大雪山〜十勝連峰大縦走
南沼キャンプ地→三川台→ツリガネ山の肩→コスマヌプリの肩

今日はすごい長距離を歩かなければいけない。昭文社の地図では14時間もかかるコースなので、早朝4時半の出発にした。。
コスマヌプリからオプタテシケ

 南沼キャンプ場から三川台へ
キャンプ場を4時半に出発


南沼の横を行く


三川台への道


三川台まで1.3kmの標識


三山台が近づく


崖に沿ってゆく

三川台

三川台からトムラウシを振り返る

BACK 日本庭園からトムラウシ


2007年79

真夜中の1時半に目覚めてしまった。なかなか眠れないのでお湯を沸かすことにした。この縦走中、水はすべて雪渓の雪解け水を使わなければいけなくて、一旦煮沸する必要がある。今、沸かしておいたら朝には冷めて水になっているはずだ。ただ困ったことがある。ガスが足りなくなりそうなのだ。使う水のすべてを煮沸することになろうとは思っていなかったため、予備に小さいガスを持ってきているだけなのだ。節約する必要がありそうである。
お湯を沸かしたコッフェルをテントの外に出して、もう一度眠った。
隣のツアーは、驚いたことに2時半にテントをたたんで出発していった。まだ真っ暗なのに…。
私は3時に起きて準備を始めた。3時を過ぎると外は仄かに明るくなってくる。北海道は経度が東にあるので明るくなるのが早いのだ。
テントの中で荷物をすべてザックに詰めてから外に出ると風が強い。厚い雲が勢いよく流れて行く。
強風の中でテントをたたむのはけっこう大変で、パッキングを終えたのは4時を過ぎであった。今日はすごい距離を歩くので早発ちをするのだ。
私は今回の山行に昭文社の登山地図を持ってきているのだが、地図に書かれた時間を足すと南沼のキャンプ場から美瑛富士避難小屋までは14時間にもなる。その通りだとすると一日で歩くのはほとんど不可能なのだが、最近の昭文社の地図は中高年登山者にあわせて、かなりゆとりの時間を設定しているので14時間もかかるはずはないと思っている。それに、14時間かかっても4時半に出発したら18時半には着けるはずだ。今は19時くらいまで明るいから、なんとかなるだろう。(ノウテンキだ…)
出発は4時半。まず、三川台を目指す。
トムラウシには厚い雲がかかっていて、黒い雲が風に流れて行く。
キャンプ場からは、まず急な下りである。下に見える山には朝日があたってオレンジに染まっている。天気はよくなりそうだ。

急な下りはすぐに終わって、ほとんど平坦な道になる。お花畑の中を行く快適な道である。行く手に三川台のピークが見えるのだが山頂部は雲に隠れている。でも、しだいに雲が取れてゆくようだ。
登山道は広い稜線を行くのだが、左側は崖となっていて、その向こうに頂上が雲におおわれたオプタテシケが見え、縦走路が一望できる。めちゃくちゃに遠回りしているのがわかる。縦走路は三川台まで行って、そこでUターンして下り、緩やかに右にカーブしながらいくつものピークを越えてオプタテシケに続いているのだ。その遠さにため息が出てしまう。
登山道にはチングルマの大群落が広がる。すばらしくきれいで、天上の楽園である。歩き出して30分もたつと、三川台にかかる雲はすっかり晴れて青空も見えるようになった。
登山道の左下には雪渓が広がり池も見える。なんてきれいなんだと思ってしまう。その向こうに聳えるオプタテシケの雲がだいぶとれてきている。今日も晴れそうである。うれしい。
チングルマのお花畑を行く快適な縦走路なのだが、行けど行けど三川台は近づいてこない。昭文社の地図では三川台までは2時間20分かかることになっているのだ。やっぱり遠い…。
断崖の縁を歩くようになると三川台は近い。とつぜんテントの前に出た。ここはテント場ではないのだが、
5人ほどの若い登山者がいた。その少し先に分岐の指導標がたっていて、三川台と書かれていた。私が行くオプタテシケへの爺走路はここで左折するのだ。少し行くとまたテントがあって、これは地元のおじさん二人の野営であった。



