BACK 田代岳
2010年10月7日
蟹田のゆとり駐車場に泊ったのだが、夜中にパトカーがやってきて、職務質問を受けてしまった。普段、停まっていない駐車場に県外ナンバーの車があるので、不審者と思ったらしい。私自身、無精ひげでいかにも怪しげなのだが…。
今日の天気予報は午前中は曇りで、昼から晴れるらしい。遅めに出発しようと思ったが、結局6時半には駐車場を出てしまった。
平舘の市街地に入ると左にスキー場が見えた。登山口からはまずスキー場ゲレンデを登るはずなので、そちらに向かう。スキー場の前は整備された公園になっていて、ちゃんと駐車場もあった。登山口には東北自然歩道の指導標が立っていた。
私は昨年、袴腰岳に登ろうとしてここまでやってきたのだが、登山口がどうしてもわからなかったのだ。こんな明白な指導標があるのにどうして気がつかなかったのだろう。
車の中で1時間ほど時間をつぶした。駐車場に日が差し始めたのだが、山にはどんよりとした雲がかかったままである。でも、この調子なら山頂に着く昼までには晴れるだろうと思って、出発することにした。
登山口から歩き始めたのは8時5分である。指導標にはオドシ山まで800mと書かれていた。
スキー場は茫々としたススキの原で、これを切り開いた道が続いている。前回来て登山道がわからなかったのは、このススキの原が切り開かれていなかったからだということを思い出した。
いかにも最近切り開いたばかりのようで、道には笹やススキの切り口がいっぱいで、足の感触で道が固まっていないことがわかる。この急な登りの途中から振り返ると、海の向うに下北半島が見えた。下北半島の上にはまっ青な空が広がっているのだが、私が登って行く方向はどんよりとした雲である。
10分ほどでゲレンデの登りが終わって、樹林の中に入る。東北自然歩道の標識がたっていて、ここからは傾斜が緩まった。
緩やな尾根を登って行くと、すごく急な階段が現われた。でも、さすがに自然歩道、急なところには丸太で階段道にしているのだ。この階段の上りは長かった。すさまじく急な登りがようやく終わった…と思ったが、緩やかな登りは続いて階段も続いている。これは段差が小さくてラクだと思っていたら、再び急登になった。この急な階段を上りきったところがオドシ山山頂であった。樹林の中で展望はなくて、東北自然歩道の新しい標識がたっていた。
オドシ山からは緩やかに下って行く。きれいな雑木林の尾根を行くのだ。
再び登りになると、タケノコ平まで1.9kmと書かれた指導標がたっていた。このように地点名を書いた指導標はこれだけであった。
登りがきつくなって、これを登り切ったところが赤松峠であった。赤松峠と書いた標柱の横には、名前の通りの大きな赤松が聳え立っていた。
ここからはすばらしいブナ林の尾根を行く。木の幹に何かしら打ち付けてあるので読んでみたら「動植物持ち帰り禁止」と書かれていた。動物の持ち帰りもあるのかと、感心してしまった。
ブナの巨木の痩せ尾根を過ぎて、ブナ林の広い斜面を行くようになったら、「尾上」という標識のある平坦地に着いた。文字が薄れてしまって読みにくいこの標識は、私が1994年にこの山に登ったときにあったものであった。なんかうれしくなった。
さらにブナの広い尾根を歩いて行くと、道の両側には背の高い笹が茂るようになった。この笹は次第に覆い被さるようになって、ついには猛烈な藪コギになってしまった。
樹林から抜け出して展望が広がった。でも、道はすさまじい笹藪である。このあたりからは丸屋形岳と袴腰岳を展望できるというのだが、二つの山には雲がかかっていた。帰りにはこの雲が晴れていてほしい。
猛烈な藪こぎが続く。昔登ったとき、こんな藪こぎはなかったはずなのに。
展望の尾根から檜林に入ったら、ようやく藪こぎは終わった。ほっとして檜林を歩いて行ったのだが、これがブナの林に変わると再び猛烈な笹藪になった。笹をかき分けながら歩いて行って、緩やかな下りになると、林の中に標識が見えてきた。ここがタケノコ平で、東北自然歩道の標柱が立っている。でも、この後ろに昔の標識も残っていた。ちゃんと漢字で「竹の子平」と書いてあるのだ。
ここから左に下って行く道があって、「さい沼4.2km」という指導標がある。私のガイドブックには「以前には源四郎沢から登ってくる道があった」と書いてあるのだが、その道が復活したのだろうか。
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