BACK 有珠山
2010年7月5日
函館からフェリーで大間に渡った。青森までだと4時間近くかかるのだが、大間までだと1時間半なのだ。函館を17時に出港して、大間には16時半に着いた。本州最北端の大間岬に行ってみたかったが、暗くなり始めていたので、明日の登山予定である縫道石山に向って車を走らせた。
途中、願掛園地があったので、ここに車を停めて寝た。
7月6日
願掛園地から下って振り返ると、ここはすさまじい巨岩の岬であった。
福浦から林道に入って車を走らせると、行く手に鋭い岩峰聳えている。これが縫道石山なのだ。天気はあまりよくなくて、霧雨が降っている。なんとか天気がもってほしいと願いながら5kmほど走ると登山口に着いた。登山口には宮城県ナンバーの車が1台停まっていた。身支度を終えて歩き始めたのは6時半である。
登山道入口には「熊除鈴貸出箱」があった。この山には熊が出るのかと怖くなった。
登山口からは自然林を緩やかに登って行く。15分ほど歩いたら、道の左が切り開かれていて、そこから縫道石山の大岩壁を眺めることができた。すごい絶壁を持つ山で、どうしたらこの山に登れるんだと思ってしまうのだが、登山道はこれから絶壁の後ろに回り込んで樹林の急斜面を登るのだ。
天気がぱっとしないのだが、この大絶壁を眺めることができたのだから、山頂は雲の中であってもかまわないと思った。
この先、道は下りになってしまうのだ。山頂は登山道の左に見えていて、間違った道を歩いているのでないかと心配になってしまう。道が平坦になるとT字路に着いて、右が野平、左が山頂という指導標がたっていた。
このすぐ先に再び指導標があって、山頂へは右折する。直進方向は福浦への道らしいのだが、廃道になっているのだそうだ。
ここから登りはきつくなる。檜の林と思ったら、これはヒバなのだそうだ。緩急の登りが続く。道にはけっこう倒木が多くて、くぐったり乗り越えたり、迂回したりしなければいけなかった。
だいぶ縫道石山が近くなったあたりで、ふと頭上を仰ぎみたら、すさまじい大絶壁がそそり立っていた。大迫力である。
さらにヒバの林を急登すると、大きな岩がたつ尾根の上に着いた。この岩はついたてのように長くて、この右を捲くと、岩混じりの急な尾根の登りになった。道には木の根が網のように張り出していて、これにすがって登って行くのだ。
登山道の右は岩壁になっていて、顔が引きつってしまうような岩場の急登が続くのだ。行く手には山頂から垂直に切れ落ちる絶壁が見える。
ようやく樹林から抜出したら、そこはスラブの平坦地であった。山頂の一郭である。7時半になっていた。こんなすごい山なのに1時間で登れてしまうのは奇跡のような感じである。山頂はこの左の少し高いところで、そこに登山者が休んでいた。登山口で見た宮城ナンバーの車の人であった。
岩のテーブルが重なっていて、これを越えて、山頂標識の置かれたピークに着く。ともかく山頂からはすぐに切れ落ちていて、すごい高度感である。足が震えてしまうのだ。
休んでいたら、雲が晴れてきて、一面の樹海の中に林道が見えた。
あとは登ってきた道を引き返すだけである。
さすがに山頂からの岩場の下りは、三点確保で慎重に下った。あとは走るように下って、登山口に戻ったのは8時45分である。
車に戻ったときにちょうど雨が強く降り出した。滑り込みセーフ…。
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1995年の登山記録
函館〜大間のフェリー
願掛園地
登山口
樹林の登山道を行く
野平との分岐
大きな岩が立つ尾根
ようやく山頂の岩に着く
縫道石山 |