2004年9月14日

朝、7時に家を出た。
これから1週間ほど、東北の山を登ろうと思っている。
最初に登るのは虎毛山。この山は鬼首高原の近くにあって、私の家からは90ｋｍほどである。
登山口に着いたのは9時少し過ぎた頃であった。
ガイドブックでは赤倉橋からスタートすることになっているのだが、ここから谷に向かって急な道を下る。下ってみてわかったのだが、この橋がかかっている赤倉沢にはその流れに沿って林道が通じている。この道を車で来たほうが、もっと奥まで車で行けるようだ。ただし、この赤倉橋とその沢に沿った道は立体で交差しているため、まったく別のところから入ってこなければいけないのだが…。
ともかく、橋のたもとから谷底に下る。この下ってゆく道はあまり人が通らないようで荒れた感じの道であった。
下りきったところはしっかりした林道で、普通はこの道が登山口として使われているのではないかと思う。この林道を歩いて行くと15分ほどで指導標があり、そのすぐ先には工事用のプレハブが建っていた。
ここからさらに沢の流れに沿って歩いて行く。
次第に道は狭くなって、車は通れない登山道になった。でも、道は平坦である。
歩き始めて45分ほどで、徒渉点に着いた。ガイドブックに「徒渉」と書かれていたので、靴を濡らす覚悟でいたのだが、立派な橋がかかっていた。この橋を渡ると登りが始まる。
最初は階段の道を急登する。
樹林の中を登って行くのだが、途中には指導標が完備されていて、その前には休憩用のベンチが置かれている。
登り始めて1時間45分ほどで、高松岳との分岐に着いた。ここが稜線で、左に8ｋｍ行くと高松岳である。
私は今回の登山旅行の最後に高松岳に登ろうと思っている。ここから高松岳に縦走しようかとも思ったが、8kmの距離だと往復で5時間ほどかかるだろうから、不可能である。予定通り20日に登るしかない。
この分岐からは稜線の縦走路で傾斜は緩やかである。
少し下る。その途中から行く手に聳える虎毛山を展望することができた。ドーム型のこんもりした山頂である。
鞍部から30分ほど、かなり急な道を登って行く。
傾斜が緩やかになってくると、行く手に三角の屋根が見えてきた。山頂にある避難小屋だ。
小屋のすぐ後ろに山頂の標識と三角点が見えた。時間は12時10分であった。
小屋に立ち寄りたかったが、それは帰りにして、そのまま先を進む。
登山道は木道になった。この虎毛山のすばらしさは、山頂の湿原と池塘にあるのだ。
今日の天気は、朝は晴れていたのに、今は曇っている。風がかなり強くなってきた。
木道をゆるやかに下って行くと、行く手に池塘が見えてくる。湿原は黄金色の草原になっていて、それが強い風で波打っている。
なんかすばらしい展望で、私一人だけがこの展望を堪能している。この山に登ってよかったと思った。
木道が途切れるところまで行って、引き返した。
避難小屋の中に入ってみたが比較的きれいな小屋で、これなら泊まってみたい。
ここで休憩。コーヒーを飲んで、カリントウをかじった。
最近、休憩のときはコーヒーである。水で溶けるインスタントを持ってきていて、コップにこのコーヒーを入れて水で溶かすだけなので本当に簡単。お湯を沸かすのってけっこう手間ではないか。
食べ物も最近まではコンビニのおにぎりを持ってきていたのだが、あまりうまくないし値段もバカにならない。かりんとうは甘くてエネルギーにもなるし、日持ちがするのでかなり気に入っている。
最近の山頂で食べるのはこんな具合なのだ。
小屋の外はゴウゴウと風が吹いている。
霧も出てきたので、早々に下ることにした。
登ってくるときは気がつかなかったが、すごく急な道を登ってきていたのだ。きつい下りであった。
1時前に山頂を出発して、徒渉点に着いたのは2時半。登山口の車の前に着いたのは3時であった。
この山はいい。これが花のきれいなときだったら、さらにすばらしい山行が楽しめたと思う。

明日は禿岳に登る。この山は鬼首高原の目の前に聳える山なのだ。
今夜はその登山口、花山峠でテントを張ることにした。