私の東北の山百選
いわきさん

標高 1625m
赤倉神社→30分→行者小屋→40分→叔母石→30分→鬼の土俵→15分→大開→30分→赤倉山→40分→岩木山山頂→30分→赤倉山→40分→鬼の土俵→25分→叔母石→50分→赤倉神社

岩木山は私の故郷の山である。この山へは百沢コースを登るのが一般的なのだが、今回は赤倉コースを登ってみた。石仏がたくさん置かれたすばらしかった。絶対にお薦めである。
赤倉山手前のお堂から仰ぐ岩木山山頂

 登山口から伯母石へ 岩木山の想い出


この橋を渡ると登山道


登山道に鳥居がたっていた


行者小屋


登山道には石仏が並ぶ


石仏がたつ道


伯母石の石仏

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200972

今日は岩木山に登る。私のふるさとの山である。もちろん登ったことがあるのだが、そのときは岩木山神社登山口から登ったのだ。そこで、今回は北側の赤倉神社から登ろうと思う。昨夜は暗くなってから赤倉神社に着いて、神社の近くに車を停めて寝た。
明るくなって、この神社を確認したら、微妙に名前が違う。
もう少し林道を走って行くと、本当の「赤倉神社」があった。でも、この横には「津軽赤倉山神社」があって、こっちの神社の方が大きくて立派であった。
身支度をして、歩き始めたのは1738分である。空は白い雲に覆われている。今日の天気予報は曇り時々晴れなのだ。なんとか山頂では晴れていてほしいと思う。
神社の本殿の左に、さらに林道は続いている。これを少し歩いて、ガイドブックを確認したら、すぐに赤倉沢を渡ると書いてあった。沢の音が左にするので、引き返して左の道に入ると、その先に白い手すりついた橋が見えた。これが登山口のようである。登山道の標識がないので、間違えてしまう。
橋の手前は広場になっていて、祠や石仏やらが囲んでいる。岩木山はもともと信仰の山なのだが、この赤倉コースは、さらに宗教色が強いような気がする。
橋を渡ると、ブナの林の中を緩やかに登って行く。道は林道のように広くて、道には踏み石のようにブロックが並んでいる。階段にもなっているのだ。
鬱蒼とした林の中を200mほど歩くと、行く手に神社が見えてきた。赤倉山神社であった。さらにブナ林の平坦な道を行くと、森の中に赤い鳥居がたっている。本当に、この道は神社の参道そのものなのだ。
鳥居から300mほど行くと再び赤い鳥居が見えてきて、家が建ち並んでいる。これが行者小屋のようである。宿泊施設の前を過ぎて、ターンして山道に入る。
石の階段を登るとすぐに尾根の上に出て、そこには石仏や碑が並んでいた。この中の観音像には一番と刻まれている。これから歩く登山道には一番から三十三番までの石仏がたっているのだ。赤倉山山頂が三十三番ということである。これはけっこう目安になる。

樹木の繁る尾根を緩やかに登って行くと、一番から3分ほどのところに二番の石仏がたっていた。この調子で、石仏を確認しながら登って行くのだ。道にはツツジが咲いていてすばらしくきれいであった。
石仏の番号を確認しながら尾根の道を行く。六番を過ぎると、すばらしいブナの林が広がった。若いブナの木が密集して生えている。鮮やかな緑のすごくきれいな林である。でも、登りは急になった。
ブナの林を見上げながら、急な道を登って行く。この頃、ブナ林に日が射すようになった。朝は曇っていたのだが、晴れてきたのだ。

坂の途中に七番の石仏がたっていた。さらに急な登りは続く。急坂の道の真ん中に九番の石仏があった。手ぬぐいで頬かむりさせられているのだが、その顔がすごく端正で、ガンダーラ仏みたいであった。頬かむりを外して写真を撮ってしまった。
灌木が茂る濃い緑の中を登るようになった。ブナ林は過ぎたようで、頭上も明るくなっている。
灌木と笹の間の細い道を行くと。大きな岩の前に着いた。この巨岩が伯母石である。
この分岐に一体、伯母石の右奥に二体の石仏があった。よく見たら、それぞれに番号がふってある。等間隔に三十三体が置かれているわけではないのだ。



