てんぐだけ

標高 1144m
この山はすさまじい岩峰の山である。しかも、その急斜面には雪が残っていた。
山頂へは、ウェストンコルに向ってルンゼを急登するのだ。膝がガクガクする登山だった。
林道から仰ぐ定山渓天狗岳

BACK 神威岳


2005年6月8日

明日は定山渓天狗岳に登る。
登山口は白井川の向こう岸にあるのだが、定山渓から走って行くと、神居橋からの入り口が工事中のため進入禁止になっていた。かなり、遠回りをしなければいけなかった。
白井二股から橋を渡るとすぐに字路になっていて、左が余市岳の登山口なのだ。余市岳は日本三百名山でもあり、早く登りたいのだが、まだ雪が深くて山頂は真っ白である。
ともかく、私は右に進路をとって定山渓天狗岳をめざす。かなりのオフロードで、アップダウンを繰り返して走ってゆく。こんなとき、四駆でよかったと思うのだ。
こんなに来てしまっていいんだろいうかと心配になる頃に、ようやく登山口の標識を見つけた。今日はここで、車の中で寝る。


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この定山渓天狗岳というのは、すさまじい岩峰の山である。
昨日、林道を走りながら見たのだが、鋭く尖った三角峰は本当に登れるんだろうかと心配になるほどだった。ガイドブックには、山頂直下には「ウェストンコル」という難所が待ちかまえていると書かれている。ワクワクしてしまうのだが、その一方で、かなり怖い。そして、山の険しさだけではなく、このあたりはヒグマの生息地で、もしかしたら、熊に出会ってしまうかもしれない。
そんな不安をいっぱいかかえながら、645分に出発した。もっと早くスタートできたのだが、早朝はヒグマの活動時間で、それを避けたのである。ともかく、この定山渓は札幌に近い温泉地で、熊なんていないと思っていたのだが、出没情報は多いのだ。用心のために、熊よけの笛を首にぶら下げて、時々、この笛を吹きながら行くことにした。
左に熊ノ沢の流れを見ながら行く。次第に深い谷になってくるが、道はいったん沢に下って、これを渡る。
沢の流れはだんだん細くなっ、小さな滝を作ったりしている。それを見ながらのんびり登っていったが、とうとうその沢が雪に覆われるようになった。やばい。やっぱり雪が多いのだ。
傾斜はすさまじく急になって、その斜面が雪である。これを慎重に登って行く。
行く手には、垂直の岩壁が聳えていて、これから登山道はどうなってしまうんだと怖くなってくる。
岩壁の真下に出ると、登山道は左から回りこむ。傾斜はすさまじく急で、しかも雪道。軽アイゼンを装着した。
潅木につかまりながら急な道を登る。
登山口から歩き始めて2時間、ウェストンコルに着いた。
このコルの直前は雪の急斜面。これを慎重に登って、下がっているロープにすがりつく。
ルンゼは雪がないが、すさまじく急なうえに道はぬかるんでいて、かなり滑りやすい。
ようやくルンゼを登りきって、ほっと一息つく。でも、ここから山頂までは、さらに急な岩場を登るのだ。
山頂には10分足らずで登り着いた。狭いが平らな広場になっていて、入り口のすぐの所に三角点がある。広場の奥の岳カンバの木の幹に山名の標識が打ち付けてあった。
もちろん、山頂には私一人である。すごい登りであった。
札幌の近くの山なので、たいしたことはないと思っていたのだが、大間違いであった。
すばらしい山だと思った。
山頂からは無意根山が見える。まだ雪が多い。そしてその反対側には余市岳。これも真っ白である。
昨日登った神威岳も見えたが、上から見下ろす感じで、山頂部が平らな台形の岩山であることがわかる。
山頂には20分ほどいて下山開始。
あの急な岩場と雪の急斜面を下るのかと思うと、かなり気が重くなってしまう。
ルンゼを下ったところで、軽アイゼンをつけて慎重に下る。つくづく思ってしまったが、軽アイゼンというのは本当に気休めでしかない。来年来るときは、もう少しましなアイゼンを持ってこようと思った。
登山口に戻ってきたのは10時半であった。


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天狗岳入り口


沢を渡る


雪が残っている


行く手に岩峰が見えてくる


ウェストンコルへの登り


ウェストンコル最後の登り


山頂三角点


山頂





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