私の東北の山百選
ひうちがたけ

標高 2356m
御池登山口→50分→広沢田代→50分→熊沢田代→1:30→俎ー→15分→柴安ー→15分→俎ー→20分→ナデツ窪分岐→1:40→浅湖湿原→30分→沼尻休憩所→35分→長蔵小屋→1:00→沼山峠バス停

この山は尾瀬ヶ原・尾瀬沼を散策してから登るというイメージが強いのだが、私はあえて御池から登ってみた。このコースは本当にすばらしくて、途中に広がる広沢田代や熊沢田代の湿原には大感動であった。
平ヶ岳登山道から望む燧ヶ岳

 登山口から熊沢田代へ 1984年早春の登山記録

御池のバスターミナル


駐車場の奥に登山口がある


大きな岩の険しい登り


湿原の木道になった。


広沢田代から再び樹林の中を登る


熊沢田代に緩やかに下る


熊沢田代の休憩所


BACK 会津駒ヶ岳

201083

天気予報は今日も良くなくて、真夜中には雷を伴う激しい雨が降ったりで、本当は停滞して温泉でも入っていようと思っていたのだ。でも、夜が明けたら空は意外と晴れていて、これなら登れるのではないかと思う。
檜枝岐村から車を走らせて行くと、途中にはきれいな駐車場があって、こっちで泊ればよかったなどと思った。
車を走らせるにつれて青空が広がってきた。天気予報はまったく当たらないようだ。

御池の登山口に着いたのは6時を少し過ぎた頃。ここからは尾瀬の入口の沼山峠までシャトルバスが通じているのだ。尾瀬の入口は鳩山峠、三平峠などあるのだが、今はそのすべてがマイカー規制で、バスでしか行けないのである。
御池には広い有料駐車場がある。11000円で、ちょっと高いのではないかと思ったりするのだが、何日停めても1000円で、この料金の中には尾瀬の環境保護税も入っているのだろうと納得することにした。
燧ヶ岳の登山道は駐車場の奥にある。樹林の中の木道を少し行くと、左に燧ヶ岳の指導標があった。さすがに尾瀬、ちゃんと木道が設置されてすごく整備された道だ…と思って歩いていったら、大きな岩がゴロゴロするすごく険しい登りになった。これはきつい登りであった。
所々に、りっぱな木の階段や、傾斜が緩まったところでは木道になったりするのだが、ほとんどは大きな岩の急な道を登るのだ。歩き始めて
40分ほどで、傾斜が緩まって木道を歩くようになった。深い林から抜出して、頭上が明るくなった。
木道を行くと、灌木の向こうに山頂部を雲に覆われた大きな山が見えてきた。これが目指す燧ヶ岳なのだ。
湿原が現われた。草原の中に木道が続く。空には青空が広がって、朝日に湿原が輝いている。さらに木道を進んで灌木の間を過ぎると、さっきとは比較にならない広大な湿原が広がった。池塘も散らばっている。大きな池塘のほとりに「広沢田代」という標識がたっていた。
ここで少し休憩。湿原を眺め、写真を撮ったりしていると、山にかかっていた雲が次第に晴れてきた。今日は快晴になりそうである。天気予報は
9時から12時までは曇りで、その他は小雨だったのに、まったく違う。草原に朝日が差し始めて、そのコントラストがすごくきれいだ。やってきてよかったと思った。ここで、りっぱな一眼レフを持った登山者に会った。この人は私と同じ宮城県で、古川市に住む人で、後で再び会うことになる。
池塘を眺め、花を眺め、広大な湿原をのんび歩いて行く。ようやく湿原の端に着いて、樹林の中に入る。木道は続いていたが、すぐにまた大きな岩がゴロゴロする急な登りになった。25分ほど険しい道を登ると、新しい木の階段があって、これを上りきったら平坦な木道になった。
また湿原が広がる。小さな湿原だが、池塘もあってすごくきれいなのだ。行く手にはすっかり雲が晴れた燧ヶ岳が見える。すばらしい。さっき広田代の湿原で見えたのは燧ヶ岳ではなくて、この山麓の一部に過ぎなかったことに気がついた。(あとでわかったが、ここから見た燧ヶ岳も本当の山頂の俎ーや柴安ーは隠れて見えないのだ)

