峠には山頂から10分ほどで帰ってきた。
峠からはほとんど平坦な稜線の道が続く。7分ほど行くと、道の右側に巨大な岩がいくつも並んでいた。これはいったいなんなのだと思ってしまった。
ここから少し行くとテーブルとベンチが置かれていて、その先に林道が通じていた。ここから林道を左に行くと、すぐに登山道の入り口があった。
樹林の中の稜線を歩いて行く。樹林が途切ると、行く手右にアンテナ塔が並ぶピークが見えた。これが葛城山山頂である。
道は山の左側を水平にトラバースして行く。ツツジがあちこちで満開ですごくきれいだ。
檜林に入ったら、「外山の観音様」という標識があって、馬頭観音がたっていた。
さらに檜の林を行くと「神島小富士」という標識があって、その矢印の方向を見ると、樹林の間に鋭い三角の山が見えた。
鬱蒼とした林の中を5分ほど行くと、峠のようなところに着いた。ここが葛城山との分岐だと思うのだが、山に上って行く道がない。違うのかと思って、指導標をよく見たら、葛城山へはここから一旦下るのだった。
こんなに下ってしまっていいのかと思うほどどんどん下ると、ヘアピンでカーブする林道に出た。すごく下ったと思ったが、峠からは5分しかたっていなかった。
葛城山へは林道を右に行くのだ。
簡易舗装された林道はほとんど平坦であった。林道の北側が開けて富士山がきれいに見えた。7分ほど歩くと、ようやく葛城山への登り口があった。
ここからは開けた草地の急斜面で、その中に階段の登山道が続いている。この道からは富士山を展望できる。うれしくなってしまう。
草の急斜面をジグザグに登って、やがて樹林の中に入る。ようやく尾根の上に登り着いたと思ったら、ここで左折して、さらに急な尾根の登りが待っていた。ロープが張ってある急登なのだが、すぐに傾斜は緩まった。鮮やかな緑の広葉樹林の中を登って行く。所々にツツジの群落が見られる。この時期は本当に花がきれいである。
こんどこそようやく山頂だと思ったら、電流の流れる柵があって、その奥は工事の真っ最中であった。地面が掘り返されていて、ショベルカーも置かれていた。
このあたりはもう山頂の一角で、工事中の遊歩道を歩いて行くと、ロープウェイ駅が見えてきた。
遊歩道は茶店のデッキを通って山頂広場に出る。さて、山頂は…と見回したら、神社があってその奥が小高くなっている。花壇の中の遊歩道を上ると、展望台のたつ山頂に着いた。山頂には源頼朝の銅像があって、その前には二等三角点があった。
ベンチで休憩する前に、まず展望台に登った。海岸線が弧を描いて続いていて、その右に白い雪をいただいた富士山。まるで絵を見るようだ。富士山の左に雪の峰の連なりが見える。南アルプスであった。
富士山を眺めながら、ゆっくりと休憩した。
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