おおひらやま

標高 1190m
登山口→45分→尾根上→1:00→1109mピーク→1:35→大平山山頂

この山は石灰岩植物保護林に指定されているのだが、オオヒウスユキソウなどの貴重な植物群は盗掘や踏み付けで壊滅的な状況にある。私はつい登ってしまったが、こうした山はネットで公開したりしないでそっとしておくべきなのかもしれない。
オオヒラウスユキソウ

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2006年88

無意根山から、明日登る大平山に向かう。
留寿都を抜けて日本海に出てしまうのだ。ようやく海岸に沿った道になると、弁慶岬があった。昔、家族旅行でここに来たことがある。懐かしいのでここに立ち寄った。
でも、お腹が空いている。
がまんできなくなって車の横に椅子・テーブルをだして、カレーうどんをつくって食べた。目の前には弁慶の銅像がたっている。
義経伝説では平泉で死んだ義経は影武者で、義経一行は北海道に渡り、さらに中国大陸まで行ってジンギスカンになったという。壮大なロマンである。
だから、北海道や東北には義経伝説が多く残っているのだ。
大平山の登山口に向かって林道を走って行く。瀬棚の町に入って、登山口に向かって左折するあたりにコンビニがあった。ここで酒を仕入れて登山口に向かう。
未舗装の道になって、りっぱな橋をいくつか渡りトンネルを抜けると広場になって行き止まりであった。ここに車を停めて寝た。
缶ビール3本も飲んだら、ちょっと酔っ払ってしまった。


