BACK 神室山
2009年6月26日
道の駅を5時頃に出発した。和賀岳の登山口までは30kmもあるので、早く出発する必要があったのだ。
国道から離れて集落の中の細い道を行くと、突然、前に岩手ナンバーの車が2台割り込んできた。東に向かって走って行くと、この車も同じ方向へ行くのだ。和賀岳登山者のようである。まだ10km以上残っているのに、舗装が終わって地道の林道になった。これを10kmも走るのはけっこうきつい。でも、すさまじいほどのガタガタ道ではなかった。
前の車が道を譲ってくれた。どんどん走って行く。アップダウンが激しい道で、ヘアピンカーブもあるのだ。
新しい山小屋がたつ駐車場に着いた。林道はまだ続いているのだが、この先に駐車スペースはないので、ここに駐車してくれと書いてあった。
新しい山小屋というのは、トイレ兼休憩所なのだ。
身支度をしていたら、さっきの車が2台やってきた。老人グループであった。
歩き始めたのは5時50分。ガイドブックによると、和賀岳登山は往復8時間35分もかかるロングコースなのだ。
林道を10分ほど歩くと大型の四駆が停まっていて、そこが登山口であった。登山口の少し奥に「甘露水」という水場があって、飲んでみたら冷たくておいしかった。
登山口からは杉の植林帯に入ってしまったが、少し行くとブナや栃などの原生林になった。平坦地に着くと、そこには曲沢分岐の標識があった。和賀岳へは右の「ブナ台」に向かうのだ。
すばらしいブナ林が広がっている。道にはびっしりとシダの葉が覆い被さっている。ブナの巨木に感動しながら登って行くと10分ほどで尾根の上に着いた。ここがブナ台であった。名前の通り、ブナの森である。
ここから尾根をたどるのかと思ったら、すぐに急な斜面にぶつかって、これを右にトラバースするように登って行く。この急な斜面にはブナの巨木が生い茂っているのだ。すばらしいブナの森である。
斜面を何度かターンして登って行く。長い振幅のジグザグの登りなので、そんなにきつい登りではないのだ。道端ににギンリョウソウを見つけた。
30分ほど行くと平坦な尾根道になって、その尾根の右から沢の音が聞こえてきた。すぐに沢の流れが見えてきて、道は沢に下ってしまう。流れを渡ったすぐ先に「滝倉」の指導標がたっていた。ここは水場でもあるのだが、それは沢の流れのことらしい。
沢からは藪を掻き分けて登るとすぐに傾斜は緩まって、左に深い谷を見ながら行く。沢の音がうるさいくらいだったのが、すぐに静かになってしまった。道の左にあいかわらず深い谷があるのだが、水は流れていないようなのだ。
10分ほど行くと疎林が広がって、そこに滝倉避難小屋の指導標があった。でも、小屋は跡形もない。カールのようなところで、そこにブナが茂っていた。
道は山の急斜面を右に行くようになる。トラバースするように登って行くのだ。すぐにターンして、再びほとんど傾斜のない道を行く。道には背の高い笹が目立つようになった。
避難小屋から35分ほど登ると「倉方」の指導標がたっていた。ここで右折して、尾根を真っ直ぐに登る。ようやく本格的な登りかと思ったが、そんなにきつい傾斜ではない。尾根が狭まってくると樹林から抜け出した。行く手には絶壁をもつピークが聳えていて、その左に丸いピークが見える。登山道はこの絶壁のピークに向かって登って行くのだ。そして丸いピークが薬師岳である。
展望の尾根を行くと、一面のお花畑が広がっている。花はまだ少ないのだが、ニッコウキスゲやピンクの花がきれいだ。
お花畑に感動しながら登って行くと、道はどんどん険しくなって、痩せ尾根の急登になった。絶壁のすぐ左を急登する。振り返るとすばらしい眺め。
傾斜が緩まって山の斜面を右から回り込むと、薬師分岐の指導標があった。ここから薬師岳までは200mである。
山の斜面を右から回り込むと、行く手に和賀岳が見えてきた。すごく立派な山である。さらに斜面を回り込んで行くと、薬師岳山頂が見えてきた。
山頂に向かって急登する。この途中にも花がたくさん咲いていて、つい立ち止まって写真を撮ってしまう。
登り着いたところには御堂があった。薬師堂らしいのだが、中の仏像は薬師如来ではなくて、女神像であった。
お堂から少し登ると薬師岳山頂である。背の高い笹藪に囲まれているのだが、展望をジャマするほどではない。和賀岳の眺めがすばらしい。
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