私の東北の山百選
ばんだいさん

標高 1819m
猪苗代スキー場→1:20→天の庭→20分→鏡ヶ沼→20分→沼の平→30分→三合目天狗岩→20分→弘法清水→30分→磐梯山山頂→20分→弘法清水→40分→沼の平→30分→天の庭→1:00→猪苗代スキー場

磐梯山はいわずとしれた会津の名峰である。猪苗代湖からは秀麗な姿なのだが、裏は爆裂火口壁をもって聳えるすさまじい迫力の山なのだ。
鏡ヶ沼と磐梯山

 猪苗代スキー場から天の庭へ 1989年登山記録

猪苗代スキー場


登山道の標識がある


行く手に磐梯山がそびえる


急な登り


リフト終点に着いた


右折して隣のゲレンデへ


ススキの間を登る


天の庭

BACK 日留賀岳

20081014

家を出たのが先月の20日だったから、もう25日間も過ぎてしまった。今日の登山を終えたら家に帰ろうと思う。携帯の天気予報では午後から雨になるのだ。

今回の登山旅行最後に登るのは磐梯山である。以前この山に登ったのは1989年だったから、もう20年近くなるのだ。そのときは裏磐梯スキー場から登ったので、今回は猪苗代スキー場から登ろうと思う。
昨日は猪苗代スキー場の広い駐車場で寝た。朝、空は白い雲におおわれていたが、明るくなるにつれて青空が見えるようになった。今日は天気が崩れる前、昼頃までに登山を終わらせるつもりなので、6時に出発することにした。
駐車場から車をスタートさせて、登山口を探した。スキーのゲレンデがたくさんあって、どこから登ったらよいのかわからない。でも、ガイドブックにスキー場の作業道路を上ると書いてあったので、カーナビで上に伸びる細い道を見つけてその前に行ったら登山口の指導標がたっていた。
登山の準備を終えて振り返ると、下には猪苗代湖が雲海に覆われて広がっていた。すごくきれいである。
見上げるとスキー場の急斜面の上に磐梯山の切っ先がのぞいている。あそこまで登らなければいけないのだ。すごく遠そうだ。

まずスキー場の広いゲレンデを登って行く。道は左の方へ向かって行って、登山口から正面に見たゲレンデではなくて、その隣を登るのだった。砂利の作業道路がゲレンデの中に緩やかに続いている。最初は緩やかな登りだったのが、だんだん傾斜がきつくなってくる。スキー場を登るといっても、山道を登るのかわらない傾斜のきつさである。
登って行くにつれて展望が広がって、猪苗代湖がすごくきれいである。
作業道路は右に曲がると傾斜が緩やかになって、まるで林道を歩いているようになった。
作業道はゲレンデにつくられたレストハウスに続いているのだが、その手前で左折する。ここからはゲレンデの草原の踏み跡を登って行くのだ。
滑降コースは樹林で区切られているのだが、林は紅葉していてそこに朝日があたってすごくきれいであった。きつい傾斜の奥には磐梯山の三角峰も見えている。
コースは隣のゲレンデと交わるが、再び左のコースを上って行く。すごい登りになって、息が切れてきた。
コースは右にカーブしながら続いて、ようやくリフト終点が見えてきた。リフトの上から山道に入るのかと思ったら、そこで右折して隣のコースに出る。その先はススキの急斜面を登るのだった。
ススキを掻き分けて、急な斜面を登って行く。斜面の上には真っ青な空が広がっていて、今日は快晴である。山頂からの展望が楽しみである。(天気予報では午後から雨のはずなのだが)
ススキの道が緩やかになると行く手になだらかな山が近づいてきた。これが赤埴山である。

ススキから広場に飛び出すと、そこには「天の庭」と書かれた指導標があった。ここが一合目なのだ。でも、腕時計の高度計で標高を確認したら1200mを越えている。登山口の標高が700mほどだったから、500mもの高度を稼いだことになる。磐梯山の標高は1818mだから半分近くもの高度を稼いだことになるのにまだ一合目かよ!と叫びたくなった。このさきどんなすごい登りがまっているんだと心配になってしまうのではないか。
でも、あとで考えて気がついたのだが、磐梯山は明治に大噴火を起こしていて、そのとき山頂の多くを吹き飛ばしてしまったのだ。昔の標高は2000mを越えるものだったのだ。だから、この合目というのは、噴火で山頂部を吹き飛ばされる前のものなのだ。だって、山頂直下の標高1600mの弘法小屋で四合目なのだから、山頂は五合目くらいにあたることになる。



 天の庭から弘法小屋へ 展望の巨岩があった


大きな岩の道を登る


赤埴山への分岐?


鏡ヶ沼


行く手に櫛ヶ峰が迫る


渋谷登山道との分岐


稜線に着いた


弘法小屋が見えた


天の庭からは、その名の通りのきれいな景色が続いた。とくに今は紅葉まっさかりですばらしくきれいなのだ。そして道には多くの巨岩が点在していて、それが紅葉と一緒になって美しい景観をつくりだしている。

道端に舞台のような大きな岩があって、ここからは磐梯山を間近に仰ぐことができた。山腹は錦の紅葉に彩られ、山頂部は岩峰である。晴れた日に登って本当によかったと思った。
登山道は赤埴山の山腹をトラバースしてゆくので、ほとんど平坦な道が続く。紅葉のトンネルの中を歩いて行くと、時々樹林がとぎれて、そこからは紅葉の磐梯山を眺めることができるのだ。楽しい道である。
時々、日本庭園のように岩が散らばるところもあって、目を楽しませてくれる。

