1991年5月25日
私は北海道の釧路に3年間住んでいた。この三年の間に北海道の山はともかく登りまくっていたのだ。
帯広から国道34号線を西に向かって走って行くと、真正面に見える岩峰の山が、この剣山なのだ。
北海道に来て、最初に登ったのが釧路に一番近い阿寒岳だったのだが、次に登ったのがこの山なのだ。
このときは十勝岳に登るために富良野を目指していたのだが、その前にこの山に登ることにしたのだ。
登山口には剣山神社である。この神社の境内には山小屋もあるのだが、今はどうなっただろう。ともかく15年も前のことである。
神社の駐車場に車を停めて歩きはじめると、登山道入り口には千手観音の石仏がたっていた。
樹林の中の道はかなりきついジグザグの登りで、それがついに急斜面の直登になる。この樹林の中を1時間ほど、あえぎながら登るとようやく尾根に着いて、傾斜は緩やかになる。
尾根からは行く手に剣山の岩峰が見える。
あの山に登るのかと思うと、かなり緊張してしまうのだ。
大岩の上に出ると、そこが912mのコブである。行く手には長い稜線の道が続いている。驚いたことには雪が残っているのだ。もう5月も末だというのに、さすがに北海道である。
アップダウンを繰り返す道を行く。道端には雪解けのあとに花が咲き始めていた。ひどく可憐である。
こうした花たちを眺めながら尾根の道を行く。山頂が近づくと、さすがにすごい岩場の登りになった。巨岩の間の隙間を通ったり、ロープにすがって、岩を越えたりするのだ。
この岩場を必死で登っていたので、蛙岩とか不動岩はいつのまにか通り過ぎていた。
山頂直下は、はしごで急登するのだ。ともかくこの険しい登りに、めちゃくちゃに緊張させられて、ようやく山頂に着く。
時間は11時になっていた。
山頂は巨岩で、その上に宝剣が祀られていた。
この山頂からの眺めはすばらしい。雪の日高山脈を一望できるのだ。さすがに北海道である。日高はまだ雪景色なのだ。登ってきた尾根を振り返ると、過ぎてきた岩峰群がすごい。
山頂ではビデオを撮りまくって、ただ日高の景色にため息をついいた。
帰りは来た道を引き返して、登山口に戻ったのは12時45分である。
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2008年7月の登山記録
登山口の剣山神社
登山道入り口には石仏があった
1時間ほど登ると、行く手に山頂が見えた
912mコブから雪が見られるようになった
剣山山頂の宝剣
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