関東百名山
なんたいさん

標高 653m
西金駅→20分→湯沢温泉→50分→大円地→1:20→男体山山頂→25分→男体神社分岐→1:40→鍋転山→50分→月居山→30分→袋田の滝→50分→袋田駅

日光の男体山と違って、奥久慈の男体山はすさまじいばかりの岩峰の山なのだ。山麓からその岩壁を見上げたときは登山を止めたくなってしまった。せっかなので長距離の縦走を敢行した。とくに最後に立ち寄った袋田の滝は「日本三名瀑」というだけあって、すばらしかった。
古分屋敷から見る男体山

 西金から大円地へ
袋田町営第一駐車場


袋田駅


袋田駅のホーム


西金駅に着いた


湯沢温泉の入口


行く手に岩峰が見えてきた


男体山が見えてきた


ここから左に下る


大円地集落に入る


健脚コース登山口

BACK 吾国山

2009318

今日は男体山に登る。日光に日本百名山の男体山があるのだが、私がこれから登ろうとしているのは茨城県奥久慈にある山である。ガイドブックを読むとすごい岩峰の山らしい。ワクワクしてしまうではないか。
さて、この山へはどのルートから登るべきか悩んでしまった。男体山の北には日本三名瀑の一つという袋田の滝があるのだ。滝が大好きな私としてはなんとしてもこの滝には立ち寄りたい。私の古い(1983年発行の「東京周辺ワンディ・ハイク」)ガイドブックには袋田の滝から男体山への縦走路が書いてある。でも、最近発行された山と渓谷社の「茨城県の山」にはこの縦走路のことは書いていないのだ。それに、縦走すると車の問題がある。袋田の滝から登ると、大円地に下ってこなければいけなくて、この間をどうするか。
JRの袋田駅から袋田の滝までは4kmほどで、大円地からJR西金駅までも4.8kmである。この間を歩けば縦走は可能である。決めた。
さて、車をどこに置くかなのだが、袋田の滝は観光地だから駐車場があるだろう。袋田に車を停めてJR袋田駅まで歩いてJR線で西金に行って、そこから登山口の大円地まで歩く。男体山から縦走して袋田の滝に下る。大好きな滝は一番最後になるのだが、楽しみは後に残しておこう。
道の駅から車を走らせて袋田の滝が近づくと町営の無料駐車場があった。でも、その駐車場は8時半から17時までしか開いていないのだ。困ったと思ったら、この駐車場は第二駐車場となっている。それなら第一もあるだろうと少し行くと、第一駐車場があって、これはちゃんと開いていた。
カーナビを使ってここから駅までの距離を確認したら2.1kmであった。袋田駅から西金方面への便は814分である。ゆっくり歩いても45分あったら駅に着くだろう。車の中でお湯を沸かしてポッドにお湯を入れ、残ったお湯でコーヒーをつくって時間をつぶした。
駐車場から駅に向かって歩いて行くと、小学生が集団登校していて、元気いっぱいに挨拶をしてくれた。うれしくなった。
駅に着いたのは8時前で、駅はログハウスのような三角屋根であった。この駅は無人ではなくて、近所のおばさんが改札をしているのだ。パソコンを操作して切符を打ち出してくれた。
電車はワンマンカーで、しかも最新の車両であった。田舎の車両は使い古されたものがほとんどんなのだが…。袋田から西金は2区間で料金は200円なのだが、けっこう距離があった。
西金駅も木の駅舎であった。駅では登山者がもう一人だけ下車して、私の前をさっさと歩いていった。
国道を横切って歩いて行くと、さっきの登山者がずいぶん先を歩いているのが見えた。私はけっこうゆっくり歩くのだ。山は逃げないのだからあせってもしかたがない。
川に沿った舗装道を20分ほど行くと指導標が立つ分岐があった。ここが湯沢温泉で、男体山へは真っ直ぐの道を行くのだ。
湯沢温泉から10分ほど行くと、前方に坊主頭の切り立った山が見えてきた。そしてその右には岩峰と絶壁が見える。これが男体山か…、とため息が出てしまう。実は、歩きながら男体山に登るルートで悩んでいる。大円地からの登山路は一般コースと健脚コースの二つあって、一般コースだと難しいところはなく、大円地峠を経由して山頂に至ることができる。それに対して健脚コースはすさまじい岩場の連続で、最後は鎖にすがってよじ登るらしい。私の岩場の技量は素人同然なので、岩場ときくと怖じ気づいてしまうのだ。歩いて行くにつれてこの岩峰群が近づいてくる。眺めは本当にすばらしいのだが。
道端に大きな看板がたっていた。ここで1650万年前のゾウ類の足跡の化石が発見されたのだそうだ。看板の後ろの断崖がそうらしい。感心して通り過ぎた。
道は鬱蒼とした林の中の急登になった。車道なのにすごい登りの連続で、沢の流れが小さな滝をつくっていた。
峠を越えて下って行くと、行く手には岩峰が立ち並んでいるのが見える。これに登ることになるのかと思うとドキドキしてしまう。
さらに歩いて行くと、この岩峰群の左にすごい岩だらけの山が見えてきた。山頂にはアンテナ塔がたっている。実はこれが男体山で、男体山と岩峰群の鞍部が大円地峠なのだ。
緩やかに上って行くと指導標があって、登山口は左となっている。ここからは急な道を下ると広い舗装道路が合流する。このすぐ先に駐車場があった。健脚コースを登って一般コースを下るならここに車を停めたらいいのだ。
行く手には二つの岩峰が高く聳えている。すごいとしかいいようがない。
大円地の集落に入る。いかにも日本の山里といった風景である。集落の中の道を行き、指導標に従って畑の間の細い道をたどる。このあたりにはなぜか、茶畑が広がっていた。
すぐに指導標が見えてきた。一般コースと健脚コースの分岐点である。