89

4時半ころ、車が1台やってきた。5人のおじさんおばさんの登山者で、やはり大平山に登るらしい。少し安心した。
私は大平山の登山ガイドを持っていないのだ。山と渓谷社の「北海道百名山」には登山道の状況に関する記載がなくて簡単な地図があるだけだ。北海道新聞社が発行する「北海道夏山ガイド」にも大平山はないのだ。
時間がどれくらいかかるのかわからない。8時間ほど覚悟していたらいいのだろう、くらいの感じしかもてない。
この一行が出発してから登山の準備をした。出発は545分であった。
通行止めの柵の向こうに続く林道を歩いて行く。どれくらいで登山道入口に着くのか心配であったが、すぐに登山ポストのある入口についた。ここには新しい看板が二つ立っていて、大平山が「石灰岩植物保護林」であると書かれている。
この山にはオオヒラウスユキソウやオオヒラタンポポという固有種が植生していて、すばらしい花の山なのだ。ただ、このすばらしい自然が破壊の危機に瀕している。
私が車で走ってきた道は広くて立派な道で、あとは舗装するだけになっている。途中の橋やトンネルも新しい立派なものであった。こうした道がつくられることによって登山者も増え、踏みつけなどで植生が破壊されることになるだろう。また、この山に植生する多くの固有種は大規模な盗掘にあっているらしいのだ。
山渓のガイドブックがこの山の登山ガイドをあえて省略しているのは、こうした自然破壊を危惧するからなのだ。そういう意味からしたら、私がここで大平山登山のページをロードするのは、大平山の自然破壊を助長することになるのかもしれない。ジレンマだ…。
登山口から登り始める。道はしっかりしているが、草木が覆いかぶさるように生い茂っていた。登りが急になってきて、ジグザグに斜面を登って行く。ダケカンバの林の尾根に登りついたのは歩き始めて45分くらいのときである。緑がきれいだ。
尾根に着いたといっても急登は続く。樹林の中で展望はまったくきかない。登山道はブナ林の中に入った。
私はブナの森というのは青森県が北限と思っていた。ところが、道南のこのあたり狩場山一帯がブナの北限なのだ。この大平山にも広大なブナの森が広がっている。
気持ちのいい緑の森の中を登って行く。尾根を登りはじめて30分ほどで樹林から抜け出した。すばらしい展望。重なる山並みの向こうに狩場山がゆったりと聳えている。今日はすばらしい天気だ。晴れた日の登山は本当に楽しい。先行していた登山者グループに追いついた。札幌から来たのだそうである。
展望を楽しみながら行く登山道にはお花畑が広がっている。私は花の名前がわからないので紹介のしようがないのだけれど、ともかく一面に咲き誇る花たちの間を登ってゆくのは疲れを忘れてしまう。
道は急である。すべりやすい砂地で、これを慎重に登ってゆく。樹林を抜けてから
30分で標高1109m点に着いた。
ここからの大平山の展望はすばらしい。大平山ってこんなに堂々とした山だったのかと驚かされる。鋭く屹立する三角峰、途中に岩峰もかかえているのだ。
ここで休憩して、しばらくこの大平山に見とれていた。
いよいよ大平山の山頂をめざす。一旦下るとそこは笹薮で、猛烈な薮こぎをしなければいけなかった。
笹薮を抜けるとすさまじい急登が始まる。でも、あたり一面の花がきれいだ。つい立ち止まって写真を撮ってしまう。登山道には所々に立ち入り禁止の表示があって、植生回復のために登山道を迂回させていたりする。
登山道は山頂に向かって右に回りこむようになる。いよいよ岩場が迫ってくる。道は岩屑が散らばった急斜面になって滑りやすい。石灰岩質の山特有のものである。
岩場をロープにすがって越える。
石灰岩が目立つ斜面を行くとオオヒラウスユキソウを見ることができた。うれしい。時期的にはもう遅くて見れないと思っていたのに。
ウスユキソウは日本のエーデルワイスといわれる花である。決して色鮮やかなものではないのだが、このオオヒラウスユクソウは燻し銀のような輝きがある。私は東北の早池峰山でハヤチネウスユキソウをみたことがあるのだが、やっぱりそれと少し違う雰囲気をもっている。ともかくオオヒラウスユキソウが見れてルンルン気分で山頂をめざした。
目の前に聳えるピークが山頂と思っていたのだが、登山道はピークの右を回り込んで後ろ側のコルに着いてしまう。潅木の中に入ってしまって、猛烈な薮こぎ状態になった。
視界が開けると、私が山頂と思っていたピークの後に、さらに稜線が続いていて、その奥に山頂があることがわかった。
ここからは、笹薮と這い松の薮コギが続く。
いくつかのピークを越えなければいけなかった。今度こそ山頂かと思うのだが、その期待は何度も裏切られる。
ようやく山頂に着いたのは95分であった。やっと…という感じである。1109mから見たピークを山頂と思っていたため、ペースを乱してしまってバテバテである。息があがっている。しかも今日は快晴で、照りつける日の光が強烈である。
あまりの暑さに傘を出してしまった。でも、この傘をさすということはすばらしく快適だということに気がついた。
山頂では1時間近く休憩していたが、途中で追い越した登山者グループは結局やってこなかった。ずいぶん遅いなあと思った。
下山開始は10時。来た道を引き返す。
山頂直下の薮こぎは、やっぱり大変だった。さらに1109mに向かっての急降下も滑りやすくて緊張させられた。
1109mの近くであの登山グループに会った。一人が捻挫したたため、山頂をあきらめて引き返していたのだ。
1109mで休憩。暑い。猛烈に暑い。傘をさして休んだが、ここで水が残り少なくなった。2リットル持ってきたのに、それをほとんど飲み干している。明日からは2.5リットルにしようかと思った。
樹林の中に入ると、強烈な日差しから逃れてほっとする。
でも、水がほとんどないので樹林の中の下りは長く感じた。
車の前に戻ったのは12時半である。

明日は遊楽部岳に登る。
林道を引き返して、国道に出たところにあるコンビニに寄って冷たいビールを仕入れた。
そこから少し行くと「よってけ島牧」という道の駅があるのだ。
ここに車を停めて冷たいビールを飲んだ。うまかった。


NEXT 遊楽部岳

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弁慶岬の灯台


弁慶像


林道終点、ここから歩く


右に泊川を見ながら行く


登山口




草木が覆いかぶさる道を急登する


ブナ林に入る


樹林から抜けると展望と花の道を行く


大平山が目前にそびえる


通行止めの箇所もある


岩場を急登する


岩場を過ぎると急斜面のトラバース


山頂直前は這い松の藪コギ


山頂が見えてきた


大平山山頂







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