1993年9月12日
神威岳に登ることにした。KHC(釧路ハイキングクラブ)のメンバーから薦められたのだ。この神威岳は日高山脈の南に位置して、昔は沢の道しかなくて、素人が近づける山ではなかった。でも、昭和40年になって登山道が開かれ、おかげで、私でも登れるというわけである。それでも、前半の2時間以上は沢の渡渉を繰りかえさなければいけないのだ。
私は釧路に住んでいるのだが、北海道はめちゃくちゃに広くて、釧路から神威岳の登山口までは5時間あまり車を走らさなければいけないのだ。このため、会社の仕事が終えてからだと、ほとんど寝ずに運転することになる。12時に社宅を出て、少し仮眠して、神威山荘から歩き始めたのは6時15分であった。ちなみに神威岳の往復には8時間かかる。
山荘の前ですぐに小沢を渡る。もちろん、沢登りの装備でかためている。ウェンディングシューズをはいているのだが、後半の山登りにそなえて登山靴はザックの中に入れてある。
ニシュオマナイ川の川原を遡ってゆく。すぐに対岸に渡って、あとは林道のようなしっかりした道を行く。
30分ほどで二股に着く。本格的な沢登りはここから始まるのだ。
この沢登りの途中には二股が3つあって、今、着いたところが標高440mの二股で、次は524mの二股になる。この間は渡渉の連続である。
524mの二股からは、流れは細くなるのだが、傾斜はきつくなる。
710mの二股について、ようやく沢から離れることになる。林の中にテープの目印があって、尾根の取り付き点である。私はここで、登山靴に履き替えた。濡れたウェンディングシューズはビニール袋に入れてザックに入れる。
ようやく登山になった。樹林の中をジグザグに登ってゆく。かなりきつい。ダケカンバの尾根の登りになると、ほとんど直登で、めちゃくちゃにきつい。展望もきかないので、疲れは倍加する。
ともかく、ひたすらきつい登りに耐えて、一歩一歩登ってゆくしかないのだ。これが日高の山だ。
山頂に着いたのは10時であった。この間はほとんど記憶がない。ただひたすら、足元を見つめて登り続けていたのだ。
山頂にはサイケな感じの文字で書かれた山名標識がたっていた。山頂からは日高の展望がすばらしい。今日秋晴れで、すばらしい大パノラマが広がっているのだ。
山頂では缶ビールをあけてしまった。ビールを片手に日高の山々を眺めていた。日高の山は本当にすばらしい。
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2008年7月の登山記録
神威山荘、ここから歩き始める
ニシュオマナイ川に沿って行く
沢の渡渉を繰り返す
国境稜線との合流点
神威岳山頂にて |