BACK 夕張岳
2006年8月14日
夕張岳ではすばらしい登山ができたのだが、日にちがあまたのでもう一つ登ろうと思う。ニペソツや芦別岳とも思ったが、前回も天気にも恵まれて楽しい登山ができた山である。再訪する必要はないような気がするのだ。
そこで思い出したのが北海道最高峰の旭岳である。
私の最初の大雪山登山は黒岳から旭岳の縦走だった。ところが天気に恵まれず、ずうっと雨の中を歩いたのだ。それでも花はめちゃくちゃにきれいで、大雪山のお花畑の規模の大きさに驚かされたのだ。でも、せっかくの北海道最高峰の記憶が雨ではどうも心残りである。
今回の北海道登山旅行の最後の山は大雪山旭岳に登ることに決めた。天気予報は晴れだ。
さて、この旭岳の登山口は旭岳温泉にあって、そこから姿見の池まではロープウェイが通じている。たいていの登山者はこのロープウェイで5合目にあたる姿見の池まで行って、そこから登り始めるのだ。このため、ガイドブックでも温泉から姿見の池までの登山道のことは除外してある。
ところが、北海道新聞社が発行する「北海道夏山ガイド」にはこの間のルートが記載されている。旭岳温泉から姿見の池までは2時間20分かかるのだが、その途中には天女ヶ原湿原があって、花が美しいらしい。このルートを歩きたくなった。それに北海道の最高峰に登るのに機械に頼るのは旭岳にたいして失礼ではないか。(…といいながら、前回はロープウェイで下ったのだが)
ともかく、今回は歩いて登って歩いて降りることにした。これが北海道最後の登山なのだから。
ロープウェイ旭岳駅の少し手前に公共駐車場がある。昨日の夜9時に着いたのだが、けっこう車がたくさん停まっていた。この公共駐車場は無料だがロープウェイ駅前の駐車場は有料なのだ。
今朝はゆっくりしていた。車の中でお湯を沸かして、カップ麺を食べてそれからの出発である。実は最近、歩き始めは腰が痛い。連日の無理が重なって疲労が蓄積されているようなのだ。それに長距離運転も腰を痛める原因になってるかもしれない。なにしろ、連続で4時間とか5時間運転して、しまいには右足が痛くてたまらくなるのだから。ともかく、腰の痛みに耐えながら歩き始めた。
登山口はロープウェイ駅駐車場の右奥にある。
高く茂る草木の間に木道が続いている。昨日の夕方のにわか雨のため草木が濡れていて、それが道に覆いかぶさっていた。ズボンが濡れる。
ほとんど平坦な道を行くのだが、はるか向こうに旭岳と思われる山が見える。あそこまで登るのか、遠い…。
赤エゾ松の黒い木々が目立ち始める。歩き始めて30分、少しきつい傾斜を登ると女人ヶ原湿原に着いた。木道が続いていて、あたり一帯には薄い紫のタチギボウシが咲いていた。
指導標があって、それには一合目と書かれている。まだ一合目かよ…と思ってしまった。先が思いやられる。
この湿原を過ぎて再び林の中に入るが、またすぐに湿原に出た。ここが第二天女ヶ原だと思うのだが表示がないのでよくわからない。でも、二合目の標識があった。
登りが急になってくる。行く手右には盤の沢の谷が見えて、登山道は谷に沿って続いている。
荒れた階段の道を登ってゆくと四合目の標識があった。姿見の池が五合目だからあと少しである。
台地の上に登り着くと、噴煙を上げる旭岳が見えてきた。残念ながら中腹より上は雲に覆われてしまっている。せっかく晴れの日を選んで登ってきたのに、旭岳の雄姿が見ることができないなんて。でも、山麓でいく筋もの噴煙が上がっているのは壮観である。
道は平坦になって、すぐに姿見ロープウェイ駅からの道に合流した。8時50分であった。
とたんに人が多くなった。今まではだれにも会わなかったのに、ここからは観光客がゾロゾロ歩いているのだ。
分岐から姿見の池までは500mである。遊歩道の両脇にはお花畑が広がっているのだが、残念なことに花の最盛期は過ぎている。一番きれいなのは7月中旬なのだ。それでも、けっこう今の時期の花もあって、チングルマの群落が見られた。
姿見の池の展望台に着く。ここには「愛の鐘」の塔がたっていて、その下に五合目の標識があった。すぐそばに旭岳石室がたっている。
この展望台のベンチで、観光客と一緒に休憩して旭岳を仰ぎ見る。雲はますます厚くなって、とても山頂での展望は期待できそうもない。
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ロープウェイ駅横に登山口がある
天女ヶ原湿原が1合目
第二天女ヶ原
二合目の標識
三合目、ここから傾斜がきつくなる
四合目
ロープウェイ姿見駅からの道と合流する
姿見ノ池 |