私の東北の山百選
あきたこまがたけ

標高 1637m
国見温泉→1:00→横長根→45分→大焼砂→50分→横岳→10分→焼森→10分→横岳→15分→弥陀池避難小屋→30分→女目岳山頂→20分→弥陀池避難小屋→30分→男岳山頂→1:00→駒池→20分→大焼砂→25分→横長根→40分→国見温泉

この山に登ったのは23年も前のことなので、もう一度登ることにした。昔は八合目まで車で行くという安直な登山だったので、今回はちゃんと麓の国見温泉から登る。薄曇りだったが展望は良好ですばらしい登山ができた。
秋田駒ヶ岳(女目岳)と阿弥陀池

 登山口から横長根へ 1989年の登山記録


道の駅紫波


国見温泉の登山者用駐車場


登山口


木道を行く


朽ちた階段を登る



横長根に着いた

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201273

今日の天気は曇りなのだが、秋田駒ヶ岳に登ろうと思う。この山には一度登っているのだが、そのときは車で八合目まで行ってしまったのだ。この頃の私はただ山頂に立てばいいというピークハンターで、今思えば恥ずかしいばかりなのだ。天罰か、このときは深い霧で、ほとんど何も見ることができなくて、私の「もう一度登らなければいけない山」の筆頭にある山なのだ。
秋田駒ヶ岳の登山口はいくつかあるのだが、今回は国見温泉から登ることにした。
雨で3泊もしてしまった「道の駅紫波」を515分に出発、国見温泉に向かう。道の駅からは16kmほどで、すごく近いのだ。温泉の入り口に登山者用の駐車場があるのだが、舗装されていないガタガタの駐車場であった。
身支度を終えて歩き始めたのは
6時少し前である。舗装された道を上がって行くと国見温泉の旅館があって、その突き当たり右に登山口がある。
白い岩|の斜面に丸太の階段道がつけられている。階段の途中に登山コースのイラストマップがあって、山頂まで5km、標高差787mと書かれていた。
なお、秋田駒ヶ岳には女目岳、男岳、女岳、横岳などといくつもの山頂があってこれらの総称が秋田駒ヶ岳なのだ。最高峰は女目岳で、一等三角点も置かれているので、ここが山頂ということになる。

急な階段を上って樹林の中に入る。ブナの林で緑がきれいだ。傾斜もそんなにきつくなくて、順調に登って行くと、10分ほどで木道が現れた。下はそんなにぬかるんでいないのだが、木道はラクである。木道が終わると深くえぐれた溝の中を行くようになって、それが終わると丸太の階段道が現れた。このあたりから傾斜がすごくきつくなった。再び木道が現れたと思ったらこれは短くて、すぐに樹林から抜け出して、展望が広がった。道はえぐれた赤土の溝で、そこに岩がゴロゴロしていてすごく歩きにくい。このまま展望の開けた道を登るのかと思っていたら、再び樹林の中に入ってしまった。傾斜はさらにきつくなって、朽ちた丸太の階段になった。
新しいコンクリートの丸太になって、これを急登するとようやく尾根の上に着いた。ここが横長根である。652分であった。
休憩することにした。ここからは女岳を見ることができ、さらに田沢湖も見える。今日は曇りなので展望はダメだろうと思っていたのだが、これなら上等である。ここに立つ指導標には国見温泉まで1.5kmと書かれている。(まだ1.5kmしか歩いていないのだ)山頂まではあと3.5kmということになる。



 駒草の道を横岳へ
荒れてえぐれた道を行く


第二展望台


大焼砂の分岐


横岳への道


横岳直下


横岳山頂


横長根からは尾根を行くのだからラクになるだろうと思っていたら、荒れたえぐれた道を登るのだった。でも、頭上を覆うような高い樹木はなくて、時々行く手に展望が広がる。これからたどる尾根道も一望できる。特に女岳の眺めがすばらしい。ただ、女岳山頂に至る登山道は地図に記載されていないので、今回の登山対象から外している。

