関東百名山
たけやま

標高 789m
表登山口→40分→天狗の広場→10分→不動岩→5分→天狗の広場→25分→経塚→15分→五郎岩→10分→経塚→5分→嵩山山頂→5分→経塚→35分→公園東登山口

この山は標高こそ低いのだが、すさまじいばかりの岩峰の山で、山頂からの展望は素晴らしいの一語に尽きる。小林泰彦が日本百低山に選んだことが納得できる名峰である。
登山口から仰ぐ嵩山の岩峰

 登山口から天狗の広場へ
登山道が始まる


五合目


展望台があった


岩登り禁止の看板があった


八〜十番の指導標


天狗の広場に着いた


2009
109

台風が通り過ぎたので、登山に出かける。普通は、台風の後は快晴が続くものなのだが、谷川岳の付近はどうもぱっとしない。ともかく、じっとしていてもしょうがない。仙台から水上ICまでの高速料金は7000円ほどもかかってしまうのだが、明日は土曜日で高速料金が1000円になる。20時に家を出発した。

1010

途中、どうにも眠くてしょうがなくて、PAで仮眠したら2時くらいまで眠ってしまった。この調子では谷川岳登山口の土合に着くのは6時くらいになってしまう。郡山から磐越道に入って新潟まで行き、あとは関越道をひたすら走る。新潟ではポツポツと雨が降っていた。天気が心配だ。
5時を過ぎると、かすかに明るくなってくる。長いトンネルを通って、土合PAを過ぎる。山にはどんよりとした雲がかかっている。天気予報によると、今日は日中少しだけ晴れるがあとは曇りなのだ。明日・明後日は晴れるようなので、今日の谷川岳登山は止めて、前回断念した嵩山と岩櫃山に登ることにした。
嵩山の登山口「道の駅たけやま」に着いたのは6時を少し過ぎた頃、眠たいので少し仮眠することにした。
眼をさましたら日がさしていて、嵩山の岩峰の上には青空が広がっていた。前回は雲で岩峰がよく見えなかったのだが、これなら今日の登山は楽しくなりそうである。
道の駅の敷地内を歩いて、表登山道にショートカットする。コンクリートの道を上って行くと、一番という観音像がたっている。
ここから樹林の中に入って、急な斜面をジグザグに登って行くのだ。10分ほどで5合目の標識を過ぎる。ここから少し登ると展望台の分岐がある。今日はいい天気なので、展望台に向かった。東屋がたっていて、そこからは正面に榛名山を望むことができた。
引き返すのかと思ったが、踏み跡があるのでこれを歩いて行くとすぐに登山道と合流した。
合流点のすぐ先に「岩登り禁止」の大きな看板がたっていて、そこから露岩の道になった。
この露岩を登ったところには「休み石」があった。右に下る道があって、「蝙蝠穴」と書いてある。行ってみようかとも思ったが、かなり下るようなので止めてしまった。
休み岩から少し行くと八合目の標識があって、樹林の広い斜面が行く手に立ちふさがっている。その斜面には大きな岩が聳えたっているのだ。
八合目のすぐ先で、「八〜十番」の標識がたっていた。巨大な岩壁がそそり立っているのだが、その基部に石仏が置かれている。指導標のすぐ先にあったのが八番の石仏で、その奥に九番・十番があるのだろうが、そこへは急な登りになるので止めてしまった。

急な斜面をトラバースするように斜めに登って行く。ブナやクヌギのきれいな自然林の中を登ると、5分ほどで尾根の上に着いた。林の中の広場で、展望台や東屋がある。「天狗の広場」というらしい。でも、展望台はまったく林の中で、その用をなしていないと思うのだが…。
広場の左に樹林の途切れたところがあって、ここから榛名山が見えた。鳥瞰図もあって、それで山を特定しようとしたが、榛名山以外はよくわからなかった。



 不動岩を往復
小天狗への登り


小天狗山頂


不動岩の山頂


嵩山方向


ガイドブックでは、ここ天狗の広場から小天狗に向かうことになっている。一旦、不動岩への道を行きかけて、岩壁の下に観音が置かれているのを見て、間違っていることに気がついて引き返した。

行く手にそびえ立つ岩峰を見ながら尾根を登って行くと分岐に着いた。右の岩場を登ると小天狗の山頂のはずだ。
露岩の岩場を慎重に登って行くと、…意外とあっさり山頂に着いてしまった。
大きな岩の上に祠が置かれている。その祠の岩を右から回り込むと展望台のような露岩があって、そこからは榛名山が一望できる。登って来た歩行を振り返ると、樹林に覆われた大きな山が見える。これが嵩山だと思ったが、本当の山頂はこの後ろに隠れているのだ。