登山口を振り返る


スズメバチ注意、ここから急登


滝倉との分岐


鎖場が続く


展望台の平坦地


山頂直下の東屋を振り返る


男体山山頂


 大円地から男体山へ

一般コースと健脚コースの分岐点に着いたが、駅から歩き始めて
1時間15分ほどたっているので、少し休憩することにした。休みながらガイドブックを読んでコースの点検をした。健脚コースでもなんとかなりそうな気がする。まさか穂高のようなすさまじい岩場ではないだろう。心を決めて、健脚コースに挑む。
のどかな日差しの中を緩やかに登って行くのだが、前方には槍の穂先のような岩峰も見え、断崖絶壁が立ちふさがっている。これをどういうふうに登って行くんだと絶句してしまうのだ。
傾斜がきつくなるところに「スズメバチ注意」の張り紙があった。ここからはすさまじい岩場の登りで、この上蜂まで出てきたら、それこそ「泣きっ面にハチ」である。

杉林の中の急登である。でも、10分ほどのきつい登りで、前方に尾根が見えてきた。ガイドブックにある第一のポイントの展望台にもう着いたのかと思ったら、そうではなかった。ここから尾根を左に行く。少しだけ平坦であったが、すぐにまた急な登りになった。杉林の中を登ると、500mほどで滝倉への分岐に着いた。私のガイドブックの地図には載っていない道である。いったい私はどのあたりを歩いてるんだと思ってしまう。
この先、道には大きな岩が見られるようになった。道の横に聳え立っているのだが、そのうち登山道はこの岩を越えて行くようになった。鎖が下がっていて、これにすがってスラブを越えて行く。鎖場の連続になった。幸いなことに、岩には小さな岩礫が飛び出していて滑るということはない。足がかりは十分なので、絶壁みたいな岩場も、あまり危険を感じることなく登って行くことができた。

ようやく尾根の上に出た。そこからは雑木林の中に笹が生える平坦な道である。岩場になってから30分もたったような気がしたが、まだ15分しかたっていなかった。ここが第一ポイントの展望台だろうと思う。見上げるとすさまじ岩壁が聳えていて、これからが本当の岩場との格闘だということがよくわかる。ここからは展望が広がっていて、下に大円地の集落を箱庭のように眺めることができる。目をこらしたら一般コースとの分岐点も見えた。周辺の山々の眺めがすばらしい。これでも、標高はまだ400m余りなのだ。
尾根は狭まってきたが、道の両側は雑木林で、日差しがあたたかい。平坦で快適な尾根道を行く。
でも、すぐに鎖場が現れた。ガイドブックではこの先は、ほとんど鎖でよじ登ると書いてあるから、これは大変だと思ってしまう。スラブのような岩盤に鎖がつけられていて、鎖だけを手がかりに登って行くのだ。越えても越えても、次々と鎖場が現れる。息をつぐために立ち止まって振り返ると、山々の景色がすばらしい。
いったいどこまで岩場は続くんだと思う頃、岩溝の長い登りがあって、これを越えたら平坦な場所に着いた。そこには「男体山山頂一般コース」とかかれた指導標がたっていた。そして、東屋もあった。ここが一般コースとの合流点なのだ。東屋には、駅で一緒だった登山者が休憩していた。ともかくやっと険しい岩場が終わってほっとした。山頂はもうすぐである。
ここからは普通の登山道である。ジグザグに登って行くと、アンテナ塔が2本たっているのが見える。山頂にはあんなものがあるのかと、少しがっかりしてしまった。
山頂の入口には「茨城百景」の碑と石の祠がたっていた。山頂到着は112分である。山頂の真ん中には露岩があって、そこに一等三角点があった。ここからさっきの石の祠を振り返ると、それはすさまじい断崖の上にたっているのだった。
すばらしい景色を眺めながら休憩した。山頂にいるのは私一人である。
ポッドのお湯でコーヒーをつくろうとしたら、コーヒーを忘れてきていた。仕方がないのでお湯だけ飲んだ。お湯だけでもけっこうおいしいものである。


