2010年9月30日
今日から東北の山を少し登ろうと思っている。
山と渓谷社が発行している「東北百名山」は最近、新版が発行されて差し替えられた山がいくつかあるので、どんな山なのか登ってみようと思うのだ。そして、10年以上も前に登った山で、もう一度登りたい山もいくつかある。今回の登山は再登の山が多くなるはずだ。
まず最初に栗駒山に登ろうと思っている。
仙台の自宅を4時半に出て東北自動車道に入り、「若柳・金成IC」で降りた。でも、ここから登山口のイワカガミ平までは30km以上走らなければいけないのだ。
栗駒山周辺は2008年の「岩手・宮城内陸大地震」ですさまじい被害をこうむったのだが、電話で役場に確認したら、登山できるのだという。うれしい。昔登ったときは須川温泉からのコースだったので、今回は「東栗駒コース」を登って、帰りは「中央コース」を下るつもりだ。
イワカガミ平に着いたのは6時30分、すごく広い駐車場があった。このすぐ上にレストハウスがあるのだが、地震で大きな被害を受け、今は工事の真っ最中であった。
つい、一週間前まで上越の名山に登っていたのだが、そのときは暑くてどうしようもなかったのに、今日は寒いくらいなのだ。身仕度を終えて、歩き始めたのは6時35分。
レストハウスに続く急坂の上り口には登山道案合板があって、それによると通行不可のコースがけっこうあるのだ。私が歩こうとしている道は大丈夫であった。
案内板のすぐ先に東栗駒コースの入口がある。でも、その道がすごく荒れていて、本当にこの道でいいのか心配になってしまうのだ。コンクリートで固めた道だったようなのだが、今はそれが崩れてボコボコになって、そこに水が流れている。すぐに大きな岩がこの溝を埋めるようになって、とんでもなくきつい道になった。登山道はレストハウスのすぐ横を通るのだが、工事中で立入禁止の柵が置かれていた。
岩だらけの溝を登って行くのだが、岩がなくなったと思うと滑りやすい赤土の溝になる。足下に気をつけて歩かなければいけない。大きな岩を乗り越えるところにはロープが下がっていた。
30分ほど溝の中を登って行くと、ようやく溝が浅くなって、行く手の展望が開けるようになった。山頂との高度差はあまりないようで、緩やかな裾野が広がっている。そして、その裾野は鮮やかな紅葉に彩られているのだ。
ほとんど平坦なハイマツの絨毯の中を歩いて行くと、しだいに道は右に曲がっていって、下りになった。流れの音が大きくなったと思ったら、ナメの沢が見えてきた。登山道はこの沢の岸まで下るのだ。
この沢が新湯沢で、すばらしくきれいなナメをつくって流れている。北海道のトムラウシに登ったときに遡った「クワウンナイ沢」を思い出してしまった。感動的な眺めである。
ここからは、この新湯沢の中を登って行くのだ。何度か徒渉を繰り返す。大きな岩を乗り越えたり、流れを飛び越えたりと、けこう大変なのだ。
ガイドブックでは、新湯沢を100mほど遡ると書いてあるのだが、もっと長く感じた。立ち止まって写真を撮ってばかりいたためでもあるのだが…。
大きなナメ滝の前に着くと、ここからは左岸を行くのだ。ナメのきれいな流れを見ながら登って行くと、右に登山道の入口があった。新湯沢を遡ったのはわずか15分だけであったが、今回の栗駒山登山の一番の収穫だったと思う。
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