露岩から下にはすごい岩峰が見える。これが不動岩であった。あそこまで行くつもりなのだが、すさまじい険しさに顔がひきつってしまった。
岩場を慎重に引き返して、分岐から樹林の中を急下降する。すさまじく急な下りで、道も踏み跡程度のもので、これを下って行くのはかなり怖かった。道は小天狗の絶壁を右に見て急下降するのだ。樹林の中を下って行くのだが、本当に険しい下りが続く。
ようやく尾根が見えてくると、そこに不動岩の標識がたっていた。この尾根を左に行くと不動岩、右が天狗の広場への帰り道である。

天狗岩に向かうと、すぐに岩壁の前に出た。鎖が下がっている。ほとんど垂直のようなこの絶壁を登るのだ。鎖にすがって登る途中から振り返ると、さっき登った小天狗の岩峰が高く聳えていた。
ようやく不動岩山頂に着くと、そこには名前の通り、不動明王の石仏がたっていた。
山頂からの展望はすばらしい。榛名山がいくつもの峰を連ねて横たわっていて、さらにすぐ近くには十二ヶ岳が聳えている。小天狗の左の奥には樹林の大きな山が聳えている。これが嵩山だと思う。(違う、これが中天狗で、その左に少しだけ頭を除かせているのが嵩山山頂なのだ。)狭いピークなので、岩にすがって恐る恐る写真を撮った。



 胎内くぐり〜中天狗〜御城の平
鎖にすがって引き返す


大天狗の指導標があった


六角の東屋


胎内くぐり


中天狗山頂


御城の平


下りは怖かった。鎖にすがって、足場を慎重に探りながら下る。平坦地に着地したときはほっとした。

不動岩の標識からすぐに左に下る。その道の入口には通行止めのように木の枝が置かれているのが気になった。赤いテープに従って急な斜面を下って行く。でも、どうもおかしい。足場があまりにも不安定で、踏み跡は真っ直ぐ下に向かっているのだ。小天狗をトラバースするはずなのに。しかたがないので、少し引き返して、ほんのかすかな踏み跡らしきものをたどってトラバースして行った。急斜面のトラバースで、木の枝につかまったりしながら、カンで歩いて行った。ようやく踏み跡がはっきりしてきたが、道は尾根の上に出ることなくそのままトラバースして行く。尾根にはさっき見た天狗の広場の展望台やトイレが見えるのに、その下を通過してしまいそうだ。仕方がないので、強引に尾根に向かって登った。道はないのだが、木が生えているので、これにつかまって登って行く。ようやく天狗の広場に着いてほっとした。それにしても、さっきの踏み跡はどこに行くものだったのだろう。
天狗の広場から山頂に向かう。道は丸太の階段になって、急な登りが続く。大天狗という指導標がたっていた。大天狗が嵩山山頂のことである。登って行くとすぐに、六角形の東屋がたっていた。ここから右に下ると「胎内くぐり」があるというので行ってみることにした。岩壁の下をトラバースして行くと指導標があって、左折すると胎内くぐりなのだ。
この指導標にはなぜか巻き尺がくくりつけられていた。
胎内くぐりというのは岩壁に間の、本当に狭い隙間を抜けることなのだ。こんなの通れるのかと思ってしまうような隙間である。これでさっきのメジャーの意味がわかった。メタボで復が出てる奴は通れないよ、という意味らしい。ザックを背負っていては通れないので、これを手に持って、チャレンジしたが、本当にギリギリで、ウェストポーチと胸ポケットのデジカメがジャマをして通れない。これらを外したら、ギリギリで通れそうであったが、止めることにした。私もメタボらしい。
六角の東屋に戻ると、巨岩の下に石の祠があるのに気がついた。
この巨岩の左基部を歩いて行く。岩壁が終わると、右に中天狗の指導標があった。登山道から離れて少し登ると、痩せた尾根の上に出る。尾根の右下は露岩になっていて、道が続いている。これは胎内くぐりから続く道のようである。メタボであきらめなかったら、ここに着いていたはずなのだ。中天狗に向かって急な斜面を登る。意外とあっさり、祠のたつ山頂に着いた。灌木に囲まれていて展望はない。
標識と祠の間に道があるので、ここから下って行くと、すぐにさっき分かれた登山道に合流した。樹林の尾根を5分ほど行くと、右に少し上がったところにたくさんの石仏が並んでいた。ここが御城の平である。石仏はコの字に並んでいて、全部で71体あるらしい。一つ一つよく見ると、中にすごく端正な顔立ちのものが混じっている。これは最近に補修したものである。私はこうした野の石仏が好きなので、ほとんど稚拙と思われるような石仏の表情が大好きなのだ。何枚も写真を撮ってしまった。
ここからすぐ先には東屋があって、ベンチも置かれている。経塚と呼ばれるところである。
実際、なにかしら難しい漢字が書かれた大きな木柱がたっていて、ここが経塚であるらしい。



