くしがみね

標高 1517m
猿倉温泉登山口→1:00→矢櫃萢→1:00乗鞍岳分岐→50分→駒ケ岳→45分→櫛ヶ峰入口→1:00→櫛ヶ峰山頂→40分→櫛ヶ峰入口→黄瀬沼→乗鞍岳→乗鞍岳分岐→猿倉温泉

八甲田は私の故郷の山である。百名山ブームで八甲田大岳にたくさんの登山者が集まるが、本当の八甲田のすばらしさは、実はこの南八甲田にあると、私は思っている。
黄瀬萢から櫛ヶ峯

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2004年82

今日は南八甲田の山に登ろうと思う。
南八甲田の最高峰は櫛ヶ峰で標高が1517mである。この山に登ろうとすると、本来ならば2日かけなければいけないのだが、日帰りで登ってしまおうとしている。
登山口は猿倉温泉で、そこから猿倉岳、駒ヶ峰、櫛ヶ峰と縦走して、帰りは乗鞍岳、赤倉岳に登って蔦温泉に戻ってくるというプランなのだ。すさまじくハードな計画である。
猿倉温泉に着いたのは5時頃で、身支度をしてすぐに出発した。…最初から道を間違えた。
猿倉岳に登るコースは登山口から少しだけ行ったところで右に入らなければいけないのだ。その指導標もあるのだが、帰りに確認したらこれが倒れていたのだ。

樹林の中の道を行く。ほとんど傾斜のない道で、本当はここで間違っていることに気が付くべきだったのだ。この平らな道はけっこう曲がりくねっていて、これを1時間ほど歩いたら、左手に湿原があった。ここに2人の登山者が休んでいて、地図を確認している。私もおかしいと思っていたので、地図を出して調べてみると、ここは矢櫃萢のようである。
困ってしまった。予定していた猿倉岳が登れない。
これから向かう駒ヶ峰から往復するしかなさそうである。
私がこの道はめちゃくちゃに曲がりくねっていて、なんかものすごく遠回りしているような気がするのだ。
右にほとんど引き返すみたいにして曲がって、登って行くと広場に出た。
このあたりで、どうも自分の位置がつかめなくなった。地図上でいったいどこにいるんだと思ってしまう。
ここには乗鞍岳の登山口があった。その指導標はあるのだが、その登り口はよくわからなかった。
指導標に従って駒ヶ峰を目指す。歩いて行くが、ますます位置感覚がつかめなくなった。
指導標が立っていて、右に黄瀬沼とある。そこに少し入ると池塘が広がっていた。このあたりからは、南八甲田山の眺めがすばらしい。
天気もいいし、この池塘が黄瀬沼なんだろうかと思いながら、ここで少し休憩した。
さて、駒ヶ峰に向かう。
沢を渡って、少し行くと駒ヶ峰の登り口があった。これでようやく地図上の自分の位置がはっきりした。
駒ヶには短い距離だが、かなり急な道を登る。
山頂直下に猿倉岳に向かう分岐があった。
山頂について、一息入れてすぐに猿倉岳に向かった。
急な道を下るとあとは、平坦な縦走路を行く。この道は気持ちがよかった。行く手に猿倉岳がだんだん近づいてくる。振り返ると駒ヶ峰。南八甲田というのは、広々としていて、高原を散策しているような気分になる。
猿倉岳の山頂はあまりはっきりしない山頂であった。
林の中で、こんなのだったら来るんではなかったと思ってしまった。
来た道を引き返して駒ヶ峰から下る。南八甲田の最高峰、櫛ヶ峰に向かう。
すぐに平原に出た。木道が続いている。すばらしい景色である。この湿原のあたりが「黄瀬萢」である。
八甲田というのは、本当にお花畑の広い湿原をいたるところに隠しているのだ。いい山だとつくづく思う。
湿原を通過すると、いよいよ櫛ヶ峰への登りになる。けっこうきつい登りが続く。
山頂からは下に木道が続く黄瀬萢を眺め、はるか向こうに北八甲田の山並みをみることができる。大満足の登山である。
さて、帰り道であるが、本当は来た道を引き返すしかないのだが、山頂で地図を眺めているうちに、乗鞍岳、赤倉岳と縦走して蔦温泉に下るプランをたててしまった。
山頂から急な道を下って、黄瀬萢を引き返す。
黄瀬沼への分岐があるはずだがと、右にあるはずの分岐に注意しながら歩いて行く。
その黄瀬沼の入り口は、私がきれいな池塘があるといって休憩したところであった。確かに指導標には黄瀬沼と書いてあった。私は分岐のすぐそばの池塘を黄瀬沼と思っていたのだ。
池塘からさらに奥に進む。
道が荒れてきた。登山道を背の高い草が覆い隠すようになる。これを掻き分けながら歩いて行く。
なんか心細い道を行くと、ようやく沼のほとりに着いた。
大きな沼であった。この沼畔には木道が続いている。この木道をたどって行くと、木道の途切れたところから、湿地の草地で、その中に踏み跡が続いている。
本当に心細くなった。
この頃になると、雲が湧き出してきて景色が見えなくなっていた。
これから登る乗鞍岳は完全に雲の中である。
はっきりしない踏み跡をたどって、いよいよ乗鞍岳の登りに入る。荒れた道である。あまり人が通らないのではないかと思う。道にかぶさる笹を掻き分けながらの登りになった。
けっこうきつい。時間が3時を過ぎている。もうやばい時間である。もう9時間歩いているのだ。
この乗鞍岳の登りは本当にきつかった。ようやく樹林から抜け出す。雲が流れて、一瞬下に黄瀬沼を見ることができた。ずいぶん登ってきているのだ。
傾斜が緩んだが、山頂にはなかなか着かない。
ピークらしきところに出たが、山頂の標識がない。ガイドブックによると山頂には大きな岩があるというのだが、それらしきものがない。道は再び樹林の中に入って、少し下り気味の道になった。山頂は通り過ぎてしまったのか、と思いながら歩いて行くと、行く手に大きな岩が見えてきた。これが乗鞍岳山頂であった。
思ったより時間がかかっている。
ここから赤倉岳に縦走したら、帰りは暗くなってしまいそうである。
悩んだが、一応赤倉岳に向かって歩き始めた。
ところがこの道もしっかりした道ではなかった。細い踏み跡が続いているが、それは草に覆われている。10分ほど進んだが、時間が遅いことも考えて、撤退することにした。
乗鞍岳山頂にもどって、ここから沢に沿った道を下った。
この沢筋を行く道はけっこう険しかった。疲れがつのっていることもあるのだが。
よやく平坦なところに出たら、ここは登ってくるときに、乗鞍岳の登山口と書かれていて、登り口が見つけれなかったところであった。
踏み跡がはっきりしない沢を登るんだから、よくわからなかったのだ。
あとは、暗くなる前に猿倉温泉にたどり着くだけである。
この道は長く感じた。
そして猿倉温泉直前で、地面に倒れた猿倉岳への指導標を見つけた。これを見逃したのだった。
猿倉温泉に着いたのは6時であった。

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猿倉温泉の登山口


平坦な道を延々と行く


矢櫃萢


乗鞍岳登山口


行く手に駒ヶ峯を見ながら行く


黄瀬沼入り口の池塘


駒ヶ峯山頂


猿倉岳山頂の三角点


黄瀬萢を行く


櫛ヶ峯山頂


黄瀬沼


乗鞍岳山頂


見逃した猿倉岳への分岐



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