BACK 田代山
1995年10月1日
藤里駒ケ岳は白神山地の一角にある山である。私は黒石沢登山口から登った。
二ツ井から山に向って車を走らせてゆくと、途中に「岳岱」という案内があった。これはブナの森の中につけられた遊歩道なのだ。帰りに立ち寄ることにして、登山口に急ぐ。
歩き始めたのは8時半である。
登山口からは、登るのではなくて、まず下ってゆくのだ。ブナの林の中を10分ほど行くと木道になって、「藤駒湿原」という案内があった。
笹藪から抜け出すと湿原が広がっていた。この湿原はミズバショウやニッコウキスゲがすばらしいのだが、今は晩秋である。湿原は褐色に染まっていた。花のきれいな時期に再訪したいものである。草原の中に続く木道をのんびりと歩いて行く。
湿原を過ぎると、樹林の中に入って急登が始まる。冷水岳から藤里駒ケ岳に連なる尾根まで登るのである。
ブナのの林の中の登りである。紅葉が始まっていて、すばらしくきれいである。なにかしら、うれしくなってくるのだ。
30分ほど急登を続けて、最後に沢の流れを越えると尾根に登りつく。ここには指導標が立っていて、冷水沢コースと合流するのだ。
ここで左折して山頂に向って登る。
この登りはめちゃくちゃにきつい。
山頂に着いたのは9時45分であった。山頂には四角の木の柱に藤里駒ヶ岳とかかれた指導標がたっていた。
山頂は細長くて、そこには素晴らしい展望が広がっていた。
まず目につくのが、北に聳える岩木山である。私は津軽の生まれなので、津軽平野から見る三つの頂をもつ岩木山に慣れ親しんでいるのだが、ここからみる岩木山は一つの三角峰なのだ。
北西には鬱蒼とした樹林に覆われた山塊が広がっている。これが白神山地である。
すごいブナの原生林である。眺めていて見飽きることがない。さすがに、世界自然遺産である。
最後に山頂の片隅に置かれた祠に手を合わせて、それから下山した。
帰りは、のんびりとブナの林を鑑賞しながら下った。
帰りは「岳岱」に寄って、遊歩道を歩いた。すばらしいブナの原生林である。ブナの森を歩くのはひどく心地よい。ブナの林には人の心を癒すはたらきでもあるのだろうかと思ってしまう。
今日は、ブナの森をめいっぱい楽しんだ一日であった。
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黒石沢登山口
藤駒湿原入り口に着く
藤駒湿原
冷水沢コースとの分岐
藤里駒ケ岳山頂 |