私の東北の山百選
しらかみだけ

標高 1235m
崩山→1:15→世界遺産境界→20分→大峰岳→2:00→世界遺産核心境界→45分→大峰分岐→20分→白神山頂避難小屋→5分→白神岳山頂→20分→大峰分岐→1:05→蟶山分岐→15分→蟶山山頂→20分→水場→25分→二股分岐→35分→登山口→30分→白神岳登山口駅

白神岳は世界遺産の山なので二百名山でありながら百名山ほどの人気があるのだ。私はあえて山頂で一泊したのだが、山頂からの朝の眺めはすばらしかった。
直前の稜線から望む白神岳


 崩山から大峰岳へ 1994年黒崎コースの登山記録


山頂のすぐ先にベンチがあった


鞍部、小さな流れがあった


ここから世界遺産の緩衝地域に入る


大峰岳山頂

BACK 崩山

2010年10月8日

崩山山頂からは左折して東に向かうようになる。すぐにベンチが置かれた小さな広場があった。ここで休めばよかった。

すぐに下りになる。紅葉がすばらしくきれいである。登り返してピークを越える。すさまじいアップダウンを覚悟していたのだが、たいしたことはなかった…、と思ったのは大間違いで、この先にすさまじい下りがあった。鞍部に着いて小さな流れを渡る。
道はいつの間にか南に向かうようになっている。笹藪の鞍部から登りになると、紅葉のブナ林に入る。すばらしいブナの林につい立ち止まって写真を撮ってしまうのだ。
登りがけっこう続いて、ようやくピークに着くと、そこに世界遺産地域のマップの小さなパネルがあった。大峰岳と書かれたところに現在地の標示がしている。ここが大峰岳なのかと思った。でも、崩山から大峰岳までは
2時間かかるというのにまだ1時間15分しか歩いていない。こんなに早く着いていいのだろうか。(今、写真に撮ったマップをよく見るとここは世界遺産地域の境界だったらしい。つまり、ここから世界遺産に入ったということなのだ)
ここからはほとんど平坦な尾根で美しい紅葉のブナ林が続くのだ。
マップから20分ほど歩くと指導標が立っていて、その足下に大峰岳の標識が置かれていた。このあたりはほとんど平坦な尾根でちっとも山頂という感じがしない。それに指導標には大峰岳とは書いていなくて、三角点もない。本当なんだろうかと疑ってしまった。でも、時間からしたら、このあたりが山頂なのだが。ここから大峰分岐までは3.6kmである。平地だったら1時間で歩ける距離なのだが、ガイドブックでは3時間20分かかると書いているのだ。すさまじいアップダウンを覚悟しなければいけない。



