関東百名山
かさとりやま

標高 1953m
作場平橋→30分→一休坂分岐→1:00→笠取小屋→20分→小さな分水嶺→30分→笠取山山頂→25分→水干→1:40→唐松尾山→35分分→御殿岩→35分→山ノ神士→50分→林道→55分→中島川口登山口→25分→作場平橋

この山行は東京都の水源を訪ねることでもある。「小さな分水嶺」は多摩川・荒川・富士川の分水嶺で、笠取山の直下には「水干」という多摩川の源流点があるのだ。
分水嶺付近から見る笠取山

 登山口から笠取小屋へ
作場平橋


道は整備されている


一休坂分岐


きれいな紅葉の林を行く


笠取小屋

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20091024

国道411号線から一ノ瀬への林道に入る。どんどん林道を走って行くのだが、ずうっと舗装道であった。
登山口のある作場平橋に着いたのは78分で、登山口と思われるところに立つ指導標には水干を表示している。笠取山への道ではないのかと思ってしまうのだが、この道がそうなのだ。
樹林の中を歩いて行くと、紅葉がきれいである。左には沢が流れていて、その渓流が紅葉とあいまってすばらしくきれいなのだ。登山道は杉林の中を行くのだが、渓流は鮮やかな紅葉に包まれている。
道はほとんど平坦で、しっかりと整備された遊歩道である。所々に森に関する説明板がたっている。この説明板で気がついたのだが、見上げたらカラマツ林になっていた。私は紅葉したカラ松が大好きなのだ。
さっきから左に見えていた渓流を橋で渡る。その手前には新しいベンチが置かれていた。沢を渡って
10分ほど行くと、一休坂分岐に着く。直進するのがヤブ沢を経由する道、右に上がって行くのが一休坂経由の尾根の道で、指導標にはわざわざ急登と書いてあった。私は、沢よりは展望のいいだろう尾根の道を行くことにする。
ここから10分ほど、緩やかに登って行くと十字路があった。右に下ると馬止、左はヤブ沢となっている。もちろん直進する。
尾根道は鮮やかな紅葉で、つい立ち止まって写真を撮ってしまうので、なかなか前に進まない。困ってしまうのだ。私は木の種類はまったくわからないのだが、ミズナラの天然林という説明板があったので、これがミズナラなのかと思ったりする。
25分ほど登ると、道はカラ松林に入った。その先で下りになって、沢の流れを渡る。そのあと、この流れに沿って登って行くのだった。何度か沢を渡り返して行くのだが、きちんと橋が架けられている。道の整備は本当に行き届いているのだ。
登って行くと道は左に折れて、沢から離れてジグザグに登って行く。石畳のようにコンクリートで固めた道を行くと、沢の流れを二連の木橋で渡る。そこには水場があった。行く手に笹の丘がある。これを右から回り込んで上ると、小屋がたっていた。笠取小屋である。この小屋は避難小屋ではなくて、素泊まりでも4000円払わなければいけないのだ。小屋の前の広場には新しいベンチが置かれていて、若いカップルが休憩していた。
登山道にはしっかりした指導標がたっているのだが、それには「源流のみち」と書かれている。この小屋の前にたつ指導標には水干まで1.5kmとあった。登山道の指導標はすべて水干を目指しているようなのだ。(源流のみちと水干の意味はあとでわかった)



 笠取山
小屋から山頂への道


小さな分水嶺への分岐


西峰山頂


笠取山中央峰(山頂)


東峰山頂


小屋からはすごく立派な木道が続いていた。丸太を敷いて木道にしているのだ。経費がかかるだろうに…と心配してしまった。

5分ほど行くと、草原が広がっていた。林を伐採したあとのようでもあるのだが。この草原に沿って緩やかに上って行くと、「小さな分水嶺」という指導標がたっていた。行く手に小さな丘がある。指導標に従って上ってみた。そのピークには石の三角錐があって、その三面に多摩川・荒川・富士川と刻まれている。ようはこの丘が三つの川の分水嶺になっているということなのだ。けっこう感動してしまった。
この丘から下って行くと、行く手に鋭く聳える山が見える。これが目指す笠取山であった。
草原のピークを一つ越えると、眼前に大きく笠取山が迫る。その山頂に向かって、真っ直ぐに登山道が続いている。すさまじい直登の道だ。
鞍部に降りたって、見上げると首が痛くなるようなすごい斜面なのだが、登ってみると、両手で何かにつかまって登らなければいけいというほどではなかった。山頂に立ったのは915分である。ここには山梨百名山の標識がたっていた。
ここからの眺めはすばらしい。霞んでいるのだが、富士山が見える。遠くに連なる山々が一望でき、近くの山はすべて紅葉に彩られている。すばらしい眺めだ。
今、私がたっているのは笠取山の西の峰である。笠取山は3つのピークからなっていて、山頂は真ん中のピークなのだ。
西峰から中央峰に向かう。岩場の急峻な尾根を行かねばならなかった。シャクナゲの藪を掻き分け、痩せた岩尾根を行き、岩場を登ってようやく中央峰に着く。立派な山名標識がたっていて、その前には三角点…と思ったら、それは三角点ではなかった。

