私の東北の山百選
ひのとだけ

標高 1146m
登山口→1:20→観音岩→40分→丁岳山頂→40分→風のコル→1:00→萱森→30分→庄屋森→40分→観音森→1:20→登山口

「丁岳」と書いて「きのとだけ」と読む。この山のことはまったく知らなかったのだが、すばらしい山だった。丁岳から萱森・庄屋森へは険しく切り立った道で、ワクワクする縦走路である。絶対にお勧めの山だ。
縦走路から丁岳

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2004年917

大平キャンプ場にテントを張って寝た。
夜中に目を覚まして空を見ると、星が見える。くっきりとした輝きはなかったが、一応晴れている。
明日は丁岳だ、と思って再び眠ったのだが、朝、
4時頃雨の音で眼が覚めた。かなり強く降っている。それでも夜が明ける頃には止むだろうと安直に考えていたが、止まない。
キャンプ場には東屋があって、ベンチとテーブルがある。ここで朝食の準備をした。雨が降っているので、ゆっくり時間をかけて食事をすることにした。
ご飯を炊いた。これは時間がかかるのだがその間に本を読んだりしてのんびりしていた。
9時を過ぎた頃、雨は止んだが、時々、霧のような細かな雨が降ってくるし、山のほうは厚い雲に覆われている。
無理をしたら登れないことはないのだろうけど、視界のきかない雲の中を登ってもちっともおもしろくない。
今日の登山はあっさりあきらめることにした。

10時過ぎに、カーナビの地図を調べて、近くにある温泉に行くことにした。
近いのは「湯の沢温泉」で片道20kmほどある。
車を走らせて行くと、笹子の街に出る前に、「平兵湯」という看板を見つけた。
こんな近くに温泉があるとはラッキー。
さっそくここで風呂に入らせてもらった。こんな雨の日は温泉でのんびりするのも悪くはない。
11時頃に温泉からあがってきて、そこのおかみさんにここから一番近いスーパーを訊いた。今日は一日停滞するつもりなので、買い出しをしてのんびりするのだ。
笹子の街にcoopがあるという。昨日、通ってきているのだが、気が付かなかった。
その店は、私が昨日ガソリンを入れたスタンドの隣にあった。
ここで買い出しをしようとしたら、すぐ真向かいに道の駅がある。買い出しをする前に、ここで時間をつぶすことにした。
新しい施設で、休憩所が本当にきれいである。2時間ほど本を読んでいた。
帰りに買い出しをして、また大平キャンプ場に戻り、テントを張った。
明日こそ晴れて欲しい。


918

朝、4時に目を覚ましたがまだ暗い。今の時期はずいぶん日の出が遅くなっていて、5時頃にならないと明るくならないのだ。
今日はできたら、丁岳と甑岳の二つの山に登ろうと思っている。だからできるだけ早く行動を開始したいのだ。
朝食は簡単にすませるために、チキンラーメンに卵を落としたもの。…あまりうまくなかった。
テントをたたんで、登山口に向かって車を走らせる。
キャンプ場からは3kmほどなのだが、道がダートである。ガタガタの道を10分ほど走らされた。
出発できたのは6時である。