 大峰岳から白神岳山頂へ
道は階段になっていた


ブナの尾根をアップダウンする


越えてきた尾根を振り返る


ここから世界遺産核心地域


大峰分岐に着いた


小屋が見えた、でもこれはトイレ


避難小屋


白神岳山頂


大峰岳からはすぐに急下降になった。急斜面をジグザグに下って行くと、さらにきつい下りになって、そこは階段になっていた。この階段の下りからは行く手に白神岳に続く尾根が見えた。すぐ先に樹林のピークがあって、その奥に白神岳らしい山が見える。すごく遠い。これなら
3時間以上かかるのは本当らしい。ガイドブックによると、大峰分岐から大峰岳の間では10回も登り下りを繰り返すと書いてある。これは本当に大変そうだ。
鞍部から登り返す途中からは、いま歩いてきた尾根が展望できた。
登り切った先は尾根が狭まっていて、両脇は紅葉のブナ林である。すばらしくきれいだ。
アップダウンが続く。
大峰岳から1時間余り歩いたところに、大峰分岐まで2kmの指導標があった。
尾根道の左には向白神岳の稜線が見えているのだが、この山稜に雲がかかり始めた。今日は完璧な晴れと思っていたのだが、山の天気は変わりやすい。山頂に着くまで晴れたままでいてくれと祈るしかない。
笹藪の斜面を登って行くと、樹林から抜け出して展望が広がる。振り返ると歩いてきた稜線を一望でき、崩山の左には西海岸の海岸線が見える。行く手には白神岳の大きな山塊が見える。尾根の四方は山々が幾重にも連なっていて、それらは鮮やかな紅葉に覆われている。この山を包む樹海は世界遺産のブナ林なのだ。絶景としかいいようはない。
平坦な尾根の途中に、ふたたびマップの小さなパネルが立っていた。何の標識もないのだが、ここが白神岳の肩と言われるところではないかと思う。ここから世界遺産の核心地域に入るのだ。13時になっていた。
稜線を歩いて行くと、今まで山頂と思っていた山の後ろにさらに高い山が見えてきた。こっちが本当の山頂らしい。
緩やかに下ってから手前のピークに向かって登って行く。途中から潅木の中に入ってしまって、その林の中でピークを越える。再び展望が開けると笹原の尾根で、次のピークに緩やかに続いている。この頃から行く手のピークに雲がかかるようになった。
大峰分岐に着いたのは1341分である。明日はここから黒崎に下るのだ。ここに立つ指導標には山頂まで700mと書かれていた。もうすぐである。
展望の稜線を行く。すばらしい眺めが広がっているのだが、時々雲が湧き上がってきて、視界を遮る。
10分ほど行くと、山頂避難小屋の三角屋根が見えてきた。昔と同じ形をしている。山頂直下は広大な笹原の斜面である。階段の上りになって、傾斜が緩まったところに石の祠があった。白神大権現の祠だという。
ようやく小屋に着いたと思ったら、これは小屋ではなくてトイレであった。昔の山小屋は今はトイレに変わってしまったのだ。
ここから少し行くと本当の避難小屋があった。小屋の前には大きな縁台のようなベンチが置かれていた。小屋に入ると誰もいなかった。三階建ての造りで、私は二階に寝ることにする。ザックを置いて山頂を目指した。
小屋からは山頂まではすぐで、高度差もほとんどないのだ。
山頂には昔と同じ山名標識があった。なんかうれしくなってしまう。そしてここに置かれた三角点は一等三角点であった。最近登った山はほとんど一等三角点である。
山頂からの眺めはすばらしいのだが、遠くは雲が湧き上がって霞んでしまっている。
小屋に引き返して、水筒を持って水汲みに行った。山頂のすぐ手前、左に踏み跡がある。ただ、この道は完全に笹藪に覆われていて、背丈以上の笹を掻き分けて下って行くのだ。
水場の水量は十分であった。でも、この水は煮沸しないと使えないらしい。この斜面の上には山小屋があるのだから当然かもしれない。
小屋の中は暗いので、食事は外の縁台の上でした。展望を楽しみながら食事と思っていたら、あっというまに雲が湧き上がってきて、真っ白になってしまった。
この日、小屋に泊ったのは私一人であった。



