私の東北の山百選
あいづあさひだけ

標高 1624m
登山口→1:10→三吉ミチギ→1:40→叶ノ高手→35分→熊ノ平避難小屋→45分→会津朝日岳山頂→30分→熊ノ平避難小屋→45分→叶ノ高手→1:00→三吉ミチギ→55分→登山口

私はこの山がすさまじい岩壁を持った山だということをすっかり忘れていた。山頂直下の小幽沢カッチは露岩の長い急登で、山頂から眺める楢戸沢は足もすくむような壮絶なスラブであった。
叶ノ高手付近から見る朝日岳

 登山口から叶ノ高手へ 1998年の登山記録

登山口


二度目の徒渉点


三吉ミチギ


人見ノ松


叶ノ高手への登り


叶ノ高手


2010
731

真夜中の0時半に仙台を出発した。東北自動車道を走って、郡山ジャンクションから磐越道に入る。会津坂下で高速を下りて、あとはカーナビ任せでひたすら走り続ける。只見を過ぎて、黒谷に向かう途中で路肩に車を停めて休憩。空はどんよりとした厚い雲に覆われていて、今にも雨が降りそうである。天気の悪い時に登山したくないのだが…、と少し待つことにした。1時間ほど仮眠して目が覚めたら雨になっていた。今日の登山は止めようかと思ったが、携帯で天気予報を確認したら、日中は晴れとなっている。天気が回復することを信じて、登山口に向かった。
細い林道を走って、「いわなの里」に着く。この構内を抜けて少し行くと林道終点で、広場に車がたくさん停まっていた。
身支度を終えて、歩き始めたのは725分である。今日登る会津朝日岳は往復7時間20分のけっこうハードな山なのだ。帰って来るのは15時くらいになりそうだ。
すぐに橋を渡る。左に沢の流れの音を聞きながら平坦な道を行く。10分ほどで再び橋を渡るのだが、そこに「荒禿沢・山頂まで5.4km」と書かれた白い標柱があった。(以後登山道のポイントとなるところには、かならずこの標柱がたっていた)
平坦な沢沿いの道がさらに続くが、登山口から30分ほどで登山道は沢の流れと合流してしまった。沢の中の岩を越えて歩いて行く。二度目の徒渉点には虎縞のロープが張ってあった。これを渡ったら再び草木の間の登山道になったが、傾斜はきつくなった。
樹林の中をジグザグに登って行くと、なにやら騒騒しい音が聞こえてきた。登山道の草刈りをしているのだった。草木が刈られていたおかげで雨の後なのにズボンを濡らすことなくここまで歩いて来れた、感謝である。
「三吉ミチギ」という水場に着いたのは
825分である。登山口からちょうど1時間であった。
今日の登山は長丁場なので、2リットルの水を背負ってきたのだが、せっかくの水場なので、ここの水を飲んだ。冷たくておいしかった。休憩していたら草刈りをしていたおじさんが登ってきた。登山道を4区間に分けて草刈りをしていて、このおじさんはここまでが受け持ちなのだそうだ。
三吉ミチギからはさらに傾斜が増して、急な斜面をジグザグに登って行く。途中、ロープの下がる急な登りが二カ所あったが、あとはほとんどジグザグ道である。行く手が明るくなって、白く枯れた杉の木が見えてきたら、すぐに「人見の松」に着いた。925分になっていた。山頂まで2.6kmという標柱があった。ここは展望台になっていて、ガイドブックには浅草岳を望むことができると書いてあるのだが、雲が湧き上がって来ていて、遠くの山を展望することはできなかった。
人見の松からは灌木の尾根を急登するのだ。道は露岩になっていて、かなり険しい登りである。あちこちにロープが下がっていて、これにすがって岩場を越えて行く。15分ほど岩場を登ると、傾斜が緩まって展望の尾根に出た。行く手には大きく朝日岳が見えるのだが、山頂は雲に隠れていた。
緩やかな尾根を行くと、すぐに「叶ノ高手」に着いた。巨木が茂っていて、展望はあまりなかった。



 朝日岳山頂へ
樹林の中を行く


熊ノ平避難小屋


バイウチノ高手


行く手に朝日岳を見ながら行く


小幽沢カッチが見えてきた


岩場を登り切ったピーク


朝日岳山頂


叶ノ高手からは下りであった。せっかく山頂が見えてきたというのに、どんどん下って行くのだ。下り始めてすぐのところに、「朝日岳の大クロベ(ヒノキ科)」という巨木がたっていた。幹周りも太くて堂々とした古木である。

さらに下りは続く。傾斜が緩まったところに再び大クロベの巨木があった。これはさっきのものよりさらに古いものであった。
平坦になった尾根を歩いて行くと、行く手に朝日岳を眺めることができる。山頂は雲に隠れているのだが、すさまじい岩壁が見える。朝日岳はすごい岩の山だったのだ。
樹林のなかに入って歩いて行くと、山頂まで1.5kmの標柱があった。山頂は近い。平坦な道を行くのだが、このあたりから泥濘が多くなって、これを避けて行くのはけっこう煩わしかった。
ようやく登りになって樹林の中の階段を上ってゆくと、青いトタン屋根が見えてきた。これが熊ノ平避難小屋である。登山道から少しだけ右に入って小屋の前に出る。小屋の前にはザックが二つ置かれていた。草刈りの作業をしている人のものだった。中に入ってみたら、けっこう暗かった。
小屋からは急な登りが続く。樹林の中を15分ほどジグザグに登ると、傾斜が緩まって「バイウチノ高手」に着いた。山頂まで500mと書かれていた。もうすぐだ。
展望の尾根になって、山頂がどんどん近づいてくる。でも、山頂へは垂直の壁のような斜面が立ちはだかっている。まさかこれを登るのではないだろうと思いながら歩いていったら、まさしくこの壁を登るのだった。
少し降って壁の真下に着く。草付きの急斜面なのだが、登山道は露岩であった。ガイドブックには「小幽沢カッチ」と書いてある岩場である。最初からロープが下がっていた。
草の急斜面を登っるとすぐに岩壁になって、そこに長いロープが下がっている。ロープにすがってひたすら登って行く。
山頂直下になると、さらに足場が悪くなって、落石を起こしそうな急な岩場の登りが続く。
振り返るとすばらしい展望である。遠くは霞んでいるのだが、登ってきた尾根を一望できる。天気は回復してきていて、山頂にかかっていた雲は晴れている。
露岩の急斜面を登ってようやく松が生える岩のピークに着いた。でも、ここは山頂ではないのだ。
ここから岩場の稜線を歩かなければいけない。少し行くと、ロープが下がる大きな岩のピークがあった。これが山頂だろうと、この岩のピークに登ったが標識はなかった。でもここから下を見たら、すさまじい絶壁となった谷が見えた。私はすごい山に登っているのだ。
岩の稜線の向こうに灌木に覆われたピークが見える。これが山頂であった。
山頂到着は115分である。山頂には方位盤があって、ここから見える山々の名前が書かれている。でも、遠くは霞んでしまっていて、山々を展望することはできないのだ。残念だ。方位盤の後ろに山名の標識と三等三角点があって、その奥は行止まりなのだが、そこからは大スラブの谷を眺めることができる。楢戸沢の岩壁で、足がすくんでしまう眺めであった。
長めの休憩をしたのだが、結局、山頂は私一人であった。
帰りは登ってきた道を引き返す。
展望台の人見の松からは、雲が晴れた朝日岳をきれいに眺めることができた。
登山口に戻ったのはちょうど14時である。意外と早く戻ることができた。


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