この山頂は灌木に囲まれて展望はない。がっかりだ。
シャクナゲの藪を掻き分けて急降下する。笹が広がる尾根を行き、巨岩に書かれた矢印に従って下って鞍部に着くと、行く手には大きな山塊が立ちはだかる。これが最後の東峰らしい。
シャクナゲの急斜面を登って、たどり着いた山頂には朽ちた杭が一本あるだけであった。でも、ここからは南の展望が開けていた。そして、今たどってきた中央峰と西峰を眺めることもできた。



 水干・唐松尾山
水干への分岐


水干の水神碑


カラ松林を行く


シャクナゲの群落を行く


岩のピークを越える


木の根が張り出す尾根を登る


唐松尾山山頂


東峰から
5分ほど急下降すると、指導標の立つ字路に着いた。左が、私がこれからたどろうとする唐松尾山への縦走路で、右が水干への道である。水干っていったい何ナノだと思うのだ。この山域の指導標はすべてこの水干を目指しているのだから…。そもそも、水干をスイカンと読んでいいのかもわからない。
ともかく行ってみることにした。このすぐ先に中島川口に下る分岐があって、ここから水干までは300mとなっていた。これならすぐである。
笠取山の南斜面をトラバースして行くと、説明板がたっているのが見えてきた。その上には祠が見える。
ここにたつ説明板を読んで、ようやくすべてが理解できた。水干と書いてミズヒと読むのだ。沢の行き止まりという意味から水干と名付けられたもので、ここが多摩川の源流なのである。だから指導標には「水源をたずねる道」と書いてあって、そしてこの水干が目標地なのである。
見上げる岩壁の上には「水神」と刻まれた碑が見えた。
でも、ここに水は一滴も流れていなかい。たぶん伏流になっていて、このずうっと下で流れが現れるのだろう。
分岐に引き返して唐松尾山を目指す。
唐松尾山へはあまり行きたくなかったのだが、よくみたら、この山の標高は2109mもあって、東京都の最高峰、雲取山の2017mよりも高いのだ。これは登っておかなければいけない。
笹に覆われた斜面にカラマツなどの針葉樹が生える道を行く。稜線の右をトラバースするように道は続いているのだが、時々、稜線の上に出たりする。振り返ると、さっき登った笠取山の二つの峰が見えた。
分岐から
30分ほど歩いたら、稜線の上を行くようになった。笹原の広い稜線で、そこに針葉樹が茂っている。奥秩父らしい原生林とは、こういう風景をいうらしい。
緩やかにアップダウンを繰り返して行くと、道の真ん中に大きな岩が立ちふさがっている。これを越えると道の両脇にはシャクナゲが群生するようになった。花の時期はさぞやきれいなんだろうと思う。
行く手に大きな山塊が迫ってくる。これが唐松尾山である。けっこう急な下りになった。この下りから唐松尾山が一望できるようになった。よく見ると、山腹に大きな岩塔がつきたっているのが見えた。遠くから見たら平らかな山に見えたのだが、けっこうきつい岩峰ということに、このとき気がついた。唐松尾山の手前には一つピークがあって、これも越えなければいけないのだ。
急な下りでは岩場が多くて、これを慎重に下って鞍部に着く。再び登りになると、道には大きな岩が目立つようになった。
前衛のピークを越えて、いよいよ唐松尾山山頂への急登になると、本格的な岩場になった。行く手にすさまじい岩峰が立ちはだかる。これをどうして越えるんだと思ったら、これは左から捲くのだった。でも、その捲き道もすごい岩場の登りであった。この岩の上に登り着くと、展望が広がって、すばらしい眺め。でも、恐ろしい。
ようやく傾斜が緩まって、木の根の張り出す尾根を歩いて行くと、ひょっこりと三角点があった。山頂らしからぬところなので、えっと思ってしまった。樹林に囲まれて展望はないのだが、唐松尾山は三等三角点のたつ立派な山頂なのだ。
ガイドブックによると、この少し先に露岩の展望所があるというので行ってみることにした。樹林の中を緩やかに下る。すぐだと思ったが、距離はあった。
樹林から抜け出すと大きな岩が重なっていて、これを越えると、けっこう広い岩場であった。ここからは北の展望がすばらしい。鋸の歯のような岩峰群が見える。あとからやって来た登山者に訊いたら、妙義山ではないかという。妙義山ってこんなに近いのかと思ってしまった。(本当は両神山の稜線なのだった)この登山者から、展望するなら御殿岩に寄ったらいいと聞かされた。私も立ち寄るつもりである。ここからも御殿岩の岩峰が見える。なんかすごく険しそうである。