 赤倉山
巨岩が重なる尾根を行く


鬼の土俵


曲がりくねった枝の松の道


大開き


お堂があった


巨岩の重なるピーク


赤倉大権現の石碑、ここが山頂


伯母石の前で道は左折する。すぐに岩がゴツゴツする登りになって、頭上には巨岩がそそり立っている。この巨岩の横を上ると、大きな岩が累々とする尾根に出た。あまりにも険しい道なので、道を間違えたのではないかと思った。ガイドブックを確認したら、伯母石から道は左右に分かれていて、やがては合流するらしい。それなら安心である。岩稜をたどると、石仏がたくさん置かれたピークに着いた。いかにも修験道の山である。展望が開けて、行く手に岩木山山頂が見える。(見えているのは山頂ではないのだが…)

いくつもの大きな岩を越えて尾根をたどるとシャクナゲが咲いているのを見つけた。岩木山も今が花の時期のようである。
樹林の中に下ると石の祠があって、右からくる道に合流した。この先は歩きやすい道に戻った。ブナと灌木の林を登って行く。日が射して緑が輝いている。
笹藪が目立つようになって、それが道に覆い被さっていて、掻き分けながら登らなければいけない。
樹林から抜けだすと展望の尾根で、少し行くと御堂や石仏が並ぶ「鬼の土俵」に着いた。ここには171819番の観音像がたっていた。不動明王像もあったが、これは番外のようである。
鬼の土俵からはすばらしい展望が広がっていた。朝は曇っていたのに、すっかり晴れているのだ。行く手には崩落した絶壁を持つピークが見える。岩木山はすごいと思った。(でも、これは岩木山山頂とはまったく関係なくて、赤倉山から北西に延びる尾根の途中にある赤倉沢源頭なのだ)
この先、赤倉山に向かっての急登が始まるので、長目の休憩をした。
鬼の土俵から笹藪の間を行き、すぐに灌木の間を急登する。道には異様にねじれた枝を持つ松があちこちで見ることができる。ハイマツだろうか…。
途中にあった二十番の石仏は真っ二つに折れていた。痛ましい。

時々展望が開けると、その度に赤倉源頭が大きく迫ってくる。標高差もあまりなくなってきた。(これで山頂とはまったく違うことに気がついた。)
灌木から抜け出して、展望の開けた尾根を行くと、「大開き」に着いた。ここには222324番の観音像が置かれていた。ここに着いたとき、赤倉源頭には雲がかかっていて、今日はもう展望はダメなのかと思っていたら、次第に雲が薄れて、はっきりと見えるようになった。すばらしい眺めである。うれしくなってしまった。
行く手に赤倉源頭を見ながら、ルンルン気分で歩いて行く。灌木のトンネルに入って急登する。
灌木から抜け出すと、笹と背の低い草木が絨毯のように広がって、その奥に三つのピークを持って鋭く聳える山が見える。これが岩木山山頂であった。丸い丘に向かって緩やかに登って行くと、その頂には御堂がたっていた。ここが赤倉山かと思ったらそうではないのだ。
御堂の後ろに踏み跡が続いていて、指導標には赤倉源頭と書いてあった。少し行ってみたが、険しそうなので引き返した。
御堂からは岩木山山頂の眺めが本当にすばらしい。これに登るのかと思うと、本当にうれしくなってしまうのだ。
岩木山山頂に向かって緑の稜線が続いているのだが、この途中のピークが赤倉山である。岩木山と赤倉山の鞍部には雪渓が見えた。あれを横切ることになったら、ちょっとヤバイ。(不安は的中で、この雪渓を恐る恐る登ることになるのだ)
この頃から、道に濃い桃色の花がたくさん見られるようになった。この花はミチノクコザクラといって、岩木山の特産種なのだ。
赤倉山に向かって、草原の尾根を行くと、4体並んで立っていた。28293031番の観音像である。山頂間近になったものだから、めんどうになって、ここに並べてしまったのかと思ってしまった。
灌木の茂る尾根の右を歩いて行くと、行く手に岩山が見えてきた。巨岩が重なるピークである。この前に着くと、3233番の石仏があった。三十三番の立つところが山頂のはずなのだが、ここは岩山の下である。累々とする巨岩を上ってみようかと思ったが、上には何もないようなので止めた。
さらに灌木の間を歩いて、尾根を回り込むと広場に着く。大きな聖観音像がたっていて、その少し先には赤倉大権現の大きな石碑が立っている。聖観音が立つところが山頂とあるので、ここが赤倉山山頂のようである。ここからは目の前に、岩木山山頂が鋭く聳えている、すばらしい眺めだ。



