6月15日
今日は祝瓶山に登る。
祝瓶山は朝日連峰の南に位置する山である。もちろんこの山から大朝日岳に向かって縦走することもできる。
目を覚ましたのは4時半。
食事をして、テントを畳んだら出発は6時になってしまった。
林道を歩いて行く。行く手には祝瓶が大きい。
すぐに車の通れないガタガタの道になって、登山道の入り口に着く。ここに大きな注意書きが掲げられていた。
私の予定では桑住平から直登して山頂に至り、帰りは赤鼻尾根を下るつもりだった。ところが、この直登コースの山頂直下の崩落が激しくて、赤鼻尾根を行ってくれと書かれていたのだ。どうしようと思ってしまった。かなり落石を覚悟しなければいけないらしい。潔く直登コースはあきらめることにした。
赤鼻コースを往復することになるが仕方がない。私は臆病なのだ。
登山道に入るとすぐに吊り橋(カクナラ橋)がある。ガイドブックによると、この橋は冬の間、橋に懸けられた板を外しているのだそうだ。板があるかどうか心配であったがちゃんと板は渡してあった。
この吊り橋のところにも看板があって、今度は熊注意とあった。この山域は朝日連峰の深い山のなかである。熊もいるだろうと思ってしまう。
吊り橋は少し傾いていて、いかにも危なっかしい。恐る恐る渡った。
ブナ林の中、真っ平らな道が続く。歩き始めて50分ほどで「桑住平」に着いた。ここが赤鼻コースと直登コースの分岐で、左に沢を渡ると直登コースである。私は直進して、赤鼻コースを行く。
直登コースだと三角形の一辺を行く形なのだが、私が行く赤鼻尾根のコースは三角形の二辺を巡るずいぶん遠回りのコースなのである。
少し行くと沢を渡って、ここから尾根に取り付く。これが赤鼻尾根である。
急登が続く。それでも視界は意外と開けていて、左には高く聳える祝瓶をいつも眺めることができる。つくづく、この祝瓶はいい山だと思う。鋭く切り立った三角形で、山頂直下は切り立った岩壁である。
ようやく傾斜が緩やかになると、大朝日への縦走路とぶつかる。右に尾根をたどると朝日岳に至るのだが、祝瓶山は左である。
稜線に登り着いたところで少し休憩。それにしても、ここからの眺めはすばらしい。
|