男体山から月居山へ
足下注意の標識


上小川駅への下山路分岐


牧草地が広がっていた


見返り坂を急下降して谷底に着く


第二展望台


鍋転山(第一展望台)山頂


月居峠


月居山山頂

30分ほど山頂でのんびりして、いよいよ袋田の滝に向かって縦走を開始する。山頂から東屋のところに戻って、そこで指導標を確認した。雑木の尾根が続いている。しばらく進んで振り返るとアンテナ塔のたつ男体山を眺めることができた。

この縦走路はひたすらアップダウンを続けるのだ。明るい日差しの中、尾根を歩いて行く。冬枯れの雑木林の道なので、明るく気持ちがいい。
突然、足下注意と書いた新しい標識があった。そこは露岩をトラバースするところで、健脚コースの岩場に比べたらまったくたいしたことがない。

東屋から800mほど来たところに上小川駅・滝倉の分岐があった。ガイドブックではここから下るようになっているのだが、直進して縦走路を行く。
きれいなブナやナラの木を眺めながら尾根を行く。こんな道は大好きなのだ。
上小川駅との分岐から10分ほど来たところで、右に褐色の草原が広がっていた。古いガイドブックには牧場があると書いてあるからそれだろうと思う。牧場の草原を右に見ながら行くと急な登りになった。ようやくピークに着いたが、そこには指導標がたっているだけで名前のある山ではないのだ。そこから急下降して、牧場の草原のすぐ傍を通る。錆びた有刺鉄線の柵が設けられていた。
きびしいアップダウンが続いて、いいかげんバテてきた。あの健脚コースの岩場で体力を使い果たしたみたいだ。

高いピークをようやく越えたら、そこでは鋭角に左に曲がってどんどん下って行く。これは急な長い下りであった。これが見返り坂だろうと確信した。ほとんど谷底に下って、そこで小さな流れを橋で渡る。今までは尾根の上を歩いていたのだが、ここからは尾根の右斜面をトラバースするように歩いて行く。ピークを巻いて行くので、傾斜が緩やかでラクである。いくつか鞍部を過ぎるが、そこは広い平坦地でブナやクヌギなどの林がすごくきれいである。
水根との分岐に着いたのは
1317分、山頂からもう2時間も歩いたことになる。縦走路は単純な尾根沿いでないので、自分の位置が特定できない。谷底に下りてしまったり、沢のような窪地をつめていったりする。周りにはけっこう高いピークが見え、地形はかなり複雑なのだ。
水根の分岐からさらに10分ほど行き、急な尾根を登ってピークに立つと、そこには第二展望台の標石が置かれていた。やっと自分の位置を特定できた。ここから20分ほどで第一展望台なので、隣に大きく聳えているのがそうだろうと思う。展望台の名前の通り、すばらしい展望が広がっていた。休憩してポッドのお湯を飲んだら、ポッドはカラになってしまった。
第一展望台に向かう。まず急下降する。行く手にピークが迫ってくると、それが断崖をもっていることがわかった。すごい。
急な道を登ってピークに着くと、そこには鉄骨組の休憩所があった。第一展望台の標石の他に鍋転山423mの標識もあった。その他に新しい木札には「後山(鍋転山)」とも書かれていた。山頂の真ん中には三角点があった。三等三角点で、ここはりっぱな山なのだ。
さて、ここから月居山までは40分ほどのはずである。第一展望台から下って国道461号線への分岐を過ぎると、鬱蒼とした杉林の中に入ってしまう。尾根の真ん中に指導標がたっていて、ここから尾根を外れて左に下って行く。杉林の中を下って鞍部に着くと、再び国道461号への指導標があった。ここが月居峠であった。
峠から月居山への登りはすさまじく急であった。最後の山なので、たいしたことはないと思っていたのだが、とんでもなかった。急登の連続で、露岩に鎖まで下がっていた。これを越えたら山頂かと思ったらそうではなくて、露岩の痩せた尾根を行き、一度下ってそれからもう一度ロープにすがって岩場を登るのだ。こんなすごい山なのかと思ってしまう。険しい露岩を登ってようやく着いた山頂はうって変わって、広々としていた。広い山頂にはブナやナラなどが生え、ベンチも置かれている。この広場の奥に一段高いところがあって、そこには三角点と月居山の標識があった。でもよく見たら、ここにあるのは三角点ではなかった。第一展望台に三角点があったのに、岩場をあんなに苦労して登った月居山に三角点がないのは不思議である。
月居山山頂からの下り口には月居城跡の石碑がたっていた。指導標にも月居山ではなくて月居城跡とかいてあった。




