BACK 津軽黒石
2012年7月9日
今日は鳥海山に登る。一度登ったことがあるのだが、この時は鉾立から登り始めて新山山頂に登って引き返しているのだ。あとでよく調べてみると、一等三角点が置かれているのは七高山で、こちらのほうが鳥海山山頂といっていい。ようは、まだ鳥海山には登っていないということなのだ。
それで今回の登山ということになるのだが、以前は鉾立から登ったので、今回は違うルートから登ることにした。鳥海山北側に祓川登山口がある。今回はここから登ることにした。
道の駅から祓川までは25kmほどもあって、登山口に着いたのは7時少し前になってしまった。広い駐車場があって、水場もあった。ここで新しい水を汲んで出発。
舗装道を少し行くと、大きな祓川ヒュッテが見えてきた。その先が竜ヶ原湿原で、木道が真っ直ぐに続いている。木道の入り口にはアヤメが咲いていた。
木道を歩いて行き、これが終わって樹林の中を少し行くと、行く手には雪の壁が見えてきた。樹林を抜けたところには祓川神社があって、今日の登山の安全を祈って手を合わせた。
さて、登山道はどこだと探してみたのだが、…ない。よく見たら、登山路は壁のような雪渓を登るのだった。いきなり、これか…と前途の多難さを思ってしまった。今回はこんなこともあろうかと軽アイゼンを持ってきているのだが、登りでは使わずにキックステップで登って行った。それにしても、急な登りである。振り返ると神社や湿原が一望できる。
赤いテープがたくさん下げられた登山道入り口に着く。ここからは大きな自然石を積んだ階段の急登であった。
登山道にはたくさんの花が咲いていてきれいである。ピンクのツツジやショウジョウバカマ、黄色いスミレ、雪はいっぱい残っているのだが、山は花の季節なのだ。
「賽の河原手前」という指導標に着いたのは7時35分。この登山道にはちゃんと合目毎の指導標があって、賽の河原が六合目である。ちなみに、登山口の祓川は五合目なのだ。
ここから5分ほど行くと再び雪渓が現れた。これはそんなに傾斜はきつくなくて、あまり苦労することなく歩いて行く。雪渓にはルートを示す竹竿が立っている。雪渓につけられた踏み跡ははっきりしないので、この竹竿を目印に歩いて行くのだ。
この緩やかな雪渓が終わって樹林の中に入ったが、すぐにまた小さな雪渓があり、この先は岩がゴロゴロするえぐれた溝の中を急登する。道の両側は樹林なのだが、その向こうにはどちらにも広大な雪原が広がっている。15分ほど登ると再び行く手に雪の壁が見えてきた。樹林から抜け出したところにはミズバショウの群落があって、ここが七合目の御田であった。…ということは六合目の賽の河原は気がつかずに通過してしまったということである。傾斜が緩やかだった雪渓の下に賽の河原はあったのだろう。
この御田にはすばらしい湿原が広がっているのはずなのだが、今はすべて雪の下である。かろうじてミズバショウだけを見ることができるのだ。時間は8時になっていた。ガイドブックの標準時間通りである。
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