岳、伏美岳だ。十勝平野は一面、白い雲海であった。
眺めていてため息が出てしまう。
今日、登って本当によかった。
この山並みのどこかに、次に登るカイカクシュサツナイ岳やヤオロマップ岳があるはずである。どれだろうと山々を目で追ってしまう。
コーヒーを飲みながら日高の山々を展望する。至福のひと時というのはこんな時なんだろうと思う。
日高山脈というのは独特の雰囲気がある。北アルプスの山並みとも違うし、東北の飯豊連峰ともちがう。南アルプスの雰囲気に似ているかもしれないが、それでもやっぱり違う独特なものがある。あれこれ考えていたが、すばらしい眺めを目の前にしていたらそんなことはどうでもよくなった。
ともかく、この景色のすばらしさは理屈ではない。
1時間ほど山頂にいて、飽くことなく展望を楽しんでいた。
名残惜しいが、来た道を引き返す。
尾根の道から樹林の中に入ったが、もう草木は濡れていなかった。
登山口に戻ったのは115分であった。けっきょく、他の登山者には誰にも会わなかった。せっかくすばらしい展望ができる日だったのに…。
車を走らせて、中札内の道の駅に車を停めて、のんびりしてすごした。
明日は休養にするか、ヤオロマップ・1839峰に登るか、まだ悩んでいる。


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登山口


この橋は濡れていて滑りやすかった

沢に沿って登ってゆく


大きな岩が重なる沢になる


「いっらしゃいようこそ ホロシリ岳熊公一同」


ダケカンバのきれいな林をゆく


樹林から抜けるとすばらしい展望


ハイマツの中を登る


十勝幌尻岳山頂


登ってきた尾根





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