7月17日(月)
北海道の夜明けは早くて、4時前には明るくなってしまうのだ。今日は早く出発することにした。5時に清岳荘の前まで行って、出発は5時10分であった。
清岳荘の後ろに登山口がある。ここには注連縄張ってあって、祠もおかれていた。登山安全祈願のためだろうか。祠に頭を下げて歩き始めた。
樹林の中を行く。平らな道で、山すそを回りこんで行くと、林道に出てしまった。こんどはこの林道を歩いて行く。林道のつきあたりが登山口である。登山口には斜里岳山頂まで3.6kmと書かれている。そんな短い距離なのかと驚いてしまった。
登山道を行くと、団体に追いついてしまった。斜里岳は日本百名山の一つである。だから登山者は多いのだ。
団体で困ってしまうのは、登山技術がめちゃくちゃに未熟な人が入っていることなのだ。(私の登山技術も、すべて自己流でやってきたのでまったく自信はないのだが…)深田久弥が選んだ日本百名山は、それなりに日本を代表する山で、本格的な山も含まれる。この斜里岳も渡渉を繰り返す本格的な山なのだから、近くの低山で山に親しみ、経験を重ねて、それから登る山なのだ。最近の中高年登山者は、その基本となる山の経験がないまま、ブームにのっかって百名山にやってくるものだから、渋滞をひき起こしてしまうのだ。たとえば、この斜里岳の登山道も、新道コースと旧道コースがあるのだが、旧道コースは沢登りコースである。でも、旧道コースの手前でも、すでに沢の渡渉を繰り返すのだ。
沢の流れに沿った道は大きな岩を越えたりしなければいけない。ところが、こんな初歩的な渡渉の段階でモタモタして、後の登山者に行列をつくらせるというのはどうなんだろうと思ってしまうのだ。しかも、それが団体だから渋滞は一層ひどくなる。
最近の私はけっこう心が広くなって、こんな団体の後でも、おとなしくついて行くことにしている。
ただ、団体の「質」というのもある。しっかりしたグループでは、最後尾にリーダー、責任者がいて、追いついてきた登山者の状況を察知して、適当なところで追い越させる配慮をしてくれる。でも、程度の低い団体は、リーダーが先頭にいてしまったりして、そういう配慮はまったくしないし、メンバーが疲れて遅れてしまっているのに気づかずにいたりする。私は、単独行専門だから、団体登山についてとやかくいう資格はないのだが…。
下二股に着く。
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