北管理所から日本寺の境内に入るのだが、ここで拝観券を買うのだ。切符売り場の人に境内の説明を聞いたら、驚いたことに、ここから鋸山に縦走することはできないのだという。鋸山に登るためには、石切場跡の分岐まで戻らなければいけないのだった。すごく急な石段を登ってきたのだが、これを引き返すのかと思ったらガックリしてしまった。
でも、山頂を踏まずに帰るわけには行かないので、泣く泣く引き返した。
分岐に戻って、関東ふれあいの道を行く。鋸山の大岩壁の下をトラバースして行くので、樹林の中の平坦な道である。ツツジの花がきれいに咲いていて、ふと頭上を見上げると、すさまじい大絶壁がそそり立っていて、そこに岩が突き出ているのが見える。(あとでわかったが、これが「地獄のぞき」という展望台なのだ)
さらに樹木の茂る道を行くと、石切場跡のいくつも四角く切り取られた岩壁が見えてきた。それがすごく巨大で、息をのむほどの眺めであった。
ここから少し行くと、右に四角く切り取られた中に水がたまった沼があった。
この先は平坦な壁が両側にそそり立っていて、その間を抜けて右折する。正面には巨大な岩壁がそそり立っていて、その下は沼になっていた。これが切り通しの池である。
切り通しの池から少し行くと関東ふれあいの道車力道コースとの分岐があった。ふれあいの道はここに上がってきているのだ。
この先はすごく急な石段の登りで、両側に手すりがつけられていた。石段は露岩を削ったもので、急な斜面にジグザグにつけられている。
石段から丸太の階段になって、これを登りきるとようやく尾根の上に着いた。ここからは尾根に沿って山頂を目指すのかと思ったら、その道はロープが張ってあって、通行止めになっていた。山頂に行けないのかとあせってしまったのだが、登山道は尾根を乗り越すようにしていったん下るのであった。この尾根から右に行くと展望台なのだが、これは帰りに寄ることにして、まず山頂を目指す。
丸太を組んだ急な階段をどんどん下って行く。こんなに下ってしまって、本当に山頂に行けるのかと心配になってしまった。でも、鞍部に着くと今度は急な登りが待っていた。山頂までは登り下りを繰り返すのだ。鋸山という名前から、すさまじい岩稜を行くと思っていたのだが、広い樹林の尾根が続いている。
長い階段道を登って行くと、アンテナ塔の立つピークが見えてきた。この手前で登山道は左に下って行き、このピークを巻いてしまうのだが、山頂ではないかと行ってみた。頂きにはアンテナ施設があったが、山頂ではなかった。この横を抜けてさらに進むと、登山道とすぐに合流した。
照葉樹林の尾根を5分ほど行くと、ようやく鋸山山頂であった。山頂には関東自然歩道の説明阪がたっていて、広場の真ん中には、八角形の大きな標柱があった。これは天文測量を実施するための「天測点」なのだ。その横にある三角点は一等三角点であった。
山頂には一人の登山者がいて、少しお話をした。彼は日本寺を観光してからここに登ってきたのだそうで、私が登って来た反対側に下って行った。これはふれあい道のコースなのだ。山頂の左側は開けているのだが、霞んでいてよく見えなかった。
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