ふしみだけ 1792m

ぴぱいろだけ 1916m
登山口では晴れていたのに、登るにつれて雲の中に入ってしまった。さらに、山頂近くは完全に雪山になってしまった。今年は雪に苦労させられる登山が多い。
伏美岳を登山道から振り返る

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2005年614

伏美岳の避難小屋の前に車を停めて眠ったのだが、朝、車をさらに奥まで走らせた。すぐに登山口に着いた。この間300mほどである。
駐車スペースがあって、登山道入り口には登山ポストが立っている。今日はかなり長い距離を歩かなければいけないので、出発は445分である。
沢に向かって少し下ると、すぐに小さな流れを渡る。これが、コース唯一の水場なのだそうだ。ここを過ぎると、すぐに尾根への登りが始まる。15分ほど歩いたら木の幹に一合目という標識が打ち付けられていた。
樹林の中の尾根をひたすら登る。傾斜はどんどんきつくなってくる。歩き始めて1時間、尾根道に雪が現れ始めた。このあたり、傾斜は緩やかである。登山道の左側斜面は雪がびっしりで、この先がものすごく心配だ。それでも、まだ登山道は雪に隠れることはなかったのだが、登山道は右に緩やかに曲がって、傾斜がきつくなる。6時半、いよいよ雪道に突入した。今回は、雪を覚悟してスキーのストックを持ってきている。これはすこぶる有効である。
このダケカンバの疎林の中の雪の上を歩いて行く。
尾根道なので、道を迷うことはないはずなのだが、広い尾根で、足跡もはっきりしなくてかなり緊張した登りであった。谷は雲に埋められているのだが、頭上では雲がどんどん流されていて、時々青空が広がる。山頂の展望だけを楽しみに、雪の斜面を登って行く。
時々、山頂部は雲に隠されているものの、雄大な日高の山腹見えたりする。大きいと思う。
山頂直下で雪道から抜け出す。伏美岳の山頂に着いたのは720分。山頂は大きな岩が重なっていて、その中に三角点もあった。
山頂からの展望はあまりぱっとしない。雲が垂れ込めていて、日高山脈の山頂部は雲に隠れてしまっているのだ。
それでも、日高の雄大さは感じることができる眺めであった。
さて、私はさらにこの奥の「ピパイロ岳」を目指す。ここまではプロローグみたいなもので、この先が本当に大変なのだ。まず、ダケカンバの林の中を急下降する。
すぐに稜線の左に雪が見られるようになる。雪庇を作っていて、この雪に上を歩くのはかなりヤバそうだ。この雪の横を登山道は通っているのだが、しばらくすると登山道はこの雪の中に消えてしまった。
私は、できるだけ登山道を歩こうとして、雪の上を歩きながらも登山道が現れたら、その道を行くようにした。しかし、雪の上をそのまま歩き通したほうが楽なようである。
私が心配しているのほ、道を失うことである。
道を潅木がふさいでいるところがあって、ここで少し道を探したりした。
アップダウンを繰り返して行くのだが、下りきったところが、水場のあるコルである。平らな雪原で、少しだけ地面が出ていた。テントも張れそうな感じである。ただ、このあたりもヒグマの生息地で、テントを張るには勇気が必要である。
このコルからは雪原の登りが始まる。一つのピークを越えると、本格的に山頂へ向かっての急登である。雪との格闘である。スキーのストックを雪の斜面に突き立てて登って行く。急な斜面をトラバースするところもあって、かなり緊張させられる。
このような山だったら、絶対に12本爪のアイゼンとピッケルが必要である。今年は雪が深いと知っていたのに、軽アイゼンしか持ってこなかったのは、私の不覚である。
山頂直下になって、雪がなくなった。ほっとした。
登山道の横には白いシャクナゲの花が咲いていた。少し、慰められる。
ピパイロ岳山頂に着いたのは1020分である。
さらに尾根を西に進むと1968峰に至ることができるのだが、今日はここまでである。
厚い雲が稜線にかかっていて、心配である。また、時間もめちゃくちゃにかかるのだ。
山頂で休憩していると少しだけ雲が取れて、日高の稜線を見ることができた。これだけでも、十分満足である。
帰りは来た道を引き返す。
コルに下りきる直前で、5人の登山者にあった。このうちの一人は、昨夜避難小屋にいたひとである。
途中で道を失った。広い尾根道なので、登山道がどこを通っているかわからなくなってしまったのだ。この頃は霧が出てきていて、展望がきかなくて、本当に危なかった。少し戻って、もう一度踏み跡を丹念にたどって、ようやく正しい道を見つけることができた。
伏美岳に戻ってきたのは110分。
雪の斜面を下って、ようやく雪のない樹林の中の道になる。ここまできて、なんとか無事下山できたと実感することができた。
樹林の中を下って行くと、道端に咲くピンクのミツバツツジの花に気がつく。やっと、花をきれいだと感じる余裕ができた。
登山口に戻ったのは245分である。
すごい登山であった。
でも、雪がたくさん残っている山に登るのはやめようと、心の底からから思った。


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伏美岳避難小屋


登山口


登山道には花も咲いている


1合目の標識


雪道になった


伏美岳山頂


樹林の中を下る


雪の稜線をピパイロ岳に向う


ひたすら雪原を行く


ピパイロ岳山頂





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