みなみしょかんだけ

標高 1296m
南暑寒荘→35分→白糸の滝→1:00→雨龍沼湿原入口→1:00→湿原展望台→1:30→南暑寒岳山頂

昔、この雨竜沼湿原にきたことがあるのだが、それは晩秋だった。花の咲く夏に訪れたくてやってきた。朝は雲っていたが、帰りには青空が広がってすばらしい湿原散策ができた。
雨竜沼湿原から南暑寒岳

BACK 雄鉾岳


2006年811

雄鉾岳の登山で、一応、山と渓谷社の北海道百名山は終了した。本当はもう一つ残っている。崕山が最後に残った山なのだが、この山は現在、登山が禁止されているのだ。
自然保護のために入山禁止になっている。
私はそうした山に無理をして登ろうとは思わないのだ。そんな山こそ、そっとしておいてやるべきなのだ。
では、明日はどうしようかと思うのだが、その予定は決めてある。雨龍沼湿原に行くのだ。
私が昔、暑寒別岳に登ったとき初めて雨竜沼湿原のことを知ったのだが、すばらしいところであった。たしかに、北海道の尾瀬といわれるだけの広大な湿原である。
でも、私が訪れたのは晩秋であった。草紅葉の時期である。褐色に染まった湿原もきれいだったのだが、そのとき、夏の花のきれいなときにもう一度来ようと誓ったのだ。

…でも、八雲町から雨竜沼湿原まではめちゃくちゃに遠い。300kmほど走らなければいけないのだ。
噴火湾に沿って走り、洞爺湖町の手前で山に向かって登ってから留寿都を通過して中山峠へ。ここの道の駅で休憩した。ところが、ついビールを買い込んで飲んでしまった。酔っ払い運転をするわけにはいかないので、道の駅で仮眠して、深夜に札幌市街地を抜けることになった。


