BACK 浅草岳
2005年10月26日
さて、次は蒲生岳に登る。ここから只見の町を過ぎて、さらに北上する。車を走らせて行くと、行く手にすさまじく尖った山が見えてきた。これが蒲生岳なのだ。
会津のマッターホルンとも呼ばれる山なのだ。こんな尖塔のような山にどうしたら登れるんだと思ってしまう。
道路沿いに登山者用の駐車場があった。目の前に蒲生岳が聳えている。ワクワクしてくる。
登山口の案内に従って歩いて行く。途中から指導標がなくなって、右に神社が見えたのでそこに向かった。踏切がない線路を渡って石段を登ると二荒山神社であった。ガイドブックにはここが登山口と書かれているのだが、その道がない。仕方がないので再び広い道に戻って、会津蒲生駅にの方に歩いて行くと、踏み切りを渡ったところに登山口の標識があった。ここは久保登山口になるのだ。この登山口には長寿の泉上原清水があった。ここでポリタンに水を補給した。
登山口から樹林の中に入って、緩やかに登ってゆく。山腹を右に巻くように歩いてゆくのだが、途中、柵で通行止めにしてある道があった。このすぐ下に神社が見える。さっき私が登山口を探した神社であった。
樹林の中を急登すると、樹林帯から抜けて、岩盤の上を登る道になる。スラブの上を登って行くのだが、足場がちゃんと刻まれていて心配はなかった。
この岩の道を登って行くと、松林の中に入る。大きな看板で夫婦松と書かれていて、山頂まで550mとある。二本の松が寄り添うように立っている。距離ではここが半分の地点である。ここで少し休憩した。浅草岳の登山で疲れが残っているようだ。
松林から抜けると、行く手にはすさまじい岩峰が聳えている。この岩峰に向かって急な斜面をロープにすがったりして登ってゆく。この岩峰の基部が分岐になっている。左が「岩場コース」、右が「鼻毛通しコース」である。私はガイドブックに従って右のコースに入った。岩場をロープにすがって登ってゆく。登山道は二つの岩峰の間を抜けて行くようである。分岐があって、右に鼻毛通しと書かれている。いって見ると大きな岩の間に穴が開いていて、昔はそこに松が穴を通り抜けるように生えていたのだそうだ。それが鼻毛のようだから「鼻毛通し」というのだそうだ。いま、松はない。
分岐に戻って急登を続ける。ともかくすごい登りである。鼻毛通しから10分ほど登ると「風穴」があった。地元の人がこの洞窟を30mほど下ったことがあるそうだ。すさまじく深い穴なのだ。覗いてみたが、真っ暗で下はよく見えなかった。
さらにロープにすがって急登を続けて、宮原コースの分岐に着く。この道は地震で崩落があって、今は通行止めになっているのだそうだ。
山頂に着いたのは2時5分であった。やっと着いたという感じである。登山口から1時間15分だけの登りだったのに、なにかしら異様に疲れた。山頂からは下の町並みがいい。ミニチュアのように見える。
私は岩場コースを下ろうと思っている。下山コースの表示がなかった。かなり危ない道のようである。緊張してしまう。
ドキドキしながら下山を始めた。
松が生える、急な道を下る。岩場ではないのだが、すさまじく急な道である。木の枝や根につかまって慎重に下って行く。途中鎖場もあって、かなりすごい道である。一番、怖いなと思ったのは岩壁を横切るところだ。
鎖にすがって、急降下して、斜めに岩場を下ると鼻毛通しとの分岐に着いた。ほっとした。
ここからは登ってきた道を戻るだけである。
林の中に入って、神社からの道の通行止めの柵の前についた。どんなものかこの道を行ってみることにした。道はしっかりしているのだが、草が覆いかぶさっている。それが棘のある藪で、これを掻き分けて下る。神社の前に着く。
石段を下って、駐車場に戻ったのは3時40分であった。
次の志津倉山を目指す。
登山口に着いたのは、もう薄暗くなっていた。車の横にテントを張った。今日は足を伸ばして眠るのだ。車のガソリンがない。ランプが点っているのだが、明日、大丈夫だろうか。おまけに水も残り少ない。
心配だらけである。
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登山口駐車場から蒲生岳
二荒神社、ここに登山道はなかった
長寿の泉、上原清水
久保登山口
最初は樹林の中を行く
岩盤を登る
夫婦松、ここが中間点
鼻毛通しコースと岩壁コースの分岐
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