 赤倉山から岩木山山頂へ
雪渓に出てしまった


二つ目の雪渓


岩木山頂への最後の登り


登山道を振り返る


赤倉登山口の標柱


岩木山山頂


稜線の右を歩いて行くと、雪渓が近づいてくる。どうか雪渓を捲いてくれと祈ったが、もろに雪渓の前に出てしまった。雪渓の端を歩いて行ったが、とうとう雪渓を上るしかなくなった。慎重に雪渓を上って行く。途中に石の地蔵様が
2体並んでいて、ここで雪渓を離れるのかと思ったらそうではないのだ。登山道を探しながら、さらに雪渓を上って行くと、登り切ったところに登山道があった。雪渓を無事歩き終えたと思って喜んだのだが、再び雪渓が現れた。今度のは小さいのだが、傾斜が急である。どうしようかと思ってしまう。軽アイゼンは車に積んであるのに持ってこなかった。今更悔やんでもどうしようもない。仕方がないので、雪渓の端に灌木や笹が生えているので、これにつかまって上ることにした。雪渓はけっこう硬くて、靴を蹴込んでも足がかりは簡単にできない。革靴ならよかったのだが、布製の軽登山靴ではどうしようもない。必死で灌木や笹につかまって上って、ようやく土の登山道に着いた。ほっとした。帰りはもっときついかもしれない。
見上げると首が痛くなるような急な登りが続く。振り返ると、赤倉山の稜線が緩やかに連なっているのが見えた。
ようやく傾斜が緩まって、痩せた尾根を行くようになる。行く手に高く岩木山山頂が聳え、左には険しい岩山が見える。尾根は緩やかに下って行く。見ると、ここは岩木山の火口跡なのだ。岩の屏風の右を通って、いよいよ最後の登りが始まる。すごく急な登りの連続である。でも、登山道にはアオモリコザクラが群落をつくって咲いていて、すごくきれいなのだ。たくさん写真を撮ってしまった。
振り返ると、下には火口跡の顕著な地形が広がっている。見上げる山頂の上には真っ青な空。感動的な登山である。
ようやく傾斜が緩まって、巨岩が累々とするようになると「大石赤倉登山口」という大きな指導標がたっていて、その先に小屋が見えた。その右にはりっぱな神社が見える。岩木山神社奥宮である。まず、ここにお参りした。
小屋の跡と思われる壊れたコンクリート壁を回り込むとピラミッド型の山頂標識があった。このピラミッドの中には鐘が吊ってあるのだ。
私が登ってきた北側は、雲海に覆われて下界は見えないのだが、南側は展望が広がっていて、リフト駅や八合目駐車場が見えた。
山頂にある三角点は一等三角点である。大町桂月の歌碑もあった。
山頂で休んでいると、横浜から来たという登山者と話し込んでしまった。結局、山頂には1時間近くもいてしまった。
下山開始は1020分、どんどん下って行く。厳しいだろうと思っていた雪渓の下りは、日が高くなって雪が柔らかくなったこともあって、意外と苦労せずに下ることができた。
赤倉山を過ぎる頃に雲が湧き上がってきて、まったく何も見えなくなった。
鬼の土俵から下って行くと、伯母石への分岐があったので、今度は左の道を行った。上りでは尾根の上をたどったのだが、こちらは樹林の中を行くのだ。でも、同じように岩が累々としていて、大変さは変わらないような気がした。この道に1112番の石仏があった。
伯母石からは走るように下って行く。一番観音像から少し下ると行者小屋で、あとは広い緩やかな道を歩くだけである。
登山口の赤倉神社に戻ったのは1242分であった。

今日は青森発1845分のフェリーで函館に渡るつもりだが、時間は十分である。北海道は明日から晴れが続く。やっぱり梅雨の時期は北海道に行くしかないのだ。


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