20分ほど登ると樹木に囲まれた小さな広場があって、ここで道は左に折れる。傾斜は緩やかになって、行く手の眺めが本当にすばらしい。このたりから高山植物が見られるようになった。山はもう花の季節になっているのだ。
行く手に真っ黒な砂礫の尾根が近づいてくる。仰ぎ見ていた女岳も山頂にある火口が見えるようになってきた。
突然展望の開けた広場に出た。指導標がたっていて、第二展望台と書かれている。第一はどこだったのかと思ってしまった。ここには水準点があった。横長根から30分たっている。展望台というだけあって、眺めはすばらしい。田沢湖もきれいに見えた。湖面が鏡のようで写し出した白い空を雲かと思ってしまった。行く手の女岳と山頂に至る尾根には雲がかかり始めている。展望はこれまでかと思ってしまった。
第二展望台からは道の両側の灌木もすごく低くなって、その中に高山植物が咲いている。きれいである。
10分ほどで砂礫の斜面になって、すぐに「大焼砂」の指導標に着いた。ここはY字路になっていて、左に下る道が「稚児車の道」、右の尾根を行く道が「駒草の道」となっている。私は駒草の道を登って、帰りは稚児車の道を戻ってくるつもりだ。
ここからは黒い砂礫の道を登るようになる。道には柵が設けられていて、それがどこまでも続いている。この黒い砂礫をよくみたらコマクサが咲いていた。コマクサにはまだ早いだろうと思っていたのだが、うれしくなってしまった。
登って行くにつれてコマクサの数はどんどん増えていって、大群落になった。何度も何度も立ち止まって写真を撮ってしまった。おかげで、ちっとも先に進まない。
黒い砂礫が終わって、道は低い灌木の間を行くようになると、再び花が見られるようになった。ミヤマキンバイの大群落が黄色く広がっている。尾根のはるか左下には木道が続いていて、途中に池も見える。帰りが楽しみだ。
途中、花の写真に夢中になってしまったため、横岳に着いたのは8時半であった。ここから阿弥陀池に下って秋田駒山頂の女目岳に登るのだが、東に黒い砂礫の三角峰が見える。これが焼森で、秋田駒ヶ岳山頂へ向かう前に焼森を往復することにした。



 焼森を往復して阿弥陀池へ
横岳への登り


横岳山頂


馬の背分岐


阿弥陀池に下る


樹林の間を緩やかに下って行くと、左には阿弥陀池とその畔にたつ避難小屋が意外な近さに見えた。鞍部からは砂礫の斜面につけられたすごく広い道を上る。焼森の山頂に立ったのは
845分である。山頂からは阿弥陀池の奥に高くそびえる女目岳がきれいに見えた。時々雲がかかるのだが、天気がここまでもってくれてうれしい。北側を見下ろすと、遙か下に駐車場が見えた。これがバスが到着する八合目駐車場である。昔は車でここまで来れたのだが、今は一般車両は通行できないのだ。山頂で眺めを楽しんでいたら、八合目から登ってきた団体登山者が到着した。混雑に巻き込まれないように急いで横岳に引き返した。
横岳からはすぐに下りかと思ったらそうではなかった。細い尾根を緩やかに登って行くのだ。馬の背との分岐に着く。この馬の背を真っ直ぐに行くと男岳なのだが、私はまず阿弥陀池に下って、秋田駒山頂である女目岳をめざすのだ。
岩屑に覆われた急な道を下る。下には阿弥陀池が広がっているのが見え、雪渓も残っている。木道になると、チングルマの群落があった。花がすごくきれいである。
木道を歩いて小屋に向うと、水場があった。でも水は流れていなかった。
小屋に着いたのは910分、二棟あるのだが、一つはトイレなのだ。小屋の中を覗いてみると、一階は狭くて、二階が広いみたいだ。
小屋の外で休憩することにした。池を挟んだ正面には男岳が見える。雲がかかっていたのだが、晴れてきて、山頂もきれいに見えるようになった。今日は天気に恵まれている。




 女目岳(秋田駒ヶ岳山頂)
女目岳への登り


秋田駒ヶ岳山頂


山頂の一等三角点


いよいよ秋田駒ヶ岳山頂に向かう。最初は大きな岩を敷き詰めた道を緩やかに登って行くのだ。木の階段道になると傾斜はきつくなって、山の急斜面をジグザグに登って行く。最後は岩礫に覆われた道を急登して山頂に着く。
940分であった。
秋田駒ヶ岳にはピークが複数あって、その最高峰がこの女目岳である。秋田駒ヶ岳は複合火山で何度も爆破してそのつど山頂を作ってきたらしい。女岳にも火口があったし、この女目岳にも山頂のすぐ北に火口が見えるのだ。
山頂からの眺めはすばらしい。下には阿弥陀池が広がり、その向こう、横岳から馬の背に続く尾根が屏風のように連なっている。これが男岳に続いているのだが、その鞍部の奥には女岳が見える。ため息がでるようなすばらしい眺めである。
この山頂にあるのは一等三角点であった。
景色を十分楽しんで下山した。



