大室山へは小屋の横から登り始めるのだが、ついでに小屋の中を覗いたら、すごくきれいな小屋であった。東海自然歩道を歩くときはここに泊まろうと思った。
犬越路から大室山山頂までは、標高差500mの尾根を登る。すぐにすさまじい急登になった。こんなのがずっと続くのかと思ったら、これは少しだけで、すぐに傾斜は緩まった。
きれいなブナの林の中、アップダウンを繰り返して登って行くのだが、途中には鎖が下がる岩場の下りがあったりした。1時間ほど登り続けると、尾根は背丈の低い笹原になった。
15分ほど急登して尾根の上に着くと、そこにはベンチがあった。ベンチで犬越路で会った登山者が休んでした。
ここから右の尾根を緩やかに登って行くと、15分ほどで標識のたつ樹林に囲まれた広場に着いた。ここが大室山山頂であった。9時45分であった。
これで私の「日本のすべての山に登る」目標が達成である。思い返せば、この6年間、北海道北端の利尻・礼文から九州の屋久島まで、山を求めて日本列島を走り回ってきたのだ。終わった…という感じである。
感慨にふけっていたら、さっきの登山者が登ってきた。私の目標完遂の山の山頂で会ったのも何かの縁なので、一緒に記念写真を撮ってもらった。
山頂にある三角点は頭が欠けてして、何等なのかよくわからなかった。登山者は先に下って行ったので、私一人山頂に残ってしばらく今まで登ってきた山々のことを思い返したりしていた。
大室山からは加入道山に向かって縦走する。登ってきた道をベンチがある西の肩まで引き返す。ここから加入道山への縦走路に入るのだ。
5分ほど下ると、りっぱな木道になった。このあたりはお花畑になっているらしいのだが、花はほとんど終わっていた。木道が終わっても、「植生保護のために経路内を通行してください」という標識があちこちに立っていた。
道にはロープを張って道から外れないようにしてあるのだが、咲いている花はまったく見えない。
けっこう急な階段を下って鞍部に着くと、ここが破風口であった。
行く手に大きな丸い山が迫ってくる。これが加入道山かと思いながら登って行くと、緩やかなピークに着いた。指導標には「前大室」と書かれて、白石峠までは1.1kmととなっていた。樹林の中の気持ちのいいピークなので、休憩することにした。
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