いおうざん

標高 1562m
二つ池キャンプ場→南岳→知円別岳→硫黄山山頂→二つ池→オッカパケ岳→サシルイ岳→羅臼平→弥三吉水→木下小屋

硫黄山への縦走路は霧の中で、硫黄山直前で道を間違えてしまった。でも、帰路は霧がしだいに晴れてきて、それなりの展望を得ることができた。でも、縦走路の往復は長かった。
登山道に咲く花

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2006年7
19

4時、外が明るい。北海道の日の出は本州に比べたらめちゃくちゃに早いのだ。
池の向こうにはきれいに南岳が聳えている。今日こそ晴れて欲しいものだと思っていたが、出発する頃には南岳は再び霧に隠れてしまった。
二つ池に沿って歩いて行く。その名の通り池は二つあるのだ。池と池の間の道になると、ぬかるんで、ひどく歩きにくい。
その先には雪渓があった。道はこの雪渓を緩やかに登るのだ。霧で視界のきかない中で、踏み跡がわからなくなってしまった。雪渓の淵に登山道がないか確認しながら歩いて行く。少し遠回りをしたが再び踏み跡をみつけ、なんとか登山道に出た。(帰りにここを通ったときは霧が晴れていて、ごく簡単な雪渓であった)
這い松の中を登ってゆくと尾根に出て、そこには「至南岳」の指導標がたっていた。ガイドブックでここが外輪山コースと沢コースの分岐とわかったが、沢に下る道にはロープが張ってあって、通行止めになっていた。
右折して尾根の道を行く。這い松の中を緩やかに登ってゆく。道はだんだん急になってきて、行く手には巨岩が重なっているのが見える。これが南岳山頂かと思ったら、さらに5分ほど登ったところであった。
ようやく山頂に着く…といっても、やっぱり山名の標識はなくて、「至知円別岳」の標識があった。
南岳から下ってゆくと赤土の裸地になる。そこには登山道を示す杭が打たれていて、これに従って進めという表示があった。霧に中で視界がきかないので、これは助かる。
下って行くと、すばらしいお花畑の草原に出た。広い緑の草原が広がっていて、そこには白い花が一面に咲いている。そのお花畑の中をまっすぐに登山道が続いているのだ。羅臼岳〜硫黄岳の縦走路には、いたるところにお花畑が広がっていて、本当にうれしくなる。
お花畑の道を緩やかに登ると字路に出て、そこが知円別分岐であった。右が東岳、左が硫黄岳である。ここで少し休憩してから硫黄岳への道を行く。すごいガレ場の道で、登ってゆくとどんどん険しくなって、道があやふやになってきた。
かすかな踏み跡をたどって登ってゆくのだが、どうもおかしい。間違えたかもしれない。登って行くと知円別岳の山頂に着いてしまった。地図では知円別岳山頂は捲いてしまうはずなのだ。山頂にはなんの表示もなかったが…。
山頂から硫黄岳方向に踏み跡をたどったが、道はなくなってしまった。どうやっても道がわからない。引き返すしかなかった。ここまできて硫黄岳をあきらめるのか。
引き返してガレ場を下ると、知円別岳を巻くようにして道があるのを見つけた。かなりわかりにくいのだが、晴れていたら迷うことはないのだろうと思う。
ともかく道がわかってほっとした。
山頂直下を捲いて次の尾根に出ると、そこからは白い裸地の道であった。火山らしい道が続く。なにかしら硫黄山に近づいたという感じである。
ゆるやかな尾根の道を行く。霧の中、白い火山性の道を行くと、行く手には黒い岩峰群が見えてきた。聳え立つ岩塔の基部を通って、ここから下る。
驚いたことに再び雪渓にでくわした。雪渓を歩いて、岩峰をトラバースして、再び急登して稜線にでる。そこら窪地のようなところを歩いて再び稜線に出ると、そこが第一火口分岐。緩やかに下って行くと平地に出て、そこに硫黄岳の指導標がたっていた。これに従って岩礫の斜面を登ってゆく。霧の中を行くと尾根道になって、道はどんどん下って行く。ついには谷の中の道になって、どこまでもどこまでも下って行くのだ。さすがにおかしいと気がついた。これはカムイワッカへの下山路ではないかと思う。あとで調べたらまさしくその通りであった。再び登り返す。これはきつかった。こんな急な道を下ったのかと思う。しかも、無駄に下ってしまったと思うと疲れは倍加してしまうのだ。ふたたび稜線にもどると硫黄山の方向をしめす指導標がたっていた。この指導標を確認していたら、下ったりしなかったのだが…。
岩礫を登って、さっき通ったと思われる道まで戻ると、大きな岩に山頂方向を示す矢印がかかれていた。これにしたがって急登を始める。
この登りはきつかった。岩礫の急斜面を行くとしだいに大きな岩が累々とする中の急登になる。このあたりからまた道がはっきりしなくなった。大きな岩を越えて行くのだから道なんてなくて、その岩についた踏み跡を探してたどるのだが、どうも人が通ったという感じがしない。もう仕方がないので、そのまま上に向かって強引に登って行くことにした。かなり危ない登りであった。
でも、ようやく山頂間近で登山道と合流できた。ほっとした。
硫黄山山頂に着いたのは915分であった。やったぁ!という感じである。
長い道のりであった。霧でまったく展望はきかないのだが、それでもすごくうれしい山頂である。
山頂にはもちろん私一人であった。カムイワッカからの登山道が閉鎖されている以上、ここまで登ってくる登山者はほとんどいないのだ。ともかく念願の羅臼硫黄の縦走を果たしたのである。すごくうれしい。
下山するときは明確な登山路を下った。この道はラクであった。私が登ったあの道はなんだったのかと思ってしまう。
ペンキ印の巨岩のところまで戻り、さらに岩礫を下って平坦地にでる。ここがガイドブックにあるキャンプ指定地だったようである。
あとは来た道を延々と引き返すだけである。帰りは比較的天気が回復してきて、霧が時々晴れて展望が広がった。
こんな地形のところを歩いてきたのかと驚いてしまったりする。
二つ池のキャンプ地に戻ったのは12時であった。かけっぱなしにしておいたラジオがなっていた。熊除けにラジオをかけておいたのだ。
テントを撤収して、出発したのは12時半。
空は晴れてきて、青空も見えるようになった。三峰の山がきれいに見える。
羅臼平に戻ったのは3時で、もうかなり遅い。
羅臼平直下の雪渓では軽アイゼンをつけた。けっこうアイゼンがきいて下りはラクだった。
下山路からは南岳などの山並みを展望できた。真っ青な空の下に連なる知床連山、あの山並みを縦走してきたのだ。うれしくなる。
登山口に戻ったのは510分であった。
さすがに疲れた。

羅臼の町に向かう途中、車を停めて知床連山を振り返る。
それぞれの山頂には雲がかかっていたが、すばらしい展望であった。
天気には恵まれなかったが、満足感でいっぱいである。


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早朝の二つ池


尾根に出る。沢コース・外輪山コース分岐


至知別円岳という指導標と杭が続く


知円岳分岐


知円別岳山頂に間違って着いてしまった


これが硫黄山に向かう正しい道


霧の中、火山灰の白い稜線を行く


岩塔がそびえ立つ


大きな雪渓があった


第一火口キャンプ地付近


巨岩に道の案内が書いてある


岩場を急登する


硫黄山山頂





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