すばらしい展望の尾根を緩やかに下って行く。尾根は笹の絨毯で、眺める分にはすばらしくきれいなのだが、朝露がいっぱいで、たちまちズボンはびしょ濡れになってしまった。すぐに雨具のズボンに替えればよかったのに、そのまま歩いていったので、靴の中まで水浸しになってしまった。
白砂山までの縦走路の途中には2042mのピークがあって、これを越えなければいけない。最初のピークの鞍部に下って行くと、そこは小さな池になっていた。この横の泥濘を通って、登りになる。すぐに樹林から抜出して展望が広がった。振り返ると堂石山が大きく聳えている。稜線の左には二つのピークを連ねた山が見える。地図を見ると「八十三山」らしい。りっぱな山である。
ハイマツやシャクヤクなどの潅木の間を登って、ピークを越える。ここからはすごい下りであった。大きく下ってそれから白砂山に向かって登り返すのだ。さすがにがまんできなくなって、ここで雨具のズボンに履き替えた。ズボンも靴下も絞ったら、水がいっぱいであった。鞍部に下って行き、振り返ると今越えたピークはすごく鋭く聳えていた。
緑の尾根を登って行く。この道はお花畑の中の登りであった。時期が遅いのが残念なのだが、それなりに花が咲いていた。
山頂に向かっての急登はきつかったが、振り返ると堂石山と今越えた2042mピークの眺めがすばらしい。
ようやく平坦になったが、山頂はここからまだ遠いのだ。痩せた尾根の登りが続く。
ちょっとした岩場を越ると、少しの登りで山頂であった。
山頂には説明板が倒れていて、その奥の金属板に下手くそな字で「白砂山」と書かれていた。広場の真ん中には三等三角点があった。
山頂の先にも、笹原におおわれたきれいな尾根が続いている。でも、その入口には「この先危険」という標識があった。この尾根は佐武流山に続いているのだが、道がないのだ。
山頂からは北東の展望が得られると楽しみにしていたのだが、雲が湧き上がっていて、山々を見ることはできなかった。
登ってきた道を引き返して八間山の分岐に戻ったのは11時半である。
ここから八間山に向かうので、白砂山を眺めながら休憩した。青空が広がっていて、すばらしい眺めである。
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