一合目から25分ほど来たところに指導標があった。左の道を行くと赤埴山へ登れるらしいのだが、その標識の文字はロープをグルグル巻きにして見えないようにしていた。通行止めのようである。
紅葉のトンネルの道が続き、見上げる磐梯山はしだいに形を変えてきた。ずうっと紅葉の広がる斜面を見てきたのだが、しだいに火口壁の絶壁が見えるようになったのだ。すさまじいばかりの険しさである。そしてこの磐梯山から右に少し離れたところに大きな山塊が見える。これが櫛が峰であった。
赤埴山のトラバースが終わると展望が広がる。ダケカンバの林などを眺めながら歩いて行くと、左下に沼が見えた。道があるので沼畔に下ってみると鏡ヶ沼という標識がたっていた。ここから眺める磐梯山は本当にすばらしかった。紅葉に囲まれた美しい沼で、水面に磐梯山が写っていた。何枚も写真を撮ってしまった。
景色を楽しみながら平坦な道を歩いて行く。右には紅葉の囲まれた巨岩がそそり立っていて、これがまたすごくきれいである。シャッターを押し続けながら歩くことになった。
鏡ヶ沼から20分ほど歩くと、左には草紅葉の草原が見えてきた。右には紅葉に囲まれた沼を見ることができて、少し行くと「沼ノ平」とかかれた指導標があった。登山道から左に踏み跡を入ると、広い草原の上にすさまじい絶壁をもって聳える磐梯山を眺められた。すごいと思ってしまうのだ。
沼の平から歩いて行くと、行く手には岩礫に覆われた櫛が峰が迫ってくる。丸い山頂をもつなだらかな山なのだが、いかにも火山によってできた山で、草木のまったくない岩礫の山なのだ。
渋谷登山道との分岐に着くと、そこには「この付近有毒のガスが発生するので注意」の標識がたっていた。どう注意したらいいのかわからない。
ここから緩やかに登って行く。道は櫛が峰から磐梯山に連なる稜線の鞍部に向かって続いている。進むにつれて傾斜はきつくなって、岩がゴロゴロする急登になった。振り返ると火口原が広がっていて、奥の方は沼になっていた。
ようやく稜線に登り着くと意外なほど広い平坦地が広がっていた。私はここに弘法小屋があるものと期待していたが、なくてがっかりした。
稜線を磐梯山めざして歩いて行くと「三合目天狗岩」とかかれた石碑がたっている。目の前に突き立っている岩峰が天狗岩のようである。ここでようやく三合目なのかとがっかりしてしまったが、ここからは檜原湖を眼下に眺めることができた。この湖は明治の磐梯山大噴火によってできた堰き止め湖なのだ。

ススキの茂る平坦地を行くと、その向こうには壁のような急斜面があって、そこに登山道が続いているのが見える。
この急斜面を登ろうかというところに水場があった。斜面に差し込まれた筒から滔々と流れ出している。コップで飲んでみたら、冷たくてうまかった。
ノドを潤したところで、目の前の急斜面に挑む。岩礫の歩きにくい道で、これを必死で登ってようやくピークに着くと指導標がたっていた。右に行くと、銅沼を経由して裏磐梯スキー場に下るのだ。昔、私が歩いた道である。振り返ると櫛が峰が下に見えて、山頂から左に伸びる尾根は火山灰の急斜面をつくっていた。
この分岐から5分ほど登ると小屋が見えてきた。これが弘法清水小屋であった。



 弘法小屋から山頂へ
二軒の小屋がある


山頂への登り口


左は断崖


山頂直下の売店


磐梯山山頂直下の標識


小屋は二軒並んでいて、その間を行くと左に弘法清水があった。清水が滾々と流れ出ている。この水場の上には「弘法清水四合目」とかかれて碑がたっていて、その少し上には弘法大師の像があった。

ここからがいよいよ山頂への最後の登りである。
笹藪の間にけっこう広い道がつけられていて、その道は岩のゴロゴロする急な登りである。時々、階段の道になったりする。
15分ほど登ると灌木の間から飛び出して、目の前には大崩落の急斜面が広がっていた。道の左は断崖で、防護柵としてロープが張ってあった。この絶壁を左みながら10分あまり急登すると灌木が終わって、岩礫におおわれた山頂に着いた。927分であった。
山頂には石の祠がたっていて、その横には方位盤があるのだが、台座しかなかった。せっかく展望が広がっているのに、山の名前を確認できない。
でも、景色はすばらしいのだ。北に聳える平らかな山は、猫摩ヶ岳のようであるが、その他の山についてはよくわからない。でも南に大きく広がる猪苗代湖や北の檜原湖などの眺めは本当にきれいなのだ。
山頂から真下を見下ろすと、沼の平が見えて、いくつもの湖沼が散らばっている。
山頂に山名の標識はたっていないのだが、すぐ下に小屋があって、その横に「磐梯朝日国立公園・磐梯山頂・標高
1819m」と書かれた大きな標識があった。
記念写真を撮るために帰りにここに寄った。

帰りは登ってきた道を引き返した。天気予報の通り、沼の平を過ぎた頃から雲が湧き上がって、たちまち磐梯山頂は真っ白な雲に隠れてしまった。早く登っておいてよかったと思った。
帰りできつかったのは、ゲレンデの長い下りであった。傾斜もきついし、下っても下っても登山口に着かない。膝がガクガクになってしまった。
疲れ果てて、登山口に戻ったのは
12時ちょうどであった。
これで今回の秋の登山旅行は終了、あとは仙台まで150kmほどを走るだけである。


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