 男岳
阿弥陀池畔を行く


分岐から馬の背に向かう


男岳山頂が見えてきた


男岳山頂


阿弥陀池の南側の木道を歩いた。この道からは池を挟んで女目岳の眺めがすばらしいのだ。池の畔にはシナノキンバイの黄色の花がすごくきれいである。

男岳の分岐に着く。直進すると八合目駐車場である。私はここで左折して男岳を目指す。ここから男岳山頂までは400mである。岩屑の急斜面を登って尾根の上に着く。この尾根を乗り越えて下ると稚児車の道である。ここからは女岳を間近に見ることができる。よく見ると山の斜面から煙が吹き出していた。雲かと思っていたのだが、そうではなくて、女岳は活火山なのだ。山頂には大きなケルンが三つたっていて、そこに登山者の姿が見えた。ガイドブックには女岳への登山道は記載されていなのに、どうして登れたんだろう。
男岳への登りは尾根を行くのだからラクだろうと思ったら大間違いで、すさまじい岩尾根であった。落石に注意しながら急登する。岩峰のピークに着いたと思ったら山頂ではなくて、ここで左折するのだ。痩せた尾根の先に祠が見える。これが男岳山頂であった。
山頂に向かう尾根から左下を見ると小さな火口丘が見える。これが小岳で、この火口丘を回り込むように木道が続いている。私がこれから歩こうとしている稚児車の道なのだ。
男岳山頂に着いたのは10時半。三つ赤い鳥居が重なっていて、その奥に祠がある。祠の周りには奉納された鉄剣などがたっている。祠の奥には方位盤もあった。よく見たら、大きな岩に水準点が埋め込まれていた。
山頂からの眺めはすばらしい。田沢湖、阿弥陀池、女目岳、女岳。見飽きることのない眺めである。



 稚児車コースを下山
馬の背分岐に戻った


女岳の登山道分岐


稚児車の道を行く


かたがり泉水付近


国見温泉に戻った


名残は尽きないが、下山を開始する。馬の背の分岐から稚児車コースに下る。これがめちゃくちゃに急な険しい道であった。外輪山の壁をジグザグに急下降するのだ。道はザラザラで滑りやすくて、顔がひきつってしまうような難路である。この道をたくさんの人が登ってくるのには驚いてしまう。
落石に注意しながら慎重に下って行く。恐ろしい道なのだが、この急斜面にはたくさんのきれいな花が咲いていてうれしくなってしまう。ようやく傾斜が緩まるあたりには紫のハクサンフウロの群落があった。ヤマザクラも咲いていた。このあたりに残雪もあって、つい最近までは道も雪に覆われていたようだ。
指導標がたっている。右に踏み跡があるのだが、こちらの方向の表示はなかった。でも、これが女岳に登って行く道のようである。三人のパーティがこの道を登っていた。

男岳を振り返るとすさまじい岩壁となってそそり立っている。岩塔も見える。地図にある五百羅漢かもしれない。秋田駒ヶ岳ってこんな山だったのだ。すごい。
ほとんど平坦な道を歩いて行くと、チングルマの大群落が広がった。なるほど「稚児車の道」である。木道がどこまでも続いていて、その両側は白いチングルマに覆われている。うれしくなってしまう道である。
駒池に着いたのは1135分。池の畔に草がないので、なにかしら荒涼とした感じである。池には横岳がきれいに写っていた。
駒池から10分ほど行くと小さな水たまりのような池があって、指導標には「かたがり泉水」と書かれていた。泉水というほどきれいな水ではないのだが…。
この池から5分ほど行くと、突然、目の前に黒い砂礫の斜面が広がった。この斜面を斜めに登ると、今朝通った大焼砂の分岐であった。
あとは登ってきた尾根をひたすら下るだけである。横長根に戻ったのは1217分、急な道をどんどん下って、国見温泉に着いたのは1250分であった。
今日は天気がダメだと思っていたのだが、すばらしい展望に恵まれて最高の登山であった。

この後、田沢湖に寄って、辰子姫の像を見て、それから角館の武家屋敷を散策した。


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