 白神岳から蟶山へ
昨日登ってきた尾根を引き返す


大峰分岐に戻った


紅葉の尾根を下る


階段の下りになった


蟶山山頂


109

5時半頃、小屋の窓が明るくなってきた。昨日は夕方から雲の中に入ってしまったので、展望はあきらめていたのだが、外に出ると遠くの山々が一望できる。東の空は赤く染まっていて、朝日が昇ってこようとしていた。
向白神岳に続く稜線、そして鋭い三角峰の岩木山。カメラを持って山頂まで行ってみた。360度の展望である。小屋に泊らなければこの朝焼けの景色を見ることはできなかったのだ。うれしくなってしまった。
今日は下るだけなのでのんびりできる。白神岳登山口駅からの便は1158分、小屋から駅までの所要時間は3時間なので余裕たっぷりである。小屋に戻ってご飯を炊いた。私の炊飯用コッフェルは吹きこぼれることがない優れモノなのだ。
小屋を出発したのは710分である。
小屋からすぐにトイレの前を通過する。展望の尾根が続き、右は向白神岳に続く稜線、左には日本海が広がっている。
この展望の尾根を20分ほど行くと大峰分岐に着く。ここからはひたすら急な下りが続くのだ。
下りの登山道から白神岳を振り返るとトイレの三角屋根が見える。そして、その山の斜面は美しい紅葉に覆われている。
分岐から
10分ほど下ると紅葉の林の中に入る。さらに樹林の中を10分ほど下ると階段道になって、これを下ったところに「この先歩行注意」の指導標があった。これは登りのことなのだ。ここからは傾斜が少し緩まって、美しいブナの林が広がる。
この頃から登山者とすれ違うことが多くなった。世界遺産の山で、しかも今日は土曜日なのだから登山者が多くてあたりまえなのだ。登山者からは「もう下ってきたのですか」と何度も声をかけられる。小屋に泊っていたのだから当たり前なのだが…。
紅葉のブナ林を眺めながら広い尾根を下って行くと、指導標が立っていて、その先で登山道は左にヘアピンでカーブする。地図からするとここが蟶山(マテヤマ)の分岐のはずでなのだが指導標には何も書かれていない。踏み跡が直進方向に続いているので、行ってみる。ブナ林の斜面を10分ほどジグザグに登ると蟶山山頂に着いた。ブナの林の中のちょっとした高みにすぎないのだが、ちゃんと三角点があった。三等三角点であるが、三角点があったらりっぱな山である。



 蟶山から黒崎登山口へ
ロープを張った急な下り


最後の水場


二股分岐


登山道入口


登山口駐車場


分岐に戻ると、来たときには気がつかなかったのだが、地べたに「マテ山山頂へ」と書かれた木板が置かれていた。指導標を改めて見ると、ここから登山口までは
3.35km、二股分岐まで1.95kmと書かれている。黒崎から白神岳への登山路は二つあって、この二股分岐から白神川の二股で徒渉して山頂へ急登する道もあるのだ。私が今下っている蟶山経由の道はラクな方のコースである。
ここからはブナの斜面をジグザグに下って行くのだが、ロープが下がる急な箇所もあった。涸れた沢のような中を過ぎると、山の斜面の左側をトラバースするようになる。地図にある最後の水場に着いたのは95分であった。指導標にはここから登山口まで2.6kmと書かれていた。
水場の先もトラバース道が続くのだが、山側からはいくつもの小さな流れが落ちていて、その流れのそれぞれがきれいに澄んでいて、飲むことができそうである。さっきの水場が、「最後の」という意味がわかった。

水場から30分ほど行き、りっぱな木の階段を下ってから少し行くと二股分岐に着く。
ここからは本当によく整備された道で、傾斜も緩やかである。頑丈な木の階段を下った先には登山者のカウンターが設置されていた。最近、有名な山では赤外線によるカウンターが設けられていることが多いのだ。このカウンターから少しだけ行くと車道に飛び出す。白神岳登山道口という標識が立っていた。
この頃、雨が降りだした。早く下って正解であった。

傘をさして車道を歩いて行くと、5分ほどで広い駐車場が見えてきた。白神岳への登山者はここに車を置いて歩き始めるのだ。大きな休憩所兼トイレの建物がたっていた。
ここからは駅までひたすら舗装道を歩いて行く。道には登山口までの距離が書かれた標識がたっていて、分岐毎にちゃんと登山口を示す標識があった。
駐車場から30分歩くと国道に着く。ここにはJR駅への標識がないのでどっちへ行ったらいいかと迷ってしまった。国道を横切って集落に続く道を歩いて行く。ところがいくら行っても駅がない。集落の中なら駅への標識があるだろうと思っていたのだが甘かった。どうにもわからなくて、道ばたの民家にいたおばさんに訊いたら、駅を通り過ぎていた。道を教えてもらって、ようやく白神岳登山口駅に着いたのは1043分である。
1時間以上もこの駅で列車を待つことになった。


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