 三川台からコスマヌプリへ
歩いてきた尾根を振り返る


ツリガネ山への道


ツリガネ山の肩への急登


コスマヌプリへの縦走路


行く手に雪渓。ここで道がわからなくなった


コスマヌプリへの道


肩から本当のコスマヌプリ山頂


三川台からは急な下りになったが、すぐに平坦になって笹薮の中の道を行く。
笹や潅木の間を緩やかに下って鞍部に着く。行く手には鋭い峰が二つ。地図ではツリガネ山を通過することになっているので、どちらかがツリガネ山だと思う。
急な登りが始まった。まず左の三角峰のすぐ下を通って、これを捲いてしまう。行く手にはもう一つの三角峰がたちはだかり、登山道はこの山頂に向かって真っ直ぐに続いている。ハイマツの中を急登すると山頂直下にはロープが下がっていた。これにすがって登る。息がきれる厳しい登りだったが、ミヤマオダマキの紫の花がきれいだった。
ようやく山頂に着いたのは7時である。でも、山頂の左に稜線が続いてここよりも高いピークが見える。じつはこれがツリガネヤマ山頂なのだ。(踏み跡がはっきりしないので山頂を踏むのはあきらめた。)
でも、ここからの展望はすばらしい。三川台を振り返ると、そこから左に屏風のような長い稜線が続いていて、途中には鋭い岩峰が聳えていた。すごい迫力である。
これから行くオプタテシケの雲もだいぶ晴れてきて、わずかに山頂付近に雲が残るだけであった。オプタテシケに登る頃には晴れているのではないかと思う。
大パノラマに満足して、先を急ぐことにする。

ツリガネヤマからの下りは登りに比べて短かくて、すぐに緩やかな道になった。縦走路の左にはハイマツの絨毯が広がっていて、右は崖になっている。でも、登山道は崖の縁ではなくて、広いハイマツの藪の中を行くのだ。緑の絨毯が緩やかにうねって続き、その向こうにオプタテシケが聳えている。いかにも遠い。
ハイマツの中の道は時々薮こぎもしなければいけないすごい道で、地図には熊注意とかかれている。鈴を大きく鳴らしながら歩いていった。
行く手に鋭い岩峰がたちはだかる。これを越えるのかと思ったら、稜線を左に外れてその岩峰の下の雪渓を横切るのだった。ところがこの雪渓を渡ったところで道がわからなくなった。右往左往して赤いテープを探してたがどうしても見つからない。でも、ようやく藪に隠れた踏み跡を探し出した。道は直角に右折して、稜線に向かって直登するのだった。笹をつかんでこの急斜面を登り、なんとか稜線の上に出ると、はっきりした登山道があった。助かったと思った。
少し休憩して、これからのコースを眺めやると行く手には平らかなピークが聳えている。これが次の目標のコスマヌプリである。

ハイマツの中の痩せた尾根をしばらく行くと、再び広い稜線歩きになる。ハイマツが絨毯のように広がっている。鞍部に下って仰ぎ見るコスマヌプリはすごく高い山に見えた。最初はハイマツの中を緩やかに登って行くのだが、ピーク直下は本当の急登で、しかもハイマツの藪こぎであった。
ピークに立ったのは
9時半である。昭文社の地図ではここまで6時間50分かかることになっているのだが、5時間しか経っていない。これなら何とか明るいうちに美瑛富士雛小屋に着けそうである。
このピークもコスマプリ山頂ではない。左にもっと高いピークが見え、コスマプリの肩といった感じだ。ここからは雲がすっかりとれたオプタテシケが見え、縦走路に壁のように立ちふさがっていた。オプタテシケの山腹には三筋の雪渓が見える。昨日聞いたところでは、真ん中の雪渓の右端に沿って登るというのだが、いかにも険しい登りのようで気が重くなってしまう。




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