BACK 赤城山
2010年8月12日
「道の駅白沢」の温泉に入ったり、沼田のマクドに行ったりしてのんびりしていた。台風が日本列島の北部を通過して、夕方には秋田に上陸したので、すごい大雨になると思っていたのだが、時々小雨が降っただけであった。
8月13日
今日はいよいよ皇海山登るのだ。この山は、かつては庚申山・鋸山と縦走して山頂に至るしかなくて、往復で12時間以上かかってしまったのだ。昔、登ったときは朝早く出発したのに、庚申山荘に戻ったときは暗くなってしまったのを覚えている。しかも、このときは雨で、山頂からは何も見ることができなかったのだ。もう一度登りたいと思っていたのだが、12時間の登山と思うと躊躇してしまうのだ。ところが、道の駅のパンフレットを見ていたら、群馬県側からも皇海山に登ることができるらしい。パソコンに入っているガイドブックを調べたら、こちら側からなら、4時間半ほどで帰って来れるのだ。
これで皇海山に登ることができる。昨日、台風をやり過ごしたので、今日は晴れるはずだ。心配なのは、昨日の雨で沢が増水していないかということだ。
道の駅を5時過ぎに発進して、追貝の集落から栗原川林道に入る。…ところが、そのすぐのところで工事中のため全面通行止めの標識がたっていた。利根川側から入ってくれということで、その地図が表示してある。仕方がないので道を引き返した。
カーナビに従って車を走らせて行くが、途中で林道は表示されなくなるので、迷ってしまうのではないかと心配であったが、標識がてんねいに置かれていた。
舗装道が終わるとすぐに道がゲートでふさがれていて、ギョッとしたが、これは動物除けの柵で、手で開けることができるのだ。
後は長い林道をひたすら走るだけである。ガタガタの林道が30km以上も続くのだ。でも、そんなに荒れていなくて、慎重に走ったら一般車でも走れそうな道である。私は四駆なのだが。
ゲートから30分ほど走ったら、行く手に皇海山が見えた。すごい、早く登りたい。
登山口に着いたのはそれからさらに30分以上も走ってからであった。登山口と書いた大きな柱が立っていて、そこで林道は左折して川を渡るのだ。この橋がガイドブックに書かれている皇海橋である。
身仕度を終えて、歩き始めたのは7時35分である。登山口の標識から先には林道が続いていて、そこには山岳遭難多発注意という大きな看板が立てられていた。よっぽどハードな登山になるのかと心配してしまった。
林道を閉鎖する遮断機を過ぎ、ヘアピンカーブで緩やかに登って行くと、5分ほどで左に登山道があった。新しい指導標がたっているので、登山道はよく整備されているようである。
この入り口にも山岳遭難に注意の標識があって、「皇海山では山岳遭難が多発、死者も出ています」と書かれていた。私は気が小さいので、どうしようと本気で心配になってしまうのだ。
落葉松林の中を歩いて行くと、5分ほどで沢に下って、これを徒渉する。渡ったところに立つ指導標には山頂まで3.2kmと書かれていた。あんまり遠くはない。
林の中を緩やかに登って行き、15分ほどで再び沢に下ってこれを徒渉する。ここは沢が左右から合流するところで、ガイドブックにある二股徒渉点のようである。
沢はほとんど増水していなくて、簡単に岩を伝って渡ることができた。昨日の雨でどうなっているかすごく心配していたのだ。
徒渉してからは沢と沢の間を登って行くが、やがて右の沢に沿って行くようになる。沢を右に徒渉して、もう一度渡り返す。途中、一カ所へつるところがあったが、基本的には沢の流れの中を行くことはなくて、ちゃんと沢の横に登山道がつけられているのだ。
沢はきれいな渓流で小さな滝をつくって流れている。滑めになってるところもあった。
山頂まで2kmの指導標を通過したのは8時20分。沢の水はほとんどなくなって、大きな岩が累々とする涸れ沢が続く。やがて登山道はこの涸れ沢を登るようになった。大きな岩だらけの中を登って行くと、ガレ場の沢の二股に着いた。ここから右の沢を登って行くのだ。傾斜はぐんと増して、きつい登りになった。途中で沢は左に折れて、その先はさらに急な登りで、沢幅も狭まって、すごい谷を登っているという感じになった。
ようやく沢から離れて右に登る分岐に着いたのは8時50分。ここからはロープにすがって、壁のような斜面を登るのだ。
すさまじい登りが続くのだが、左の沢筋に小中学の団体がいるのが見えて、私を見て道を間違えたと言っている。沢をそのまま詰めて行ってしまったらしい。大人もいたからちゃんと引き返すだろう。
尾根の上に登り着いたのは9時ちょうどであった。なんとかここまでやってきた。でも、登山口からここまで1時間半ほどしかたっていない。庚申山からの縦走コースに比べたら奇跡のような短時間である。
ここから皇海山山頂までは左に50分の登りである。右に行くと鋸山で40分で山頂に至ることができる。帰りに寄ってみようと思う。
皇海山に向かって尾根を登って行く。振り返ったら鋸山が見えた。本当に槍の穂先のような細く鋭く聳える山で、こんなのにどうしたら登れるんだと思ってしまう。帰りに寄るということは撤回しようとかとも思った。(私はナンジャクなのだ)
針葉樹の林の中を登って行くと道は深い笹藪の中を行くようになった。笹が道を覆い隠している。昨日、雨が降ったわりには笹が濡れていなくて、ズボンをびしょ濡れにすることはなかった。尾根から30分ほど登ると、すごくきつい登りになって、ロープにすがって登って行く。大きな岩が立ちふさがって、この巨岩の間をロープで越える。この先は緩やかな尾根道で、10分ほど緩やかに登って行くと、樹林のなかの広場に着く。ここが皇海山山頂であった。9時40分であった。
私は山頂からの展望をすごく期待していたのだが、樹林に囲まれていてまったく見ることはできない。がっかりしてしまった。そうすると、やっぱり鋸山に登るしかないということになる。
山頂には山名標識の他に、渡良瀬川水原碑という標柱もたっている。こっちのほうが立派なつくりである。山頂の真ん中にある三角点は三等三角点であった。
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