まず丁川を渡る。橋がかかっていた。
橋を渡るとすぐに分岐があって、登山道は左に行く。
尾根を登って行くが、道は階段状になっていて、だんだん傾斜がきつくなってくる。どんどん登って行く。
1時間半ほど歩いて細い流れを渡った。気がつかなかったのだが、このあたりが観音岩だったのだ。この流れが水場ということになる。
この丁岳で思うのは、指導標が完備されていないということで、歩いていて道が正しいのか心配になってしまう。
さらに急登が続くが、山頂直下に右に入る道がある。これはガイドブックによると御花畑を巡るコースなのだが、その表示もなかった。
このあたりで雲の中に入ってしまった。
山頂での展望は得られないのかと、半分諦めて登って行ったが、次第に雲がとれてきた。そして、山頂に着いたときは頭上に青空が広がっていた。ラッキー。
丁岳山頂には三角点があるものの、山名をかいた指導標はない。神像が刻まれた黒い石板が立っていた。
周りの樹木は低いのだが、そんなに感動するような景色でもない。
ここで少し休んで、先を急ぐことにした。
私は、山頂からさらに庄屋森、観音森と縦走して、ぐるりと一周して登山口に戻るつもりなのだ。
少し行くと岩場の上に出る。ここから縦走路を望むとすごい。鋭く切り立った峰がいくつも連なっている。これが、私のこれから向かう縦走路なのだ。
急な岩場を下る。そして振り返ると、丁岳はすさまじい断崖に囲まれた山だということがわかった。すごい山である。そしてこれから私が向かう縦走路もびびってしまうほど険しい。なにかしらワクワクしてくる。雨の中、一日待ったかいがあったというものである。
風のコル」というのは気がつかないうちに通り過ぎたが(指導標がないものだから、よくわからないのだ)、行く手には槍の穂先のように切り立った山が迫ってくる。
本当にこの山を越すのか?と思ってしまう。
この針のような山は「萱森」と「庄屋森」なのだ。
縦走路からみるとすさまじく切り立って見えるが、横からみたらそんなにたいしたことはないのではないか、と思ったりして歩いて行ったが、頂上直下になると本当にすごい登りになった。両手をフルに使って、木の枝に捉まったり、岩にしがみついたりして登って行く。
ピークに着いたときはホッとしたが、そこにはなんの標識もなかった。
萱森のピークから観音森に向う道をみて、またびっくりした。すさまじい急降下をしなければいけないのだ。下りの道はほとんど垂直に見えてしまった。
とんでもない山ではないかと、足をガクガクさせながら下って行ったが、一方ではこんなすごい山があったのかと感動していた。
振り返る丁岳山頂は岩壁に守られた城のように見える。すばらしい山を見つけた。その山を今、自分は登っている。なんか楽しくなってきてしまうではないか。
…とは思いながらも、目の前にはすさまじい岩場。ぎゃぁ〜なんとかしてくれ!と心の中で叫びながら下る。鞍部まで下ったら、本当に力が抜けた。
ここから登り返して「観音森」である。再び急な道を登って行く。
ただ、この観音森は山頂部が長くて、登りついたら平坦な稜線の道になった。
観音森のピークにも指導標はなくて、気が付かないうちに通過してしまった。
今度は観音森からの急な下りが始まる。
行く手の遠くには山頂部を雲に覆われた鳥海山が見えた。
ブナ林の中を急降下してゆく。
1時間ほど下ると、道は杉林の中に入って、傾斜がなくなったと思ったら、登山口に飛び出した。
1210分であった。
いい山だった。この山だったら、私は三つ星で推薦してしまう。
案内板に「五階の滝」というのがあるので、行ってみることにした。私は滝が好きなのだ。車を少し走らせ、遊歩道入り口から歩いてゆく。徒歩20分とあって、沢に沿って登ってゆく。沢の流れがいくつかの滝をつくっていて、その最後に大きな滝があった。別に五段になっているという滝ではなかった。

今日はもう一つ山に登るつもりだったが、止めにした。こんなすばらしい山に登れたのだから、余韻に浸りたいではないか。
街に出て、携帯のiモードで天気予報を調べたら明日から天気が崩れるのだそうだ。あと甑岳と高松岳を登るつもりだったが、止めにして家に帰ることにした。


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大平キャンプ場


登山口


丁岳まで2kmの指導標


険しい道を登る


お花畑への道


丁岳山頂


縦走路を行く


まず行く手には萱森


萱森への登り


庄屋森


萱森を振り返る


観音森への縦走路


観音森付近。ピークがよくわからなかった


鳥海山が見える





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