備中国分寺→作山古墳→やよい広場→総社市まちかど郷土館→総社宮→東総社駅→宝福寺(雪舟像→仏殿→三重塔→総社駅→JR→備前一宮駅

吉備は大和と出雲の間に独自の文化を開かせた、古代のロマンの国なのだ。私はこの吉備路をすべて散策したいのだが、距離が長すぎる。仕方がないので貸し自転車で、備前一宮駅から総社駅までを走って巡ることにした。見るべき史跡が多いので東部と西部の二つに分けて紹介したい。



国分寺五重塔が見えてきた


五重塔


礎石の上にお地蔵様
 備中国分寺

BACK 吉備路東部

2008年6月1日

こうもり塚古墳から備中国分寺はすぐである。今日は快晴で、真っ青な空に五重塔がすっくと立っていて、すばらしくきれいである。

国分寺の参道を行くと、道の左右の草原に南門跡とか井戸跡などという説明版がたっている。
備中国分寺は全国にある国分寺と同じように、天平
13年(741)に聖武天皇の勅願によって建てられた官寺なのだ。寺域は東西160m、南北180mという広大なもので、周囲には築地塀がめぐらされていたのだが、南北朝時代に全焼してしまって廃寺になってしまったのだ。今の伽藍は江戸中期に再建されたものである。
吉備路のシンボルとなっている五重塔は文政
4年(1821)から20数年かけて再建したもので、高さは38m、国の重要文化財である。
山門をくぐって広い境内にはいると、中はきれいに整備されている。本堂や庫裏の建物があるのだが、やっぱり目が行くのは五重塔である。時間をかけてのんびり眺めていた。
帰りにかっての国分寺の礎石があるのに気がついた。大きな礎石の上にはお地蔵様がたっていた。

国分寺からさらに西に向かって走って行く。サイクリングロードから振り返ると、五重塔がすばらしききれいである。



 作山古墳
作山古墳


やよい広場


耕し始めた田んぼのなかを走って行くと、緑の丘が見えてくる。これが作山古墳である。さっき見た造山古墳とは「作」と「造」の違いだけで、かなり紛らわしいのだ。この古墳も全長
286m、高さ24mと、全国で9番目の巨大な前方後円墳である。この古墳にも上ってみた。かっての墳丘は三段になっていて、境目に円筒埴輪が埋められていたというのだが、今は樹木に覆われていてまったくわからない。古墳の上は林で、草原が広がっているだけであった。後円部に上ったが祠すらなくて、説明版がたっているだけであった。
田園地帯を総社市に向かって走って行く。広い車道のそばに小さな公園があって、そこには高床式倉庫が復元されていた。ここは「やよい広場」という吉備路自転車道の休憩所である。




まちかど郷土館模型


総社神社
 総社市街


まっすぐ北に向かって走って、総社市街に入る。すぐに白い洋館が目に入った。これが「総社市まちかど郷土館」である。この洋館は明治
43年(1910)に総社警察署としてたてられたものなのだ。休憩もかねて中に入った。館長さんが親切な人で、吉備のことをていねいに教えてくれた。おもしろかったのは二階の「備中売薬」の展示である。薬売りといったら富山しか思い浮かばないのだが、備中もそうとうなものだったのだ。
このまちかど郷土館のうしろに総社宮がある。
平安時代、備中の主な神社の祭神を合祀して、備中国府の西側に創建した神社である。総社については防府の観光のとき書いたのだが、平安時代の国司が任務としての官社を参拝する手間を省略するために造った神社なのだ。ここには官社18社、田社286社が祀られているのである。この神社の特徴はすさまじく長い回廊である。そして「古代三島式庭園」もあった。
総社宮から少し走ると東総社駅がある。このすぐ先で踏切を渡って、伯備線に沿って北に走って行く。緩やかな坂になっていて、けっこうペダルが重かった。
ようやく着いたのが宝福寺である。



 宝福寺
宝福寺の仏殿


修理中の仏殿


苔の庭


宝福寺は臨済宗東福寺派の寺院で、地方では珍しく、七堂伽藍が完備した大寺院なのである。そして雪舟が幼いときに修行した寺として有名なのだ。お寺の前の広場には小坊主の雪舟が膝にネズミをのせた銅像があった。雪舟は柱に縛られて折檻されたとき、涙でネズミの絵を描いたというエピソードはこの寺でのことなのだ。

まず石段を上って楼門をくぐる。長い参道の突き当たりには二層の屋根をもつ仏殿がたっている。参道の横は苔の庭園である。赤いツツジの花がきれいであった。
仏殿の本尊は虚空蔵菩薩で、天井には巨大な龍が描かれていた。
仏殿からさらに奥に進む。緑の苔庭がきれいだ。
いかにも禅宗の寺らしい庫裏の建物を眺め、千尺井、雪舟碑を過ぎると林の中に赤い三重塔が見えてきた。あまり大きな塔ではないのだが、室町中期のもので、国の重要文化財に指定されている。美しい塔をのんびり眺めていた。
参道を引き返す途中、方丈と庫裡も時間をかけて眺める。ここには蓮華が美しく咲く庭園もあった。
これで吉備路の観光はすべて終了、総社駅に自転車を走らせる。帰りは下り坂なので快適であった。
総社駅に着いたのは
15時少し前、ここで自転車を返却して、JRで備前一宮駅まで戻るのである。駅前広場には雪舟のかわいい銅像と、こうもり塚古墳のヒロイン黒媛の歌碑があった。

今日の吉備路の観光をもって春の登山旅行は終了、明日の夕方の名古屋発仙台行きフェリーに乗るだけである。


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