 御殿岩経由で下山
山頂から指導標に従って下る


すごい岩壁が見えてきた


御殿岩山頂


山の神士


牛王院平


林道に出た


中島川口の登山口


展望所から山頂に戻って、将監峠をさす指導標にしたがって下る。

尾根の右斜面をトラバースするように歩いて行くと、15分ほどで、御殿岩の標識があった。でもそこには西御殿岩と書いてある。私が目指す御殿岩とは違うのかと心配になってしまった。
笹藪の中に踏み跡が続いている。すごく細い踏み跡で、本当にこの道でいいのか心配になるのだが、テープの目印が続いているので、これにしたがって登って行く。
樹林の中に巨大な岩があって、この右を通過し、笹原の斜面を斜めに登って尾根の上に出る。この尾根を右に行くのだが、左にも踏み跡が続いていた。尾根沿いに登る道もあるらしい。
この先、すごい岩場が待っていた。巨大なスラブを越えるのだ。こんな一枚岩、鎖もロープも下がっていないのに、どうしたら越えれるんだと思ってしまったが、意外と足がかり、手がかりがあって、登って行くことができた。この上はガラガラの岩場でこれを緩やかに越えると山頂であった。山頂には御殿岩と西御殿岩の二つの標識がおかれていた。(どっちなんだ…)
360度の展望である。富士山も見えるて、すばらしい眺めである。今日は雲っているのだが、けっこう遠くまで見えるのだ。でも、寒い。
山頂から下って、捲き道に戻って歩いて行く。途中、岩がガラガラするところを何度か通る。さらに行くと、沢の崩落地があって、これを上に迂回する。
その先にも崩落箇所があった。これを過ぎると、道はしっかりした遊歩道のような道になって、すぐに指導標のたつ分岐に着く。ここが山の神士であった。左に行くと白石山(和名倉山)に行けるらしい。
このあたりはカラマツ林がすごくきれいであった。
山の神士から5分ほど行くと再び分岐があって、ここで将監峠に行く道と分かれるのだ。ここに立つ古い標識には牛王院平とかすれた字で書かれていた。
この先は快適な尾根の下りである。傾斜は緩やかで、カラマツ林の中に道がまっすぐに続いている。紅葉したカラ松がすごくきれいであった。
牛王院平から25分ほどで、カラマツ林は広葉樹林になって、すばらしい紅葉になった。鮮やかな紅葉を眺めながら下って行くのだが、つい立ち止まって写真を撮ってしまうのだ。
道が急な下りになって、走るように行くと、左から来る林道と合流した。
あとはこの未舗装の林道を下って行くのだが、かなり急な林道で、これでは車は通れないだろうと思ってしまう。林道を15分ほど行くと、砂防ダムがあって、その先に林道を閉鎖する鎖が張ってあった。
あとは5分ほど下ったら、民家の間から舗装道に出た。入口にはちゃんと指導標がたっていた。
ここからは50分ほども、舗装された林道を歩かなければいけないのだ。この道は、今朝、私が車で通った道である。
林道を17分ほど行くと沢を渡る。この橋が中川橋で、ここから7分ほど行くと橋の手前に指導標がたっていた。指導標にしたがって下ると一ノ瀬集落に至るのだ。
この中島川橋から少し行くと、登山口の標識があった。これが馬止を経て水干にいたる道で、ここが中島川口の登山口なのだ。でも、この指導標には私が車を停めた作場平橋までは
1.8kmと書かれていた。まだ、そんなに距離があるのかとがっかりしてしまった。
ひたすら舗装道を歩いて、車の前に戻ったのは1455分である。すごく疲れた。


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