BACK 東赤石山
2002年8月16日
東赤石山から下りてきて、瀬場からバスに乗ったのだが、このバス停で、丸山避難小屋で同宿した外国人の2人のことを聞いた。
あの2人はここから山に入ったらしいのだ。葛橋までバスで行くつもりが、ここが終点で、歩いて葛橋に向かったのだそうだ。葛橋からは丸山に通じる登山道があったから、その道を登ったのだろう。
瀬場のバス停をほぼ定刻に出発したバスは1時間20分かけて伊予三島に向かう。
天気はいい。バスは山の中を1時間ほど走ったら、突然展望が開けた。そこには真っ青な海が広がっていて、大きな工場の煙突がいくつも立っている。このあたりは瀬戸内海の大工業地帯の一角でもあるのだ。
伊予三島の市街に入ったのに、バスはなかなか駅に着かない。市内をぐるぐる廻って最後に駅に着くらしいのだ。バスの料金が前に表示されているのだが、途中で値段が下がったのには驚いた。遠回りして、引き返しているということである。
伊予三島にバスは15時45分頃に着いて、JRの出発は15時59分である。ほとんどゆとりがない。青春18切符に3つめのスタンプを押してもらった。
今日は宇和島まで行かなければいけない。乗車距離は213.7kmである。
伊予三島で乗った列車は伊予西条行きで、40分ほどの乗車である。
列車の窓から山側を眺める。私が4日間、雨の中を苦労して縦走してきた山並みである。でも私の歩いたコースは前衛の山に隠れて見えない。
列車が走る平野は晴れているのだが、少しだけ見える奥の山は、やっぱり厚い雲がかかっていた。まだ雨が降っているのだろうか。でもニュースなんかを聞くと、今年も四国は雨が少なくて、水不足なのだそうだ。私が山を歩いていたときに降り続いていた雨水はいったいどこへ行ったんだろう。そして私の苦労は何だったんだ…と思ってしまう。
伊予西条では松山行きに乗り換えるが、これはすぐの接続で、向かいのホームに列車が停まっていた。
伊予西条から15分ほど走ると、壬生川に着く。ここが4日間の縦走の出発点だった。
たった4日前のことなのに、ずいぶん昔のことのように感じてしまった。
今治では停車時間が30分ほどあったので、ここで立ち食いそばでも食べようかと思ったが、駅構内には店がない。この今治の駅は本当に新しい駅舎なのだが、そのためかすっきりしすぎてしまっている。山から下りてきたのだから、なんかうまいもの食べたいのだが…。
今治では駅の記念スタンプを押した。
松山に着いたのは19時である。ここで宇和島行きの列車に乗り換えるのだが、待ち時間が50分もある。改札の横におそば屋さんがあった。
久しぶりにまともなものが食べれる。うれしい。
立ち食いの天ぷらそばで感動してしまった。
19時50分の宇和島行きの列車に乗ると、この間2時間半ほどの乗車である。
日も暮れてしまって、外は何も見えない。
仕方がないので、缶ビールを飲みながら、ひたすらこの日記を書いていた。
八幡浜に着いたのは21時半頃なのだが、ここから異様に多くの人が乗り込んできた。
女性は浴衣を着ている人が多い。どうもお祭りの帰りのようなのだ。
山に篭もって忘れていたけど、今はお盆である。夏祭りの真っ最中なのだ。毎年、この時期は山に登っているものだから、お盆なんて忘れてしまっていた。
列車は少し遅れて、宇和島に着いたのは22時45分であった。
私は、宇和島というのはすごく大きな街だと思い込んでいた。
ところが、この宇和島は終着駅なのである。予讃線の突き当たりで、この先に線路はないのだ。
昔、四国を2日間で巡ろうとしたとき、足摺岬から西に向かう線路がなくて、ものすごく時間がかかったことを思い出してしまった。
私は、この宇和島では24時間営業の健康ランドにでも行って、ゆっくり風呂に入って、仮眠室で寝るつもりでいた。ところが、電話帳をくくってみてもそんな24時間営業のお風呂屋さんなんてないのだ。
困ってしまった。
宇和島駅は深夜には閉鎖されてしまう。
駅のベンチに座って考え込んでいると、駅前を暴走族がすごい排気音を響かせて走って行った。なんか治安も悪そうだ。
駅の前にあった市街地図をながめながら、どこか適当なところにテントを張ってしまおうかとも考えたのだが、そんな適当な場所もみつからない。
そんなことでグズグズしていたら、駅ビルにあったコンビニが閉まってしまった。11時半までの営業なのだそうだ。コンビニは24時間やってるものと思い込んでいた自分がバカだった。食糧を買うこともできなくなってしまった。腹がすいた。
困り果てていたら、駅前のバスターミナルのベンチで寝ている人がいるのを見つけた。
駅前はバスのロータリーになっていて、2列のバス乗降場がある。そこにはベンチが置かれていて、簡単な屋根もかかっている。これなら夜中に雨が降ってきても、大丈夫そうである。
さっきの暴走族のことを考えると、一人でベンチに寝る気にはならなかったのだが、他にもいるのなら心強い。この仲間に入れてもらうことにした。
耐寒用に雨具を着込んで、それから虫除けのジェルを手足に塗って、準備完了。
こうして今夜は、外のベンチで眠ることになった。
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海が見えてきた、伊予三島は近い
伊予三島のホーム
列車の中で
宇和島駅
宇和島は闘牛でも有名
駅前メインストリート
宇和島のマンホール
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