BACK 博士山
2009年9月24日
小豆温泉が近づくとスノウシェッドがあって、その中間が途切れていて、そこに登山口がある。駐車場は温泉への入口にあって、けっこう広い。
登山口にはなぜか、三岩岳山開きという幟がたっていた。もう秋なんだから山開きはないだろうと思うのだが…。
登山口からコンクリートの縁を斜めに登って行くと、スノウシェッドの屋根の上に出た。この屋根を歩いて行くのだ。すぐに、山の斜面につけられた長い鉄の階段があった。ここから登り始めるのだ。
けっこう長い階段を登って、山道に入る。きれいな広葉樹の林の中を行くと、右には沢の流れの音が聞こえる。樹林が途切れたところからは、沢がつくる小さな滝が見えた。
ブナの巨木を見上げながら歩いて行くと、緩やかに下って行って沢の岸に着いた。コンクリートの飛び石があって、かんたんに流れを渡ることができた。この沢を渡ったすぐ先で、三岩岳の稜線が見えた。すごく高いところに見えて、あそこまで登るのかと思うと、げんんなりしてしまう。
沢に沿って10分ほど行くと、道は右折して急な登りになった。きつい登りが続くのだが、登るにつれて道の灌木が少しずつ色づき始めた。紅葉が始まっているのである。
きれいなブナの林になった。まだ紅葉は始まっていないのだが、緑がきれいである。巨木も多くて、すばらしい林が続く。
樹林の間からは、さっきよりも近づいた稜線が見える。このすぐ先で道は右にカーブしていって、山の斜面をトラバースするようになると、すぐに水場の標識があった。小さな沢の流れである。山頂まで3.9kmと書いてあった。
なんどか小さな流れを横切って行くと、傾いた木道があった。滑らないように木道を慎重に歩いて行くと、けっこう水量の多い流れを渡った。水場としてはこれが一番いいのではないかと思った。
さらに二つほど小さな流れを渡って、緩やかに登ってゆくと、旧道分岐に着いた。ここには椅子にできるようなコンクリートの角柱があって、その上にはマップが貼り付けられていた。それによるとこの旧道を辿っても、今日出発した登山口のすぐ近くに下ることができるのだ。標識には「出水時は旧道を下りてください」と書いてあるので、道はしっかりしているようだ。帰りはこの道を下ることにした。時計を見ると、ここまで1時間40分かかっている。ガイドブックの標準タイムである。
少し休憩して息を整え、山頂を目指す。ここから三岩小屋まではすさまじい急登の連続で、1時間40分もかかるのだ。
少しだけ平坦であったが、すぐに急登になった。美しく紅葉し始めた灌木を眺め、高く聳えるブナの巨木を見上げ、急な斜面を登って行く。この登りは本当に長かった。尾根の上をひたすら一直線に登って行くのである。
40分ほど登ったところで、右に展望の開けたところがあった。東に広がる山並みで、地図によると、日光連山なのだ。でも、遠くは霞んでいて山々を特定することはできなかった。
この先、頭上を覆っていた高い木がなくなって、紅葉の灌木の間を登るようになった。行く手にはきれいな青空が広がっている。
紅葉の樺の木などを見上げながら登って行くと、オオシラビソの林が見えてきた。この針葉樹の中に入ると、傾斜は緩やかになった。
緩やかな道を20分ほど行くと、突然、木道が現れた。小さな池もあって、湿原になっているようなのだが、もう秋なので花は咲いていなくて黄色く色づいた小草原が広がっているだけである。
この湿原のすぐ先に小屋があった。ここは窓明山分岐なっている。分岐には、旧道分岐と同じマップがあった。小屋の前には水場らしきものがあったが、水は出ていなかった。
小屋の中で休憩した。小屋の中はけっこうきれいで、これなら気持ちよく泊まることができそうであった。
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