きれいに晴れた燧ヶ岳を眺めながら木道を行くと、緩やかな下りになった。灌木の間を抜けると下には広大な湿原が見えて来た。これが熊沢田代であった。すばらしい眺めである。どこまでも広がる緑の湿原、そこに池塘が散らばり、燧ヶ岳が高くぞびえている。絶景である。このコースを登ってきて本当によかったと思った。
池塘の畔に熊沢田代の標識がたっていて、ベンチが置かれている。ここで休憩することにした。
池塘には真っ青な空が映って、その周りに花々が咲いている。なんか本当にうれしくなってしまう。



 俎ー、柴安ー
長大なガレ場を登る


赤い崩落地を横切る


俎ー山頂


俎ーと柴安ーの鞍部


柴安ー山頂


広大な草原を緩やかに登って行く。草原から灌木のに入ると、再び岩がゴロゴロする急な登りになった。これをがんばって登って行くと、すさまじいガレ場に出た。岩屑に覆われた急な斜面が真っ直ぐに、ずうっと続いているのだ。これはきつい登りであった。沢を詰めるようにして急登を続け、ようやくガレ場の終点に着いて左折する。展望が広がって、下に熊沢田代の湿原が小さく見えた。
山の斜面をトラバースするように歩いて行くと、突然、赤い崩落地が現われた。これを横切るのだ。木道を渡してあるので少し安心した。
再び急な登りが始まる、灌木の間の細い道ををひたすら登って行く。ハイマツのトンネルをくぐるようにして急登して、これから抜け出したら、すさまじく急峻な山が見えた。熊沢田代から見えていた燧ヶ岳とはまったく違う山容である。これが柴安ーであった。
道はハイマツから岩場に変わる。大きな岩が累々として、これを乗り越えて登って行くと、石の祠が祀られる山頂に着いた。ここが燧ヶ岳の双耳峰の一つ、俎ーである。ここには二等三角点があった。ここで、熊沢田代で会った登山者と再会した。彼は同じ道を引き返すつもりでいたらしいのだが、私が長蔵小屋み下って沼山峠からバスで御池に戻るつもりだと言ったら、それはいいコースだということになった。ところが、この人はお金は車に置いてきていて、小銭しか持っていないので、バス賃が50円足りないという。50円貸すことにした。
すぐ隣には最高峰の柴安ーが鋭く聳えている。でも、この俎ーからは一旦急下降して、それから登り返さなければいけないのだ。鞍部には木道が見える。私は燧ヶ岳から長蔵小屋に下るつもりなのだが、その下山路はこの俎ーからなので、柴安ーは往復することになるのだ。険しい上り下りを往復するのかと思うと、気が重くなってしまう。

俎ーから岩場を急下降する。でも、意外と鞍部までは近かった。鞍部は湿原なのだが、水は涸れて裸池になっていた。
柴安ーへの急登が始まる。大きく聳える巨岩の下を過ぎると、岩が累々とする中の急登になる。
岩を乗り越えて登って、ようやく山頂に着く。岩が重なる狭い山頂と思ったら、その向こうに意外と広い緩やか斜面があって、ここで登山者が休憩していた。

山頂は雲でまっ白で、下の景色を見ることはできない。でも、休んでいたら雲が流れて尾瀬ヶ原が見えた。すばらしい眺めだ。雲は次々と流れてきて、すぐにこの景色を隠してしまう。尾瀬ヶ原を眺めることができて、尾瀬にいるんだという実感が湧いてきた。
尾瀬ヶ原の方から登山者が次々とやってくる。山頂も賑やかになったので、早々に俎ーへ引き返す。この途中でも、団体と何度かすれ違った。