月居山から下る


鞍部に着いた


境内に石仏群があった


月居観音堂


急な階段を登る


ピークに着く、何もない


下に滝が見えてきた
袋田の滝に下って行く


袋田の滝が見えてきた

 月居山から袋田の滝へ


月居山から下ったら袋田の滝である。張り切って下山開始した。
まず、鎖の下がる急下降であった。雑木林の中をどんどん下って行く。そうすると、行く手の山の上に赤い建物が見えた。なんだろうと思いながら下って行く。

ようやく鞍部に下り着くと、そこには指導標や説明板がたっていた。私は下ったところに袋田の滝があると思っていたのだが、そうではないらしい。
指導標に従って行くと、簡単な門をくぐる。そこはお寺の境内であったようで、たくさんの石仏がならんでいた。その石仏がすごくいい。たくさん写真を撮ってしまった。
ここから道は階段の登りになった。滝へは下ると思っていたのにどういうわけだ。疲れてもいるし、この急な石段の登りはつらかった。石段を上りきったところにはさっき見た赤い建物があった。コンクリート造りの新しい物なのだが、月居観音堂というのだ。
ここからは雑木林の尾根道で、「袋田自然研究路」なのだ。所々にベンチが置いてあって、のんびり散策するにはいいのだろうが、私は袋田の滝はまだかとかなりあせっている。階段を上ってピークに着いたがそこにはなにもなかった。このピークからは急な階段を下るのだ。どんどん下って行くと、しだいに滝の音が聞こえてきた。行く手にはすさまじい岩壁が見えてきて、この絶壁の間を滝は流れているのだろうかと期待してしまった。(そうではなかった)
階段を下って行くと、下に広い川の流れが見えてきて、それがいくつもの段差をもっていて、段差毎に滝となっている。これもすごい眺めである。
袋田の滝というのは滝川という大きな川がそのまま滝となって流れ落ちるのだ。これはすごく期待できそうで、ワクワクしてきた。滝の音はどんどん大きくなって、ようやく水平な遊歩道に出た。ここには指導標があって、右に生瀬の滝があるらしい。私は滝が大好きなので、この滝も観てゆくことにした。水平な遊歩道を行くと、すぐに展望台に着いた。遠くに川が二段になって流れ落ちているのが見えた。川幅が広いのですごい迫力である。滝が落ちた下は広い岩盤になっていて、そこをナメになって流れて行く。すばらしい。感動して引き返した。

階段を下って行くと、広い川が何段にもなって滝をつくっているのが見える。落差は小さいのだが、それが連続しているとすごくきれいである。階段を急降下してゆくと、途中に天狗岩の説明板があった。目の前には槍の穂先のように鋭い岩塔がそそり立っている。この岩の上で天狗が滝見をしたのだという。
さらに急な階段を下って行く。階段はしっかりしたものになって、ジグザグにつけられるようになった。階段から下りたところからは滝の下の流れがすぐ目の前にある。その川にはいくつもの巨岩に埋められていて、この眺めもすごい。行く手には吊り橋がかかっていて、その向こうには、さっきみた巨大な絶壁がそそり立っていた。
吊り橋を渡って行くと、右の山陰に滝の一部が見えるようになった。進むにつれて滝が姿を現してくる。これはすごい迫力である。
吊り橋の向こうには滝見台への入口があって、ここで入場料300円を払わなければいけない。トンネルの中に入って歩いて行くと、行く手が明るくなって、その先には一面に滝が広がっていた。目の前いっぱいが滝で、すごいとしか言いようがない。展望台にたって滝を見上げる。余りの滝幅にカメラにははいりきれない。この上に左右二筋の滝があって、さらにその上にも滝が見えるのだが、大き過ぎて捉えきれない。
たくさんの写真を撮って、さらにエレベータで上に登った。
この上の展望台からの眺めが、写真で紹介される袋田の滝である。下でみた滝は一番下の段の滝で、間近で見ていたのですごい迫力だったのだ。上の展望台からは滝の上部を眺めることになって、滝から離れた感じになる。このため滝の全体を見ることができるのだ。私があれこれ言うよりは写真を見てもらったほうがいいだろう。私はたくさんの滝を観てきたが、たしかにこれはすごいと思ってしまう。300円の入場料は安かった。
大満足で袋田の滝を後にした。
トンネルから出て、あとは駐車場に向かって歩くだけである。2kmくらいなのだが、疲れ果てていて、すごく遠く感じた。足をひきずるように歩いて、車の前に戻ったのは168分であった。日が陰り始めていた。
今日は本当に疲れた。


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