2005年7月4日

西クマネシリから糠平湖に向かって車を走らせると、すぐに十勝三股を通過する。ここは昔、鉄道が通じていたのだが、今、その面影はまったくない。でも、ここは北海道登山を目指すものにとってはかなりの重要なところで、石狩岳とか二ペソツの登山口はここにあるのだ。二ペソツはもう一度登りたい山である。来年の登山予定に入れておこう。
糠平湖の湖畔には温泉街があって、ここのスーパーで買い物をした。その肉とビールを持って湖畔公園に行って、そこで椅子・テーブルを広げて焼肉をした。
ここ数日はけっこうみすぼらしい食事をしていたので、今日は栄養補給というわけである。
お腹も膨れたところで、白雲山の登山口に向かう。
糠平湖から曲がりくねった道を走って、幌鹿峠を越える。峠は霧の中で、雨も降り出した。
峠から下って然別湖の湖畔に着く。登山口は然別湖からトウマベツ川が流れ出るところにある。この前に車を停めて寝た。一晩中、雨がシトシトと降っていた。

7月5日

朝、やっぱり雨であった。今日は、雨具の完全装備で歩き始める。湖畔に沿って少し行くと右に登る道がある。すぐに急な登りが始まる。樹林の中の登りで、樹木についた雫ですぐにびしょびしょになった。雨具で歩き始めて正解であった。
ジグザグに急登する。かなり厳しい樹林の中の登りで、40分ほど急登に耐えて、ようやく尾根に登りつく。
ここからはほとんど平坦な道になるが、やはり樹林の中の道である。ガイドブックには樹林越しに展望がえられると書いてあるのだが、雲の中でまったく何も見えない。
進むにつれて傾斜をまして、道には大きな石がゴロゴロするようになった。この石の道を急登して行くと、然別湖への下山口という分岐があった。その指導標によると山頂までは7分とある。もうすぐだ。
樹林から抜け出す。晴れていたら然別湖の展望が一気に開けるはずだが、小雨が降る霧の中である。残念だ。
道は大きな岩が累々とする中を、その岩につけられたペンキの印をたどって行く。
いつのまにか、正規の登山コースから外れてしまって、痕跡のない岩を無理やり越えて行って、なんとか山頂にたどり着いた。
山頂は大きな岩が重なっていて、そこにペンキがはがれかけた白い柱が立っていた。時間は7時少し前になっていた。さて、ここからは天望山をめざす。
山頂から少し下ると、平坦な広場がある。でも、ここにはいろんな踏み跡があって、下山路はどれなんだと探してしまった。
リボンで下山路を見つけて、そこからは急降下する。20分ほど下って行くと、コルにつく。ここには然別湖に下る道の分岐がある。コルからは山の斜面をトラバース気味に登って行き、山頂の近くで、Ｕターンするみたいに大きくカーブする。どっちへ行ってしまうんだと心配になってしまう。このあたりではアヤメの花が咲いていて、その紫の色が雨の中で鮮やかであった。
天望山山頂に着いたのは8時少し前。山頂の標識は地べたに倒れていた。その文字もペンキがかすれていてはっきりしない。
雨でもあるし、すぐに下った。急降下してゆく。傾斜が緩やかになると、一面、白い花が咲くお花畑に着く。ここが東雲湖のお花畑である。このあたりにはナキウサギが生息しているというのだが、それを見ることはできなかった。東雲湖もすぐ近くにあるのだが、霧に隠れて見えなかった。
さらに下って行く。最初はゆるやかな下りであったが、だんだんに急になって、樹林の中をジグザグにひたすら下って行く。
然別湖の湖畔に降りつくのだが、ガイドブックにはそこに船着場があると書いてある。ところがそれを確認することはできないまま、いつのまにか湖畔に沿った道になっていた。
湖畔に沿って歩いて行く。この道はほとんど平坦で歩きやすい、散策路といっていい道なのだが、雨でしかも湖には霧がかかっていて展望もない、少し面白くない道であった。
天望山登山口と書かれた分岐に着いたのは9時20分、この道を登ると白雲山と天望山のコルに着くのだ。
ここから湖畔の道を25分歩いて、ようやく登山口に戻ってきた。湖畔の道は本当に長く感じた。時間は9時45分であった。雨がシトシト降っているし、今日はもう登山しないつもりだ。

このあと、帯広に行って温泉に入ってのんびりと時間をすごした。