BACK オプタテシケ
2007年7月10日
5時に目覚ましが鳴った。ツアーの団体は6時出発なのだ。とたんに騒々しくなった。私はしばらくシュラフの中でウツラウツラしていたのだが、どうにも騒々しいのであきらめて起きることにした。私の今日の予定は上ホロカメットク避難小屋までなので、ゆっくりでいいのだが…。
私の朝はきわめて簡単である。朝食はとらない。お湯を沸かしてスープを飲むだけなのだ。
ツアーの団体が大騒ぎをしながら朝食の準備をしていたが、私はすぐに出発の準備ができてしまった。
夜が明けたころは濃い霧に包まれていて、天気は期待できそうもなかったののだが、私が小屋の外へ出たときは青空が見えるようになっていた。
登山路は右に聳える山を回りこむように続いている。この山は美瑛富士なのだ。ハイマツの中の道を10分ほど行くと縦走路と合流したが、オプタテシケの方向には雲がかかっていた。
ハイマツの中を進むと、行く手に大きな雪渓が見えてきた。昨日は水汲みでここまで来たのだ。ポリタンには水が3分の2くらいしか入っていないので、ここで水を補給してゆくつもりであった。ところが、昨日は勢いよく流れていたのに、まったく水は流れていない。日中の日差しが雪渓を溶かして流れができていたようで、夜明けは寒いのでまだ雪が溶けていないのだ。水の補給はあきらめるしかなかった。
雪渓を横断する。その向こうには美瑛岳が大きなく聳えていた。真っ青な空が広がっている、今日も快晴のようだ。雪渓から10分ほどで美瑛富士の分岐に着いた。ここにザックをおいて美瑛富士を往復する。
裸地の斜面を登って行く。ガイドブックには「踏み跡程度の道」と書いてあるのだが、しっかりしている。傾斜がきつくなって、火山岩のザクザクの道をジグザグに登って行く。本当に富士山を登っているようである。
振り返ると美瑛岳の全体が眺められるようになって、ザックをおいた十字路がはるか下に見える。傾斜が緩まってくると、斜面の右にオプタテシケが見えてきた。鋭い三角峰が高く聳えている。昨日はオプタテシケから雲の中を歩いたので、こちらからはオプタテシケを見ていなかったのだ。三角峰の手前に2つのピークが連なっているのが見える。ベベツ岳と石垣山のようだ。すばらしい眺めだ。
ハイマツが所々に生える火山性の台地を緩やかに登ると山頂に着く。6時50分であった。
山頂からはなんといってもオプタテシケの眺めが最高である。ただ、その奥に聳えるはずのトムラウシはオプタテシケに隠れて見えなかった。その左、遥か遠くに大雪の山々が雪渓をいただいて広がっている。絶景である。振り返ると目の前に美瑛岳が大きく聳えていて、その右には少しだけ十勝連峰の山が見える。噴煙を上げる火口も見えた。
|
|
美瑛富士避難小屋
美瑛富士への道
雪渓を渡る、昨日は水場があったのだが…
美瑛富士分岐
美瑛富士への登り
美瑛富士山頂 |