812

登山口に着いたのは4時ころで、空が明るくなりかけていた。
なんか疲れが溜まってきていて、どうにも具合がよくない。昨日の雄鉾岳登山もそうとうきついものだった。標準所要時間は6時間なのに、8時間ほどかかっている。
さすがに、今日は暑寒別岳まで登る元気はない。雨竜沼湿原の散策だけで帰ってこようと思っている。
今日の天気予報は午前が曇りで午後から晴れてきそうなのだ。車の外は濃い霧で、山のほうはまったく見えない。
出発は8時頃にして、車の中でDVDを見ていた。
車がどんどんやってきて、次々と登山者が出発してゆく。
私が出発したのは8時少し前であった。
まず登山センターで登山届けをする。驚いたことに雨竜沼は入山が有料になっていて、500円払わなければいけないのだ。
私は自然保護のため入山を有料化するのはかなり賛成なのだ。それによって少しでも登山者が減ったらいいし、山の自然を守るためにその資金を使うべきだと思う。
きれいなペンションのような南暑寒荘を右に見て、遊歩道のように整備された道を行く。
このりっぱな道は第一吊り橋まで続く。
第一吊り橋を渡ると階段の道で、ここからが登山道である。
渡った沢はペンケペタン川で、雨竜沼湿原から流れてきているのだ。
沢の左に続く道を登ってゆく。かなり急な登りである。歩き始めて30分ほどで白糸の滝に着いた。私は滝が大好きなので、もちろん立ち寄る。
登山道から離れて谷に向かって下って行くと展望台があって、その向こうに白糸の滝。高さが30mほどあるのだが、きれいな滝である。今は水量が少ないようだ。
来た道を引き返さずに、登山道に向かう道があるので、それを登る。ロープが下がっていた。
登山道に合流したところにも展望台があって、そこからは白糸の滝を見下ろすことができるのだ。この眺めもなかなかいい。
ふたたび登山道を行くと、すぐに第二吊り橋であった。ここで谷の右に渡る。
道は厳しい登りがまったくなくて、はるか下に谷川の流れを見ながら緩やかに登って行く。
かなり上に見えていた稜線がだんだん同じ高さになってくる。登山道に沿って流れる沢は雨竜沼を源流としているのだから、その流れ出るところが湿原入口のはずである。
ずいぶん下にあった谷底がだんだんあがってきて、登山道とあまり変わらない高さになる。
視界も広がってきて、湿原入口が近づいてくる。
道端に咲く花も多くなってきた。
湿原の入口に着いたのは9時35分であった。
湿原は霧に覆われているのかと思ったら、意外と展望が開けている。
草原の中に木道が続く。本当に尾瀬のようである。
木道を行くと木で組まれたテラスのよう展望所が見えてきた。
この展望所の上に登ると、湿原の視界が一段と広がる。すぐそばの池がきれいだ。
草原の遥か向こう、地平線と雲の間に青空が見える。この山のあたりだけが雲に覆われていて、下界は晴れているようなのだ。午後から晴れるという天気予報は期待できそうだ。
頭上は今にも降りだしそうな厚い雲なのだが、湿原の展望にはなんの差し支えもない。
大きな二つの池の間を木道で抜けて行く。花もきれいで何枚も写真を撮ってしまった。
木道の分岐に出た。湿原を一周する木道は一方通行になっているて左から回って行くのだ。行きの道には池が多くていろいろ変化に富んだ池が続く。そのたびにシャッターを切ってしまう。
写真ばかり撮っているので少しも先に進まない。
ようやく展望台との分岐に着いた。霧がだんだん晴れてきている。
散策だけで帰るつもりであったが欲が出てきた。暑寒別岳までは無理でも、せめてその手前の南暑寒岳までは登ってみたいという気になってしまった。
まず湿原展望台に向かう。
登り始めて10分ほどで展望台に着いた。ここからの展望はすばらしい。
緑の大草原の中に無数に散らばる池塘群、そしてその中を細い線となって続く木道。尾瀬ヶ原を至仏山から眺めているみたいである。
ともかく美しい。この景色を見たくてやって来たのだ。大満足。
空が明るくなってきていて、この調子だと晴れるのではないかと思う。南暑寒岳に登ることにした。
展望台からは石がゴロゴロする広い道を登ってゆく。
台地の上に出ると笹の間の道である。道端には黄色い花がたくさん咲いていて、きれいである。途中、七合目の標識があった。標識の10合目は暑寒別岳だろうか南暑寒岳だろうかと考えてしまった。(南暑寒岳である)
背の高い笹藪の向こうに山が見えた。山頂は雲に隠れているのだが、これが南暑寒岳である。なだらかな山である。
登山道はこの長い稜線の右端に向かって登ってゆく。
雲が薄れてゆき、時々山頂が見えるようになってきた。振り返ると雨竜沼湿原が見える。山頂では晴れてるのではないかと期待してしまう。
稜線の端に登り着くと、そこからは這い松の回廊の道になった。無意根山の頂稜部を行くみたいである。
ようやくピークが見えてきて、ここだけ急な登りである。
上りついたところには三角点のような石柱がある。でも、私が記憶している南暑寒岳の山頂はこんなものではなかったはずだが…。あたりを見回すと、この先にも這い松の回廊が続いていて、その間に人影が見えた。
山頂はそこであった。
這い松を抜けて山頂に着く。3人の登山者が休憩していた。
あいにく山頂は霧の中で視界はきかなかった。
12時15分である。
休憩していると霧が晴れてきた。山頂の左は断崖になっていて、長い稜線が壁になって、ぐるりとめぐっているのだ。すごい、山頂はこうなっていたのかと思ってしまう。昔、暑寒別岳に登ったときも霧の中で、なにも見ることはできなかったのだ。
霧が湧き上っては消えて行く。風が強い。すばらしい眺めだ。
山頂の右が暑寒別岳である。大きく落ち込んでいて、そこに細く登山道が続いている。暑寒別岳はあいにく雲でまったく見えない。暑寒別岳の右奥には平野が見えて、そのむこうには真っ青な海が輝いて見える。美しい景色である。下界は快晴のようである。
流れて行く霧、現れたり隠れたりする屏風のように連なる稜線。東側の遥か向こうには雨龍沼湿原も見えるのだ。大満足である。
下山開始。雨竜沼湿原に着く頃には南暑寒岳にかかっていた雲はすっかりとれていた。
湿原は青空の下に広がっていて、ものすごくきれいである。
朝もたくさんの写真を撮ったのだが、晴れた湿原はまた格別で、またまたシャッターを切り続けることになった。
500円の入山料のモトは十分にとった。
登山口に戻ったのは15時半、
いい山だった。


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南暑寒荘前が登山口


吊橋を渡る


白糸の滝の分岐


石仏があった


白糸の滝


第二吊橋


川の流れに沿って行く


湿原が近い


湿原入り口の看板


湿原の木道を行く


湿原の中にテラスがある


湿原展望台の入り口


湿原展望台から


七合目


登山道を振り返る


ここが山頂かと間違えたピーク


南暑寒岳山頂





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