 長英新道を下る
俎ーから岩場を下る


ケルンのピーク


水が流れる道を下る


俎ーからはすさまじい岩場の急下降であった。ようやく傾斜が緩まって灌木の間を行くようになったら、黄色い花がたくさん咲いていた。お花畑なのだ。
俎ーから
30分ほどでナデツ窪登山道との分岐に着いた。私が昔、残雪期に燧ヶ岳に登ったときはこの道を登ってきたのだ。ナデツ窪の道に少し入ると、下に尾瀬沼を見ることができた。登山道の横には火口のような岩の窪みがあった。これがナデツ窪の名前の由来かと思った。
分岐に戻って長英新道をを下る。灌木の間を抜けると、平坦な尾根で、その向こうに大きなケルンが見えた。このケルンはなんかの山頂の印なのかと思ったが、山名の標識はなかった。ここから溝の中の道を下って行く。どんどん下って行くと、道には水が流れるようになって、これがどこまでも続く。
傾斜が緩まって、深い林のなかを行くようになっても、水の流れは続いて、至る所で泥濘になっていた。これはけっこうきつかった。泥濘を避けて歩いて行くのは煩わしくて、おまけにすごく滑りやすい。気を抜くと泥の中に転んでしまう。一度尻餅をついてしまった。
長英新道は5kmもあるすごく長い道なのだが、そのほとんどは泥濘との戦いであった。1時間半ほど泥濘の道を下って、泥濘に丸太や飛び石のような丸太が現われると、ようやく湖畔にたどりついた。ほっとした。
ここからは木道が続いている。もう泥濘を避けて歩く必要はないのだ。
このまま長蔵小屋に向かってもいいのだが、まだ1215分である。せっかくなので、尾瀬沼の湖畔を散策しようと思う。



 尾瀬沼と大江湿原
浅原湿原を行く


沼尻休憩舎


大江湿原の分岐


大江湿原を行く


沼山峠


木道を右に歩いて行く。すぐに浅湖湿原である。左に尾瀬沼を見ながら草原の木道を行く。湿原からは燧ヶ岳を眺めることができた。

湿原が終わると、けっこう急な登りがあった。湖畔の散策なのだが、上り下りはあるのだ。
木道の散策路を30分ほどのんびり歩いて行くと、大きな湿原に出て、行く手に山小屋が見えてきた。これが沼尻休憩所である。
沼尻休憩所ではビールを飲んでしまった。燧ヶ岳に登ったお祝いのつもりだったが、あまり冷えていないのでうまくなかった。
沼尻からは来た道を引き返した。一周するつもりだったが、かなり距離があるので止めてしまったのだ。

分岐に戻ったのは1345分、長蔵小屋は散策路からも見えていたので、すぐだろうと思ったが、意外と遠かった。針葉樹の森から抜出すと湿原が広がった。大江湿原である。尾瀬沼周辺ではもっとも大きな湿原なのだ。木道を歩いて行くと字路に着いて、左が沼山峠なのだが、私は右の長蔵小屋に向かった。ここにはビジターセンターがあるので立ち寄りたかったのだ。
ビジターセンターでは、ちょうどビデオの上映が始まるところで、20分間これを見てすごした。ハイビジョンの映像で、尾瀬の四季がすばらしくきれいであった。
沼山峠に向かって出発したのは1430分である。大江湿原を歩いて行く。本当に広い湿原で、どこまでも草原が続く。池塘がほとんどないのが残念なのだが、広大な草原を歩いて行くのは気持ちがいい。けっこう小中学の団体とすれ違う。
湿原の終点までは30分ほどもかかった。ここから急な登りになるのかと思ったらそうではなくて、緩やか木道が続くのだ。針葉樹林の中をのんびり歩いて行くと、25分ほどで下りになって、階段状になった木道をどんどん下って行くと、大きな休憩所がたつ沼山峠に着いた。1530分であった。
着いたらバスがちょうど出発するところで、これに飛び乗った。待ち時間ゼロであった。偶然、このバスで50円を貸した宮城の登山者と再会した。


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