 五郎岩を往復して嵩山山頂へ
五郎岩の標識、ここから登りになる


五郎岩山頂


経塚から大天狗への道


大天狗(嵩山)山頂


経塚の広場から道は
3つに分かれている。右に下ると道の駅に戻る東登山道で、真ん中は嵩山山頂(大天狗)への道、そして左が五郎岩への道である。山頂に登るのは最後にして、まず五郎岩に行ってみることにした。
大天狗の岩壁の下をトラバースしてから尾根に出ると、そこには烏帽子岩への分岐があった。ここから見上げると、本当に烏帽子の形の岩峰が聳えたっていた。これに登ることができるのかと、思ってしまう。
パスして、五郎岩に向かう。灌木の茂る尾根を緩やかに下って行く。五郎岩という標識に着くと、そこから登りになった。急な道をひと登りすると、樹林に囲まれたピークに着いた。標識はないのだが、ここが五郎岩山頂らしい。
この広場の南に露岩の展望所があって、巨大な岩の塊のような大天狗を眺めることができた。この岩峰に重なってはっきりしないのだが、さっき見た烏帽子岩も聳えている。嵩山ってすごい山なのだ。

西にも露岩があるので行ってみると、そこからは小天狗と不動岩を見ることができた。すごく下に見えた。
すばらしい眺めに大満足して経塚に引き返した。
経塚からいよいよ嵩山山頂を目指す。樹林の尾根を登って行くとすぐに岩場があって、鎖が下がっていた。これを越えると、目の前には長大な露岩の尾根が続いていた。この露岩には長い鎖がつけられていて、この鎖にすがって登って行くのだ。それにしても長い岩場であった。ようやく鎖場が終わったので山頂…と思ったらそうではなくて、そこから平坦な尾根を少し歩いた後、ようやく山頂なのであった。
大天狗という標識があって、その後ろに大きな岩がたっている。鎖が下がっているので、これにすがって岩の上に登ると、三等三角点のある山頂であった。石の祠が置かれていた。ここから北を眺めると、下に烏帽子岩が見えて、その奥にさっき登った五郎岩が見えた。南西には小天狗と不動岩も見える。今日は快晴で展望はすばらしい。こんなに晴れているのだったら、予定通り谷川岳に登ってもよかったかと思ってしまった。




 山頂から東登山道を下山
経塚に戻った


七合目


一升水


道の駅が見える


山頂からの下りはけっこうきつかった。長い鎖場を慎重に下って行く。

経塚からは東登山道を下る。杉林の中をジグザグに下って行くのだが、いくつもの岩壁がそそり立っているのが見えた。5分ほど下ったところに七合目の標識があって、そのすぐ先には巨大なの絶壁が聳えたっていた。登山道はこの岩壁の下を行くのだ。岩壁の下には石仏が置かれていて、これに眼をやりながら歩いて行くと、上から滴が落ちてくる。岩壁がオーバーハングになっているので、そこから滴ってくるのだ。
岩壁の途中に「一升水」という標識があった。そこは岩が濡れていて、よく見ると岩に小さな窪みがあって、そこに水がたまっていた。
さらに杉林を下って行くと五合目の標識があって、そのすぐ先には「弥勒穴」への分岐があった。行ってみようかと思ったが、道はさっきの大岩壁の上に登って行くようなので、これはは勘弁してほしいとパスしてしまった。
ここから少しだけ下ると胎内くぐりから下ってくる道と合流する。どんどん下って行くと、意外とすぐに道の駅の駐車場が見えてきた。
最後に鳥居をくぐって、東屋がたつ広場に降り立った。ここから振り返ると、男岩の岩塔が突き立っているのが見えた。
遊歩道を下って、車の前に戻ったのは1050分であった。一日中登っていたような気がするのだが、3時間しかたっていなかった。


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