鬱蒼とした樹林の中を下って行くと、桜林の平坦地に着いた。東屋やベンチが置かれていて、ここが「桜台」である。桜が満開の頃はさぞやきれいなんだろうと思う。
一帯は草地になっていて、この中に登山道は続いている。すぐに急な下りになって、行く手にはこれから登る山が見える。霧雨で少し霞んでいて、なにかしら、すごく遠く感じる。樹木の間の細い道を下ると、階段になって、この急な階段を下ると舗装道に出てしまった。そこには桜台という指導標がたっていた。
舗装道を行くと、5分ほどで通行止めの看板に出た。ここから車は入れないようになっていたのだ。
登山口から香貫山に登り、その登った高さをまた下ってしまったような気がする。
この先はけっこう広い車道を歩いて行くのだが、展望が開けていて、これからたどる山並みが見える。景色を見ながら歩いていたら、左に下る登山道を見落とすところであった。これは車道のショートカットの道で、すぐに再び車道に出てしまった。
車の通行の多い道を5分ほど行くと、右に登山道の入り口があって、この先はけっこう急な山道になった。木の根が張り出した急な登りにはロープが下がっている。階段の道になって、これを登りきると緩やかになり、100mほど林の中を歩くと横山山頂であった。
記念写真を撮ってすぐに下った。急な道にはロープが張ってあって、これにすがって下る。傾斜が緩やかになると、暗い樹林から明るい林になった。行く手にはこれから登る徳倉山が高く聳えているのが見えた。
鞍部に着くと、そこには横山峠という指導標がたっていた。当初予定した沼商からの登山路はここに登ってくるのだ。ここの指導標には、この先鎖場ありとも書いてあった。どんな険しい登りになるとかと心配になった。
鬱蒼とした樹林の中の急登が始まる。でも、7分ほど登ったら傾斜が緩やかになって、視界が開けた。さっき登ってきた香山・横山が見えて、沼津市街の眺めもすばらしい。
すぐにまた樹林の中に入ったが、すごい登りになった。ロープが張ってあって、木の根の張り出す急な道はすぐに階段の登りになった。この階段では、黄色の鉄杭に鎖を張って手すりにしてある。これが横山峠の指導標にあった鎖場らしい。黄色い鉄杭には番号が書かれていて登るにつれて数字は減って行く。1番になったら山頂だろうと、がんばって登って行った。本当に長いきつい登りであったが、ようやくカウントダウンが終わって1番まできたところで鎖は終わった。でも、その先も急な登りは続いていた。
2分ほど登ったら平坦地に着いて、そこには石の祠が二つ並んでいた。ここからほんの少し登ると、樹林から抜け出して明るい徳倉山山頂に着いた。
草地の平坦な広場で、真ん中に二等三角点があった。
ここで少し休憩。沼津市街と、海岸線が見えた。晴れていたらこの方向に富士山が見えるはずである。今、歩いてきた山並みも眺めることができた。徳倉山の標高は256mしかないのだが、ここまでずいぶん険しい登山をしてきたような気がした。
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